表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

始まりの婚約破棄

 

  婚約解消されたのは、9年前の事でした。

  彼は13歳、私は11歳。


 当時の彼は「もう、君の事が好きじゃなくなったんだ」と睨む様にして言いました。


 彼の両親は謝罪をしてくれましたが、私の両親と妹は溜息を吐いて言いました。


「やっぱり。妹と違って美しくも無く、愛想も可愛げもないし、こうなると思っていましたわ」

「ああ。いつもガッカリさせられる」

「……お姉様は、我が家のお荷物ですわねえ」



 言葉が棘の様に次々刺さって、私は何も言えずに俯くばかりでした。

 家族だけでなく婚約者にも否定されて、私にはもう居場所がありません。


  …………誰も私を望まない、誰も私を必要としない…………



 ひっそりと、息を潜めて私は家族から離れ、独り自室に籠りました。

 家族も使用人達からも、私はいないものとして扱われていました。


 涙は涸れて零れません。

 胸が痛い気がするけど、布団に潜り込んで耳と目を塞いで耐えていれば、いつか痛みは薄らぎます。

 

 

 今はまだ痛いけど、惨めさも、ひもじさも、きっと忘れられるから…………

























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ