指きりげんまん
過去の話の誤字を一部修正しました。
申しわけありません
トイレに行き、尚道にどう言い訳をするか考えていた帰り道のこと、俺は突然呼び止められた。
「み~さきく~ん」
後ろを振り向くと、そこには俺が見知った人物がそこに立っていた。
黒い長い髪をサイドポニーにまとめ上げ、童顔でアイドル顔負けの美貌とそのスカートの下から伸びる健康そうな足が特徴の魅力的な女性だ。
そしてそれを引き立てる制服がきつそうに見えるほど大きな胸。
これにどれだけの男達がロマンを求めてきたことだろう。
「立石……美優?」
「お~~私の名前知ってたんだ。いつも面倒そうにしてたから知らないかと思ったよ」
誰がお前のことを忘れるか。
こいつはよくも悪くも、俺の中では一生忘れることができない人物だろう。
それだけ、美優との思い出は多すぎるし深すぎる。
「で、そんな立石さんが何か用ですか?」
「いや……用ってことじゃないんだけど」
そういうと彼女は俺のことを見て視線をあちらこちらに向けている。
なんだ?
一体何がしたいんだ?
そういえば前の世界でも美優はたまにおかしな行動を取ることがあったからな。
あまり気にしてはいないが、今回もそんな感じだろう。
「その……岬君ってさ、変わったよね。昔よりも格好よくなったっていうか、大人になったって言うか……」
そういった後「いや、昔も格好よかったけどさ」とか慌てたように言ってくる。
尚道と言い、美優と言い何でこんなこと皆言うんだろう?
俺自身は変わったと全く変わったと思わないが。
ってか話ってもしかしてそれだけ?
「もしかして……立石さんそれだけ?」
「いや、そういうわけじゃなくて……今日の放課後って暇だったりする?」
「ごめん。今日の放課後はちょっと用事があって」
そう、今日の午後は真奈と美雪が家まで来て友梨亜を説得するのだからどう考えても無理である。
多分ボイコットするようなことがあれば2人からの裁きの鉄槌が下るだろう。
俺の言葉に美優はしゅんとした表情になる。
実は俺はこの美優の顔に弱かったりする。
何か悩んでるときとか残念がっているときにこのような顔になる。
そういう時はよく美雪と一緒に相談に乗ってあげたりもしたな。
それはともかく今は少しでも美優を元気づけてあげなければいけないな。
「でも、今日は突然言われたからであって、前もって言ってくれればその……大丈夫かと……」
「本当に!!」
そういうと美優の表情はぱぁっと明るくなった。
相変わらず彼女は感情の浮き沈みが激しい。
そんな美優だから俺も美雪も嫌いにはなれなかったのだがな。
「じゃあ、今度の終業式の日の放課後って大丈夫?」
その日は確か予定は特にないはずだ。
訓練も真奈に用事があるって言ってサボればいい話だし。
「その日なら多分大丈夫だよ」
「じゃあ今度の終業式の日ね。約束だからね」
そう言い彼女は俺の小指に自分の小指をからませてきた。
「指きりげんまん嘘ついたら……岬君の唇でも奪っちゃおうかな」
「ちょっと待て。冗談でもそれはやめてくれ」
そんなことをしたら美雪に殺害されるのではないだろうか。
そんなことはお構いなしに美優は「指きった」と楽しそうに言っている。
「じゃあ約束忘れないでよ」
「大丈夫だよ。一度した約束は忘れないから」
「そうしないと、唇奪っちゃうからね」
「なっ!!」
俺は彼女のセリフに絶句した。
そういうことは俺に言う言葉じゃないはずだ。
もっと別の人に言ってあげなさい。
「立石さん、そういうことは誰にでも言っちゃダメだよ。男はみんな狼なんだから」
「……から言ったんだけどな」
彼女はぼそぼそと何かを言ったようだが、その声は俺にはよく聞こえない。
何を言っていたんだろうか。
「とにかく約束、忘れないでね」
「じゃあ、教室で」と彼女は付け加えるとそのまま廊下を走り去ってしまう。
また厄介事になったもんだな。
「雄二」
どこか怒気をはらんだ声が聞こえると後ろを向いてみると、そこには般若のような怒りの表情を浮かべる美雪の顔があった。
「別の女の子と楽しくデートなんて……ずいぶん余裕があるじゃない」
「いや、これには事情があって。あそこで断ると後に厄介なことが……」
怖い。
今の美雪さんは最上級に怖い
この前沙耶に説教していた時の何100倍も怖い。
「問答無用よ。さて、これからどうしてほしいのかしら」
そう言い、こっちに近づいてくる美雪に対して俺は戦慄を覚える。
あれは確実に俺を殺しにきている目だ。
これから俺はどうなるのだろう。
それは過去に戻ってきた俺にも分からないことであった
ご覧いただきありがとうございます
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新キャラ登場しました。
彼女が雄二達とどう絡んでいくかもお楽しみいただければと思います。
次回も宜しくお願いします。




