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貧乏大脱出 2

何かキャラが勝手にブレてきてる気がしますが、大目に見て下さい。処女作ですから

礼子嬢が窓に張り付いてる様子がご近所さんの噂になり始め、結局俺は彼女を慌てて家に入れる事になったのであった。



彼女は何の抵抗もなく俺の聖域に入ってきた。


(異性の部屋に入るってのは多少躊躇するものではないのだろうか?)


「ところで君は何で俺の家知ってたの?」


「調べました」


即答だった。


何をそんな当たり前の事を聞くんだと言わんばかりである。


相変わらずのその方面のスキルの高さが怖い。



「何で覗いてたの?」


待ってましたと堰を切ったように喋り始めた。


「昨日師匠がわたしに明日昼1時に一緒に連れて行ってくれるって言ってくれて楽しみにしていたのに、いつまで待っても連絡無いから携帯電話に掛けたら繋がらないし、住所調べてやっと着いたと思えばインターホンを何度押してもうんともすんとも言わないし、家の電話はないと言われてましたし、家の周りは侵入できる窓はありませんでしたし、やっと師匠を部屋に見つけて気が付いて欲しくて、でも何か忙しそうだったので暫く見てたら、師匠が気が付いてくれたので、嬉しくて笑いかけたのに無視されて途方に暮れてました」


彼女の勢いに思わず謝ってしまう俺。


「あ、ああ俺が悪かった…」



のか?


つか、笑っても口は窓の下で見えんだろ…気付こうよ。

だが見えてもそれはそれで不気味だった気も…


あの約束はもう昨晩果たしたつもりだったが、彼女によるとあれはあれ、それはそれらしい。


「師匠、そんな事は置いといて早くあっちの世界に行きましょう」


行く気満々である。

だが今回は、明日講義がない俺は少し長く滞在の予定なので、彼女は学業もあるし、女の子である彼女が音信不通になるのは拙いから連れていくわけにはいかない。



至極真っ当な説明を彼女にしたのだが…




すると


またじぃ~っと俺の顔を見上げ見つめる。

また目で訴えようとしても無理なものは無理。


と思ったら

無表情という表情を全く変えないまま、突然その目に涙が溜まりだすという予想外の事態に俺はすっかり狼狽してしまった。


な、泣くほどの事なのか!?



(やれやれ、人に見られたら別れ話をしてるみたいじゃないか)



その両目から涙がこぼれ落ちた瞬間、俺は敗北を悟ったのだった。



女は狡い





準備を終え、彼女の短期旅行の根回しも終わり、溶かした金を専門店で買い取ってもらい銀行のCDに預けた後、俺達は街中の流行りのストーン専門店に向かった。


水晶の仕入れのためだ。



入店した俺を見た店員が明るい声を掛けてくる。


「あ、先輩こんにちは。久しぶりですね。いいのが採れました?」

彼女(店主)には、俺の小遣い稼ぎの為に、偶に石を買い取ってもらってる。


「いや、今日はお客で来たんだ」


彼女、仲村芽依は大学時代一緒だった地学サークルの2つ下の後輩である。


彼女も珍しい鉱物オタクで俺と気の合う数少ない女友達だ。

「ここにある水晶玉と透明な水晶の結晶を全部くれないか」


それを聞き目を丸くする彼女。


「何かあったんですか?宝くじが当たったとか?」


彼女は俺が貧乏なのも、金があっても水晶なんて買わないのも良く知ってるだけに当惑してるようだ。


「ちょっと教材にな…」


と濁す。


「…分かりました。大金になりますが、先輩なら翌月払いでもいいですよ?」持つべきものは後輩である。


「取り敢えず今30万払うから週末にでも残りの分の請求書大学に送っといてよ」


知り合いは融通が効くから助かる。

他じゃこうは行かない。


今日は持てるもので良質の水晶だけ持って帰ることにする。


「残りの水晶はまた取りに来るよ」


久しぶりなので色々と彼女と話し込む。

支払いと納品の段取りが終わった後、彼女は俺と礼子嬢をちらちら見る。

何やら俺の斜め後ろからどんよりした空気が周りを包む。


「先輩。何か忘れてませんか?」


ハッ!



しまった



礼子嬢をすっかり忘れてた…



その視線を察した俺は慌てて礼子を紹介する。


「お、おう。こちらは大学サークル時代俺の後輩だった仲村芽依さんでこの店の店主だ。」


まず店主の彼女を礼子嬢に紹介する。


「先輩には色々と教えてもらってそのお陰でこんな立派なお店も開くことが出来て本当にお世話になってるの」


うんうん良い後輩だ。


今度は礼子嬢を紹介する。

「彼女はうちの研究室を手伝ってもらってる石川礼子君だ」



「はじめまして。師匠の一番弟子の石川礼子です。宜しくお願いします仲村先輩」


と、ドヤ顔でのたまった。



(は?何が一番弟子?そんな称号与えてないぞ…)




「よろしく石川さん。先輩に教わる事って中々できないから頑張ってね」


若干トーンが低く声が冷たい気が…


「はい。師匠を尊敬してます。生涯ずっとお供するつもりです」

何か爆弾発言のような事を言いやがった気もするが、あまり長居は出来ないので断って店を出る。


店を出るとき仲村嬢が礼子嬢を睨んでたように見えたのはきっと気のせいだろう。




金の換金も水晶の仕入れも食料他の装備も終わったので、再び水晶洞窟を目指す。

道中

さすがにもう彼女も爆睡すること無く、会話も無く…




(…き、気まずい。)



無表情で解りにくいが、鼻歌が僅かに聞こえてくるところを察するに礼子嬢は御機嫌のようだ。



どうやら自意識過剰だったのは俺の方のだったらしい… 反省




水晶洞窟での転移は少しばかり手こずった。

よく考えたら彼女は寝る必要がない事に気が付き、俺だけ催眠状態に入る必要があったのと、跳ぶとき怖いのか彼女が俺の腕をギュッとにぎり体ごと密着するもんだから、異性耐性スキルの弱い俺は中々瞑想状態に入れなかった。




何とか違う事を考え心を落ち着け、瞑想状態になるまで20分もかかったろうか、こうして再び彼女を連れて俺は異世界へ旅立った。


次の更新は仕事が忙しいので遅れるかもしれません。

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