呼び出し
「じゃあこれからお店の宣伝をどうするか決めましょうか」
「えぇ~明日でいいじゃん。今日カラオケ行く約束していたのに」
「立石さんは別に参加しなくてもいいですよ。雄二と私の2人でやるので」
美雪のもの言いに、美優の方はムッとしている。
ホームルームで出し物とそれぞれの役割が決まり解散した放課後、俺達宣伝係となった3人はこうして教室に残っていた。
俺達の学校の学園祭は10月の2週目の金土日の3日間開催される。。
1日目が校内で開かれるもので一般開放されるのは土日の2日間である。
で、今は9月の2週目で学園祭まで1ヶ月しか実は時間がない。
いくら宣伝係のやることがないといってもある程度は予定を決めないと行けないということでこうして俺等3人は集まった。
ここら辺は美雪はきっちりとしている
「じゃあ宣伝活動なのだけれど、基本的にはポスターを作成して校内に張ることと当日校内に出て宣伝活動でいいかしら」
「うん。確かにそれしかないように俺も思う。他に何かあるか?」
「じゃあさ、私達も何かコスプレして宣伝しない? その方が面白そうだし」
美優が楽しそうに手を上げてそう言ってきた。
こういう時の美優は本当に楽しそうだ。
「確かにいいわね。雄二に執事の衣装……確かに似合いそうだわ」
美雪、俺の衣装は決まっているのか?
それに俺の衣装の時だけ楽しそうに話すのはやめてくれ。
「でもさ、警察官とかの衣装とかも似あうと美優は思うな」
「確かにそれも捨てがたいわね」
そういうと美優と美雪は俺の衣装のことで話し始めた。
俺からすれば、2人の衣装を先にどうすればいいか言うべきだろうが、2人とも楽しそうだし、それは置いておこう。
そう言えば以前いた世界でもこうして美優と学園祭の話し合いをした気がする。
あの時は調理の役として喫茶店に出すメニューの話をしていたな。
そう言えば美雪はあの時……。
「安城さん、ちょっと話があるんだけど一緒に来てもらってもいいかな?」
急に教室の扉が開いたかと思われると隣のクラスの男子……名前は覚えていないがその人が美雪のことを呼んでいる。
この時間に美雪のことを呼ぶってことは何かあるのか?
俺は頭に引っかかっていることを必死に思い出そうとするが出てこない。
この時期に呼び出し、美雪に、学園祭前、噂……。
俺はその時ある1つの可能性に思い至った。
そうしているうちにも美雪は表の生徒の方に行こうとしている。
「美雪、ちょっと待て、今あいつについて行ったら……」
「雄二、分かってるわ。だけどこれは私がけじめをつけないと行けない問題なの」
そういい、彼女は教室の外にいる生徒について行き、外に出て行ってしまう。
「もうなんなのよ、あの安城さん。せっかく雄二君が呼びとめてくれているのに」
美雪が出て行った扉を見て、プンスカ怒っている美優がいる。
それよりも俺の顔色は今真っ青になっていることだろう。
「悪い、美優。俺も急用ができたから。今日の所は解散にしよう」
「ちょっと待ってよ。雄二君顔色悪いよ。保健室に行った方が……」
「大丈夫だから。じゃあ美優また明日学校で」
後ろで「ちょっと」とかいうを美優をしり目に俺は急いで教室の扉を出て廊下に出た。
左右を見るが一向に美雪の姿が見えない。
畜生、見失ったか。
美雪どこなんだ?
今思えば全てのことに画点が行く。
俺の悪い噂、そして美雪が俺をかばったこと、俺の孤立に美雪の呼び出し。
これは由良の罠だ。
美雪が前の世界でこれと似たようなことを話してくれていた。
何で俺はこのことを思い出せなかったのだろう。
「美雪!!」
そういい、俺は声を上げながら美雪を探すが彼女の姿は見えない。
俺は過去の世界の知識を生かして美雪が誘いだされた場所を探そうとした。
早く彼女を探さないと。
過去の世界と同じようなことを起こさないためにも。
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