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◆ 7・ルーファの始まり(後) ◆

 ま、魔王? 魔王って言った????



「マジで???? あいつ上級悪魔じゃなくて、魔王だったの!?」

「ううん、それも違うんだ。彼の魔王期間は短かった。引き受けた理由も、堕天使関連の情報を得る為で、それが終了すると」

「待って待って! 整理させて……ルーファがいっぱい魔王を殺したから世界のバランスが崩れて、アーラはそれを正しながら、ルーファを新魔王として復活させたって事でOK?」


 カエルは頷き続ける。


「魔王となったルーファは欲しい情報を得るとすぐに、聖女に相対する魔王が自分だと人々に思わせたんだ」

「……聖女は?」

「魔王がいるのだから聖女もいるという固定観念から、人々は聖女選出を始めた。そして選ばれた人物こそ『オリガ』だったんだ」

「は?! オリガって魔女で……悪役よ!? 魔王にも追従してたし、たくさん人も」



 でもそうだ、私の会ったオリガは名前を騙ってる聖女とかなんとか……聞いた事はあった。



「うん。本と同じところもあるけど違う部分も多いんだ。勇者となったのは『サーシャ』で、これは本で知ってるよね?」


 大好きな『アデレイド戦記』十巻には、聖女ヴィクトリアこと『アーニャ』とアレクサンドルこと『サーシャ』の歩んだ道が、敵対し共闘した悪役令嬢こと魔女オリガ・アデレイドと共に語られている。


「本も全てが嘘ってわけじゃないんだ。実はオリガは途中から聖女号を剥奪されて『アーニャ』に移ってるんだ」

「アーニャは聖女でOKって事?」

「うん、あまり説明しても時間が掛かりすぎるし必要な話だけをするね。千年をかけて生み出される魔王と聖女は、壊れたバランスの中でアーラによって生み出されたんだ。それは灰色の珠だった」



 かつてアーラの兄が作った珠を思い起こす。



「珠は地上で時を過ごし、灰色のまま双子として産まれたんだ。それこそが、アンナ・ヴィクトリアとルノヴァ・アレクサンドル……そして、ルノヴァが聖女だったんだ」

「え……サーシャ?」


 私は聖女と魔王が珠から生まれるたんだと思った。

 それはかつておっさん天使たちがした事と同じだと思ったからだ。そして、サーシャが聖女なら魔王は――。


「うん。その顔だと想像ついちゃったみたいだね。……アーニャは魔王だったんだ」

「でも……っ、でも聖女ってなってない?! 本でも、だけど……他の史実系の本とかでも!」

「うん、どちらも未熟な存在だった。自覚すらもなかったろうし、どちらがどうだったとしても問題ない程にね。時が足りてない所為でもあったろうし」

「そんな事って……」

「もしかしたら作成者たるアーラが、最初から二人を魔王と聖女という形に置くつもりがなかったのかも。人としての一生を終えればいいとさえ、思ってたのかもね」



 それも、ルーファが『俺様は魔王』な発表で暴かれてしまったって事か。本では、サーシャとアーニャは幼馴染でイイ関係で……私もめちゃくちゃ応援したってのにっ。

 ってか、ルーファのやらかしが酷いんですけど??



「情報の混乱にはオリガによる意図的な情報操作が関係してそうだね。とりあえず、オリガの話は後にしよう。知って欲しいのは……魔王と聖女が手を取り合って戦った相手が、ルーファだって事だよ」


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