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生まれ変わってもスラムでした  作者: 灰原ノア
無所属編

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50/71

幕間 灰帳連・記録外

 帳簿は、机の中央に置かれていた。


 だが、誰も手を伸ばさない。

 開かれない帳簿は、否定でも肯定でもない。

 保留だ。


「報告」


 短い合図。


「同行者、離脱」


 声に感情はない。


(予想通りだな)


「理由は?」


「価値観の不一致」


「衝突の後?」


「はい」


 紙をめくる音は、しない。


(感情摩擦は、効率を落とす)


「影響は?」


「判断速度、上昇」


「躊躇、減少」


「責任範囲、明確化」


(一本化された)


 誰かが、指で机を叩く。


「危険性は?」


「増加」


「制御は?」


「可能」


(単独の方が、読みやすい)


「逃走判断は?」


「適切」


「切断線は?」


「本人が把握」


 短い沈黙。


 帳簿の重みだけが、そこにある。


「同行者がいた場合」


「判断が遅れる」


「感情が混ざる」


(余計だ)


「現在は?」


「即断」


「切り捨て、可能」


(処理が楽だ)


 誰かが、小さく息を吐いた。


「評価は?」


「上げない」


「下げない」


「だが――」


 一拍。


「用途は、広がった」


 帳簿の端に、指が触れる。

 それでも、開かれない。


「結論」


 全員が、同じ言葉を思い浮かべている。


「単独行動可」


 それだけで、十分だった。


 名前は、書かれない。

 消されもしない。


 記録外のまま。


 会議は、次の案件へ移る。


 帳簿は、最後まで、

 沈黙を保っていた。


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