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◆ 3・ブラコンへの道 ◆


「ごきげんよう、ライラ」

「チャーリー、どうしたのよ? すぐに来て欲しいなんて言うから驚いたわ」


 襲撃者一名を空き部屋に押し込んだまま、ベランダで朝陽を浴びている。

 見張りにはヘクターを、守れる範囲の位置とやらにエイベルを配置した私は取り急ぎライラを呼びつけていた。彼女が不思議がるのも無理はない。


「ライラ、あなたの力を借りたいの」

「なにかしら?」

「弟をシスコン化させるにはどうしたらいい?」

「……はい?」

「お願いよ、ライラ! 私にはとても必要な事なの!! いえ、むしろシスコン化させる為なら、ブラコン化する事も受け入れようと思ってるの! あの可愛げのないクソガキを可愛がる事で、私の奴隷のように心を動かせるとしたら、私がんばるわ!! どうか教授してちょうだいっ、私は何をすればあのクソガキを可愛がって、シスコン奴隷を作り出せるかしら!?」

「お、落ち着いて……チャーリー……」

「落ち着けるわけないでしょー!!!!」


 私は叫んだ。


「あんたには分からないわよ、この気持ち……すでに奴隷化に成功してるんだから!! 私はシスコン妹一人まともに製造できてないのよ?! 普通にしてたらシスコン弟なんて夢のまた夢!! でも私にはとても必要な事なの! 主に命的にね?!」


 ライラは難しい顔をして黙りこくった。


「チャーリー、よく聞いて。弟を愛する事は理屈じゃないのよ? 愛すれば愛は得られるわ」

「……愛が持てない場合はどうしたらいい?」

「良い面を探すのよ! 子供らしさや優しさ、情を感じたら……きっと愛せるわ」

「根が犯罪気質で、表情が乏しくて、子供らしさの欠片もない場合は? ついでに優しさ何それレベルだけど?」


 彼女は再度黙った。


「……大丈夫よ。あなたは……あの『カエル王子』を愛せたんだから! 実績を信じて!」

「実績……っ。確かにそうね? でもカエルは性格が良いし、優しいし、我儘聞いてくれるし、金も地位もあるのよ? ただ将来有望そうな顔ってだけのガキには何があるっていうの?」


 ライラは大きく頷く。


「今、あなたが言ったじゃないの、チャーリー。顔よ」

「顔?」

「顔を愛して」

「顔……を?」

「カエル王子は完成された男だけど、その子は未完成品。あなたの好みの恰好をさせて誰もが羨む美少年にしたてあげたらいいじゃない」



 顔を愛する……いや、魔王って肩書と死の恐怖が先立ちすぎて顔とかどうでもいいわ。



「エイベル! いらっしゃい」


 屋根に向かって大声をあげれば、天辺に立っていたエイベルが軽やかにベランダへと着地した。ライラが目を見張る。


「ライラ、これを見てちょうだい! これが私の新弟よ!! どう愛せば、このク……子供を姉への敬愛に満ち溢れたド……弟に変えられる?」

「オネーサマ、耳もイイんだ、オレ」

「黙って。今ライラとお話してるから!」


 エイベルは嘆息づいた。



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