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日常の詩  作者: C07
8/9

08【世界はかくも美しい】

世界は確かに綺麗だった

それも、私が思っていた以上に

空からの光が大地を温め、

温もりを得た大地が新たな命を生み出す

生み出された命は世界を豊かにし、

いずれ空へと帰っていく


ロマンチックだよね

それぞれが意味あって生まれ、

意味あって消えていく

あの人から生きていた以上に、

この世界は華麗で、

混沌としている


青い空があった

白い雲があった

緑の森に、灰色の鉄塔があった

どれもあの人が言っていた通りの色で、

どれも私の想像以上に幻想的だった


上を見上げれば鳥が歌い、

下を覗けば川がせせらぐ

前を向けば陽の光が地面を照らし、

後ろでは陽の光でできた影が足元を覆う

鮮やかな情景は心を侵し、

世界を知ったばかりの瞳に光を与えた


これがあの人が感じていた世界で、

そして今、私はあの人と同じ世界にいるんだ


いつものビルの屋上で、

缶コーヒーを片手に空を仰ぎ見る


空高く昇った吐息が青い空に吸い込まれる

あの人は今もこの空を見ているのだろうか

この空に登ればあの人を見つけれるのだろうか

誰かが見ている空に手を伸ばす

顔も知らない人に思いを馳せる


太陽から注がれる光が冷えた肌を弱く温める

あの人は今もこの光を感じているのだろうか

この光を辿ればあの人に会えるのだろうか

誰かが感じている日に手を透かす

叶わない幻想を思い浮かべる


募った思いを掴むように、伸ばした手を握る

残ったコーヒーを飲み干し、扉の方へと歩き出す


“顔も知らないどこかの誰かへ

あなたが私の前から消えてから数年

今でも私はあなたを探しています

きっとあなたはそんなこと望んでいない

寧ろ迷惑に思うでしょう

知ったこっちゃありません

私は絶対あなたを見つけます

あなたを見つけて一発殴ります

そして、首輪を付けて私の家に括り付けます

だから今の内にその首を洗っておきなさい

首輪を外すつもり、一生無いから“


人とは不完全な群体である

単体での繁殖は出来ず

個々の私欲に従って行動する

自身の幸福を優先し

他人の不幸を顧みない


歪んだ朝日を拝みながら

今日も誰かの演劇に身を投じる

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