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◆ 4・婚約破棄の危機(後) ◆

「私を……救う?」



 ちょっと意味が分からない……。



「いやいやいや、あんたと離婚した方が私には痛手じゃない? 成婚日まで発表した上での婚約破棄とか、その後の人生ボロボロだって分からない? むしろ私がお父様に殺されてエンドな未来しか見えないんだけど?!」



 そうよ、お父様がこんな話を知ったら私、殺されるわ……!!!!



「ヨーク侯爵……そうだね、彼にとっては困る事態かもしれない」

「いやいや、あんたの方も王位継承とかを別にしても結構な痛手よ?!」


 冷静なカエルにツッコミを入れるも、彼は頷くだけだ。


「どういう事よ……」


 途方に暮れる。

 婚約者という肩書を外しても、私たちはそれなりの関係だったはずだ。友人、いや同志にも近いと思っていた。それがココで見放される事になるとは考えても見なかったのだ。



 正直、カエルに見放されてこの先の情報整理とか頭脳戦とかやっていける気がしないんですけど?



「チャーリー。アーラは君の中にいて、もう目覚めてるね?」


 彼はどこまでを知っているのか、驚きで言葉を失った。

 なぜ彼がそこまでの事を知っているのか、ルーファから聞いたのか、質問は山ほどある。



 アーラが目覚めてたら何だって言うの?! そもそも今その話関係ある?! いや、カエルが言うんだからあるんでしょうけど、説明なしでソレって何なわけ? っつか、婚約破棄の理由を先に……!! 何なのよ、イライラするわっ、マジでっっ!!!!

 って、私、まさに捨てられ女の王道を今、歩んでない?!

 ……うん、歩んでる。歩んでるわ……。なんでこうなった?! 



 大きく深呼吸を繰り返す。



 ……こうして、捨てられ間際の女としてセオリーな台詞を吐いていてもしょうがない、な……。うん、私らしくない……。

 いいわ……了解了解! 別れりゃいいんでしょ別れりゃ!!!!

〈チャーリー! ダメよ……落ち着いて。ちゃんと話す事だ大事よ〉

 元天使の愛され女に何が分かるっての!? 黙ってなさいよ!



 耐えかねたように口を挟んできた天使を黙らせる。


「いいわ、破棄了解。お父様に殺さる危険もある道なんだから、せめて説明はしてもらうわ。命かけてる側として当然の言葉よね? この先あんたが私の責任取るわけでもないんだから」


 むしろ説明だけはしていけと願いながら言う。

 黙り込んでいたカエルは、やがて私の頭をポカリと叩いた。

 軽い一撃だ。

 不覚にも文句は出てこず、呆然とした。撲殺には程遠く、痛みすらも伴わない一撃――とても心に響く一撃だった。


「ちゃんと話すから、君もちゃんと考えるんだ」

「……は?」

「君の敵は政治じゃないし風聞でもないでしょ。それらは君が『より良い生活』をする上で必要な物かもしれないけど、なくても『幸せに生きる事』は出来るし、ボクはそうしようと思ってる」



 また意味が分からなくなった……。



「一緒に生き抜く為に考えるんだ。ボクは君の味方を止めたりしないよ」


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