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ドーン


 翌朝。

 難波家女五人は六畳にてお膳を囲み、テレビ点けて朝食を取っていた。

 母、難波虎子。四五歳、既婚者。旧姓、堺虎子。生粋の京都女。堺家は女系になると美形が生まれるらしい。まさに、高嶺の花そのもの。結婚するまでは、儚げな美しさも兼ね備えていた。高い鼻梁。猫のような吊り上がった大きな瞳は、見る角度により、精悍な美貌にもなる。黒髪長髪は右側七三に分けで、七の部分の前髪をヘアピンで留めてあった。身長は細身の百七〇。服はいつもの褐色のブラウスに、膝下十センチのデニムスカート。基本は素脚。

 叔母、堺京さかいみやこ。四五歳、独身。虎子の双子の妹。よって当然のように美女。但し虎子の猫目と違い、穏やかな瞳である。鼻筋も高い。腰まである黒髪は、真ん中分けである。双子と言っても、外見上似ていないようだ。身長は百七〇で、華奢。服はいつもの白のデニムブラウスに、膝上五センチのデニムスカート。こちらも素脚。


 近所付き合いは良ろしく、適度にボチボチ。美形一家と云われ、評判も良く長崎の番組局から始まり全国ネットからも何度となく取材の申し込みが来たが。

「私たち、観るのん好きねんけど、出るの恥ずかしゅうて嫌いなんやわ。御免なー。―――なんなら金取るで」

 と、丁重にお断りした。


 お膳には、鰯の唐揚げに京都茄子の漬け物、白味噌汁。麦入り御飯に長崎トマトのサラダ。蜜柑。

 鹿子は白味噌汁を置き、ニュースに目をやる。この穏やかさは、京とそっくり。

「ミヤコはん。昨日の晩は、どないしてはりましたー」

「んー。何か知らねんけどなぁ、会社ん帰りになケッタイな格好した人達がおってん」

 そう云って、お茶をひと口入れて湯呑みを置く。鹿子は更に尋ねてみた。

「その人達に、何かしはりました」

「とりあえずなぁ、脈をみたんよ」

「学校ん帰りに、私もですわ。顔色悪過ぎてん、せやから脈みてみたんです。そしたらなぁ、脈無かったんですわ」

「確かに、脈無かったなぁ」

「ロメロやわ」

「ロメロやなぁ」

 このように、叔母と姪っ子はお互い納得するなりに再び食事再開。遅れて末っ子の蝶子が瞳を輝かせて、話題に参加。

「鹿子姉ちゃん、ゾンビかいな!」

「“あっち”は宗教的お仕置きや、“そっち”は別やで。蝶子」

 鹿子が訂正する。

「じゃぁ、何なん?」

「未練タラタラな連中や」

 と、瓜子が参加。




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