◆ 13・カエルの計画(後) ◆
「そんな、うまくいく……?」
思わず突っ込む。
ルーファなんて、オリガに恨み凄そうだし? まぁカエルが言うなら、何とかは……するんだろうけど。未来が見えないわっ。
それでも一応聞くべき事は聞いて置くべきだろう。
私は質問した。
「ちなみに、計画の概要は? あ、細かいトコは省いてよね」
大まかな流れだけでもつかんでおきたい、と聞く。
「チャーリーは天界に獄界をぶつけようとしてたけど、それだと君は助からないんだ」
「……まぁ、そうでしょうね。でも……仕返し気分が大きいかな、してやりたいからヤルのよ」
「仕返しの効果も微々たるものだよ。獄界は人間ルーファと魔王ルーファで戦力低下、人界を素通りさせても、無傷で待ち構える天使軍団相手では返り討ちだよ」
すげなく言うカエルに思わず言葉に詰まる。
「そ、……そんな、感じ? ま、まぁちょっとは私の気が済むと言うか……」
「チャーリー、もっと確実性を狙おう。ボクは、先攻してオリガとルーファに天界攻めをしてもらおうと思ってるんだ」
「二人に?!」
「そう、二人で。血塗れルーファの行動は注目を集めると思うし、集めるだけの行動をしてもらうつもりだよ。天使との約定を破ったオリガの事も、彼らのプライドを刺激するだろうし」
凄く大掛かりな事に、なって来てるような?
「あんた天界滅ぼす気なの?」
呆れたように聞けば、彼は頷いた。
「うーん……そうだね、天獄システムを少し改変するかも?」
……言うべきじゃないんだろうけど、あんたの託宣……ソレじゃね??
「じゃ……私たちの方向としては? システム改変で……箱庭刑も解くって流れね? で、ソレって婚約状態でも良いんじゃないのって言うのが、私の見解ですけど?」
話を本題に戻せば、カエルはチラリとこちらを見て申し訳なさそうに顔を伏せた。
「……ボクの計画を遂行すると……ヨーク家と敵対、する事になるんだ……」
「そうなの? ソレって、お父様の灰色計画と関係あり?」
「灰色? やはりヨーク侯は何か計画を?」
やはりってなんだ?
灰色計画は知らないの?
ってか、お父様と敵対って……どっちが勝っても嬉しくない未来しかなくない?! お父様が負けたら、私の生活も煽りを食うし、カエルが負けるのも国とか色々含めてヨーク家は恨みを買う事になる。
「チャーリー……ボクたちの敵対行動はある程度で、落とし所の探り合いになるよ。最終的に痛み分けよりはマシな着地点を模索したいけどね」
「つまり、お父様と敵対するのに、未来の父の立場は困るって事ね。私が邪魔って事ね」
カエルは言葉に詰まったのか黙り込む。
まぁ、生きていられるなら……家は没落しても、いいか……。そうよ、傭兵でも冒険者でもして、生きていければいいわ。最悪、住み込みの女給でも!
「実は、ヨーク侯と対立する上で……、閉じ込めておこうかとも思ったんだ」
「なんて????」
「だから……その、……安全な場所に匿う意味で、だけど。ボクのメイプルワイト伯領に場所を作ってって思ったんだ。でも、オリガのやりようを見て、それも違うのかなって思ったから」
そう、カエルは戦慄モノの発言をした。
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