ひとびとはふかふかの羊のなかでうまれた
ひとびとは羊のなかでうまれた
ふかふかの羊のなかで
わたしはまだ
ぬくいお風呂の湯あがり気分で
少しのぼせているだけなのでしょう
きっと
麻疹みたいなもので
だれもが羊から抜け出そうとする
無理からぬことで
だれもがそうなら
だれでもそうで
他ならぬわたしもそうで
やさしさが私を運んでくれる
さくい私を運んでくれる
きっと万里のどこかへと
華奢なこころを晦ませて
嫋やかなてほどきで
ふかふか羊につつまれているべき
ひとびとは
だれもがそうなら
だれしもそうで
docxさえ たやすく置換できるなら
わたしたちにも たやすくできるはずで
ましてや あなた と わたし なら
だれでもそうなら
だれもがそうで
ならばなぜ
それを是としたのだったっけ
思い出そう
ふうふう息の急き切れても
ふかふかの羊はうまれたところ
そうしてふたたびひとびとは
羊のゆめのなかへもぐる
ふかふか羊に韜晦した
たゆたう夕べをさがしに