表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/375

◆ 12・彼の思惑(後) ◆


「でしょうね?」


 それがどうした、とばかりに私は答える。

 ルーファの重苦しい愛の話など今更言及されるまでもない。彼はアーラの為なら、本当になんだってするだろうし、見る限り『している』のだ。


「カエル王子だってそうだと思わないか?」

「カエルが?」


 私だって馬鹿じゃない。『アーラの為に?』なんて頓珍漢(とんちんかん)な事を聞くつもりもない。

 だが、私の為にカエルがそこまでする理由には程遠い。

 それこそ、私とアレックスの間に『愛』があったのか『恋』があったのか問題に関わる。



 いや……まぁ勿論? 前に聴衆込みで宣言した通り、アレックスの事は好きと言える。だけど、向こうには惨憺(さんたん)たる過去しかないしな?

 それこそ百年の恋も醒めるレベルじゃない?

 愛はないでしょう?



「ルーファの言葉から察するに、カエルが私を好きだったって事でOK?」


 ライラが挙手する。

 遅れて、ミランダもだ。


「じゃ、順番にライラからどうぞ」

「チャーリー、殿下はあなたを好きだったわ」

「そりゃ嫌いじゃないだろうけど?」


 カエルとの仲は悪くない。特に教団云々やオリガ云々があってから、より仲良くなったと言える。


「そうじゃないのよ、殿下の初恋はあなたなのよ」

「……それも驚きってほどじゃないけど。聞こうじゃないの」


 ライラがまさかカエルと恋愛話をしていたとも思えないが、初恋相手だったと言われれば悪い気はしない。話を促すようにライラを見る。


「殿下は、初めてあなたに会って、一目惚れをしたそうよ!」



 ほう、まぁ見所があるじゃないの。



「でも、池に突き落とされて夢から醒めたそうよ」



 うん……、でしょうね??



「でも! 婚約者だから関わらざるを得なくて、関わってるうちに、もう一度好感をもったそうよ」



 あえて聞きたい。

 どこで???? どの辺に好感を持ったって??



「殿下が言うには『ダメな子ほど可愛い理論』『一周回って好き』に相当するらしいわ」

「それ(おとし)めてるよね?? ライラ、それを信じたの? ってか、いつそんな話をカエルはしてたの? むしろどこでしてたの?? 他に知ってる人いないよね?!」

「大丈夫よ、チャーリー。親友の婚約者と可笑しな関係にはなってないわ。ここに遊びに来た時に、たまたま鉢合わせて聞いただけだから」


 そんな心配は微塵もしていない。


「お嬢様、全く理解できない事に……いつも殿下はお嬢様の事を気にしておいででしたよ」

「ミランダ……前置き要らなくない?」


 ミランダはツンと澄ましている。

 二人から目を逸らし、スライ先輩を見る。先輩とはいうものの、カエルの友人だ。二人の言への意見もあるだろう。


「俺を見るな。知らん。言っちゃなんだが、俺はそういう事には疎いぞ!」



 役立たずめ。



「つまり……アレックスは私の為に、喰われた……と?」


 ルーファが拍手をした。


読んでくださってありがとうございます。

ブクマ・★評価も嬉しいです♪


「面白かった!」

「今後の展開は?」

と思われた方は下の☆☆☆☆☆から(★数はお好みで!w)作品への応援お願いします。

ブックマークやイイネも励みになります!


よろしくお願いします(* . .)⁾⁾

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ