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幕間 効率の会議
部屋は、静かだった。
窓はあるが、開かれない。
風が入ると、紙が動く。
ヴァルド・グラーツは、指輪を外し、机に並べる。
金属音が、規則正しく鳴った。
(無駄がない)
「例のガキだ」
部下の一人が、帳簿を開く。
「管理派の依頼を、受けました」
ヴァルドは、頷く。
「半分だな」
(中途半端)
「拒否ではない」
「だから、厄介だ」
別の男が、口を挟む。
「殺しますか?」
即答。
(判断が早い)
ヴァルドは、指輪を一つ、指にはめ直す。
「まだだ」
(残す理由がある)
「噂がついている」
帳簿に、線が引かれる。
「切るなら、音を立てずに」
「事故が、望ましい」
誰かが、頷く。
(事故は安い)
「だが」
ヴァルドは、笑う。
「数字が伸びるなら、使う」
紙が、めくられる。
「評価は?」
ヴァルドは、指を一本立てる。
「変数」
(制御不能)
「だからこそ、測る」
会議は、十分で終わった。
結論は、単純。
様子見。
次で、切る。
部屋に、音は戻らない。




