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◆ 12・反組織の不穏分子(前) ◆

「オネーサマ、つけられてる」


 師匠の家まであと数分という所で、弟が口を開いた。


「つけ?」

「うん、後ろから。どうする?」


 老婆の占いが蘇る。



 まさか『後ろから死が迫る』って今のこと?!

 だとしたら、あの占い当たる!!!!



「オネーサマ?」



 いや、……この子がいる限り私は助かるはずよ、ね?



「エイベル、どんな人がつけて来てるか分かる? ってか馬車を追ってくるって、相手も馬車?」

「マホーっぽい」

「屋根を走ったり飛んだりしてる」


 ツッコミは山ほどあったが、かろうじて飲み込む。

 今、重要なのは『どうやって』ではない、『どう』防ぐか。


「足止めを……」


 言葉を最後まで紡ぐ前に、ドアが開く。

 途端、激しい風が車内を駆け巡る。


「何よ、……も、モニーク?!」


 彼の肩越しに見えた姿は歌姫だ。

 彼女は髪をなびかせ、美しく笑った。


「お邪魔しますよ」


 無反応の弟を見る。

 走る馬車のドアを開けて闖入してきたのだ、充分に対処すべき相手である。


「エイベル!」

「ん?」


 彼女は私の向かい側に腰を下ろす。


「実はお願いがあって追ってきました」



 お願い……?

〈この人は、チャーリーを狙ってないよ? お友だちになりたいみたい〉



 頭の悪い元天使の発言を無視して、質問する。


「いったい私に何の用よ」

「お友達になりましょうよ、シャーロットさん」



 え?

〈うんうん、なりましょうよ!〉

 いや、ならないし!! ってかホントに本当に、友達?? 何の裏が?

〈チャーリー……確かにあなたのしてきた苦労を考えたら、わからないでもないの。でもね、世の中には〉

 あ、もういいです。その話いりません。



「裏があるのが見え見えよ! はっきり言いなさいよ、私を狙ってきたってね!」


 モニークは奇妙な顔をした。


「あなたに価値を感じていません」

「は?」

「我々は来る日のために『戦える人間』を集めていて、そういう人間で構成しているんです。あなたはただのお嬢様でしょう」



 お、おぉ、黙るしかない……。



「エイベル君、だったね? 良かったら私と一緒に来て欲しいところがあるんだけど」


 エイベルに目を付けるとはお目が高い。


「勿論、あなたのお姉さんに何かをする気はありません。一緒にきてくれたら、お姉さんのことはこちらで責任をもってお送りするつもりです。あ、お給金ははずみますよ」


 冗談じゃないと声をあげるより早く、エイベルが首を傾げた。


「あんた、どれくらい強い?」

「それなりに」


 微笑む女に、彼は拳を握りしめた。


「じゃダメだ。だってあんたザコだ」

「は?」


 今度はモニークが言葉を失う番だった。

 私はエイベルを見る。


「オネーサマもクソザコだけど、あんたもザコだし、オレから見ればどっちもザコだよね? ザコ同士で行動してて何かあったら大変だ」



 え、エイベル……!



「そ、そうよ! そうよね!? そうなのよ!! だからエイベルは行きませんとも!」

「だから、姉付きでいっていい?」



 金か、金なのかっっ、弟よ!!!!




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