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五大国連合軍

西暦2025年。


 大真栄帝国。栄南基地。


「五大国連合軍のエース級機動歩兵パイロットの方々へ我が国の仁王を紹介させていただきます」


 基地司令官に促されみうとこいわは簡単な自己紹介をした。


「綾瀬みう。階級は中尉です」


 目が隠れそうなくらい伸ばした前髪に耳の下辺りで切り揃えられた襟足のないショートヘアの少女が自身なさげに言った。


「高崎こいわであります! 階級は少尉であります!」


 厚めで毛量が多いまっすぐ生えた髪をおかっぱにした黒髪の少女が利発そうな口調で言った。


 続くように五大国のエース級五人が自己紹介をした。


「ウエスト合衆国のリリーよ」


 ウェーブのかかったロングの金髪に碧眼で身体が大きく肉付きの良い健康優良そうな少女が溌剌とした声で言った。


「ユーロ連合国。ソフィ」


 ショーボブの銀髪に碧眼の小柄な少女がクールな口調で言った。


「ユーラシア連邦のマヤでーす」


 ロングの白髪にスレンダーな長身の少女が明るい口調で言った。


「アジア人民共和国のルイ」


 黒髪に三つ編みのおさげ姿の少女が抑揚のない声で言った。


「アラブ王国のサラです」


 顔以外を黒いスカーフとマントで覆い隠した少女が落ち着いた声で言った。


 五大国のエース級の五人は皆みうやこいわと同い年くらいの女の子であった。


「今回の山本基地侵攻作戦はこの七人を中心に行う。前回同様、高速輸送機からパラシュート降下を行う。しかし今回は偽装工作は一切せず正面突破で、敵の新型も鹵獲せず破壊する方針で行く。もう我々には余裕はないのだ。今回の作戦が失敗したら我が軍は完全撤退し、不平等な停戦条約を結ばされる事になってしまう。そうならないためにも我々は総力を挙げて戦わなくてはならない」


「「了解」」


   ○


 和雅国。山本県上空。


 大真栄連合軍は輸送機から降下準備をしていた。


「降下よーい!」


「ゴー! ゴー! ゴー!」


 七人のエース級達が機動歩兵ごとパラシュート降下していく。


 森川山脈内では和雅国軍機動歩兵部隊が大量に待ち構えていた。和雅国側は物量作戦に出たのだった。


「綾瀬みう……行きます」


 みうは勝利を願掛けするように言った。


「女王陛下。万歳!」


 こいわが士気を高める。


「極東のいざこざなんて一瞬で蹴散らしてやるわ」


 リリーが息巻く。


「油断は禁物よ」


 ソフィが忠告する。


「うるさいわねぇ。せっかく人がやる気になっているのに水を差すような事を言わないでちょうだいよ」


 と、リリーは言い返した。


「まぁまぁ。いつも通りやれば大丈夫でしょ」


 マヤがあっけらかんと言う。


「ふんっ。敵が多くて面倒そうね」


 ルイがうんざりしながら言った。


「いくら束になっても敵わないと悟るのも時間の問題よ」


 サラは淡々と言った。


 和雅国の大軍にエース級七人が突撃していく。


   ○


 和雅国。山本県森川村。森川山脈。


 三八小隊と和雅国軍機動歩兵大隊は大真栄連合軍のエース級七人衆を迎え撃つ。


「私達の領土に足を踏み入れるなぁ!」


 佐藤隊長が怒号を上げた。


「大国の思惑通りには行かせないよ」


 平井副隊長が敵に照準を定め静かに呟く。


「どんどんかかってきなさい! 返り討ちにしてやるわよ!」


 田沼少尉が煽るように言った。


「総都を守るためにも、この戦いは負けるわけには行かないの」


 宮本曹長が声を振るわせながら言った。


「私の生まれ育った故郷を力づくで奪おうとしてくる人はどんな理由があろうと好きにさせない!」


 ひまりも己を鼓舞させるように言った。


 和雅国軍は高い士気で敵の精鋭に立ち向かっていった。


   ○


 和雅国。山本基地仮設本部棟地下司令室。


「向こうは各国最強のエース級が七人。こちらは三八小隊のエース級が四人としきしま一体。大量投入したB級操縦士機動歩兵部隊が敵の足止めとなってくれると良いが」


 花咲基地司令官は祈るように言った。


「六八〜七五部隊。全滅」


「七八部隊。全滅」


「七九部隊。応答ありません」


「なんという戦力差」


「五大国エース級と三八小隊各員交戦中」


「このままでは基地全域が数十分後に占拠されます」


「仕方ない。全戦闘員へ撤退命令を通達。ただ今より本司令部を廃棄する。総員、山崎基地へ避難せよ」


 花咲基地司令官はやむおえず撤退命令を下した。


 和雅国軍は敗れ山本基地及び山本県全域が大真栄帝国に占領されてしまった。


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