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◆ 12・カエルの計画(前) ◆

『箱庭刑を解く』


 それはまさに、私も望む所だ。

 だが『箱庭刑』は罪人にかけるシステム――少なくとも私はそう認識している。彼ら天使は、勇者選定の賭博に興じているのだから、多数の天使が絡む話かもしれない。

 何より、おっさん天使は『管理』をしていると言っていた。彼一人をどうにかすればいい話でもないのだ。

 つまり『箱庭刑』に関して言えば、敵が見えない。


「無理でしょ」


 あっさりと言い放ち、カエルの手を振りほどいた。



 そもそも、敵がいるのかも怪しいんだよね……箱庭刑ってモノは。それにコレは私の罪問題でもあるわけで……。



「チャーリーは、ルーファにアーラを渡す上で、何が障害になると思う?」


 また可笑しな問いかけをされた。手を離した事への反応もない。彼の声はいつも通りだ。


「天使のおっさん? アーラの兄でしょ、やっぱり。あ、それとオリガ、かな。アーラは人質だもんね」

「そうだね。アーラが原因で三つ巴になってるよね。逆を言えば、アーラを外して考えてみたらどうなると思う?」



 アーラがいないなら……ルーファは別に、敵は空腹くらいなんじゃない? それに天使のおっさんは地上の聖女魔王問題があるわけで? オリガは……?



 悩む私に、カエルが肩を竦めた。


「アーラを外して考えてみると、案外どこも関係しないんだよね」

「いや、でも、……オリガはおっさんを」

「うん。オリガはどうして人質を取ったか、勝算が見えなかったからだよね。つまりアーラがいない場合のオリガは脅威ではない、同時に天使に負ける事を意味するよね」

「そう……なのかな」


 過去の情景における天使の絶対感からも、オリガ敗北は予想できる流れだ。


「アーラがいる事のメリットはそこだね。天使はオリガに強硬姿勢を取れないし、ルーファも下手な行動に出られず画策するしかないんだ」

「つまり何が言いたいのよ?」


 呆れて言う。


「チャーリー、ルーファとオリガは事によっては共闘できてしまうだ。アーラを盾にルーファを言いなりにする事もできてしまう。ルーファを先に押さえないといけなかった」



 ん? もしかして……?



「その口ぶりだと、あんたの計画ってルーファに食べられる前からの物みたい」


 カエルはそれには答えなかった。

 だがその顔を見れば、思っていたより早く行動を起こしていたのが分かった。


「ルーファの記憶を見てはっきりしたよ、オリガの怒りはシステムであってルーファ個人にはないんだ」

「ルーファにはあるじゃない? アーラ拐われたんだから」



 分からないな……カエルは何を狙ってこの話を?



 戸惑う私に彼は言う。


「ボクの計画はオリガと連動出来る部分、ルーファと連動出来る部分があるんだ。ボクらが相手取りたいのは、個人ではなくシステム。手は結べる部分で手を結んで行こうと思ってる」


 ルーファは契約云々の流れから想像はついていた。

 しかしオリガとも手を結ぶ事は、素直に頷けない。私の中のオリガ像があまりに巨大で嫌な性格をしている所為だ。

 あのオリガに限って、そんな都合良く動いてくれるはずもない。



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