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プロローグ
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
荒い息を吐きながら、私は走った。
もう、どれくらい走ったか分からない。
自分が今、どこにいるのかさえ分からない。
それでも、足を止める訳にはいかなかった。
足を止めが最後、《《奴》》に殺されてしまうから。
「■■■■■■■■■ッッッ!!!」
後ろから迫る奴の咆哮に私はあっけなく吹き飛ばされ、地面を転がった。
「ぐ…うぅ……」
全身に走る痛みをこらえながら、私は奴を見た。
夜であったためその姿は見えなかったが、暗闇に浮かび上がる血走ったような赤い目が私を睨みつけていた。
「ひ……!」
私は再び立ち上がって震える足を叱咤し、必死に逃げた。
逃げる最中、ふと、己の両親の顔が頭をよぎった。
「お父さん、お母さん……」
本当に、本当に、本当に、
「ごめんなさい……」
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