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◆ 25・渦巻く打算 ◆


 言葉に詰まる。

 アーラの事を感づかれてるのだと、気づいた。なんと答えるべきか悩んでるうちに、エイベルは続きを口にした。


「生き物って、まわりに光が出ててさ。あんた、二つ出てんだよね」



 隠しようがないじゃない……っ。



 彼の言う光がどのような物なのかは分からないし、どういう印象に直結しているのかも謎だ。だが、バレている以上、本当の事を言うべきだと判断する。


「実は私、元天使と同居中なのよ」

「……セイジョにマオウに、ほんとどうかしてるね、オネーサンたち。しかも今度はテンシ?」

「話すと長いけど、今は堕天使よ。悪魔よりの状態ってやつだけど、アーラはイイ子だから安心してちょうだい。ちなみに私も似たような状態なんだけどね!」


 彼は首を傾げた。


「後ろ、光のハネみたいになってる」

「ハネって翼?」

「折りたたんだハネみたい。で、ダテンシって強いの?」


 翼のような光と言われて呆然としたのも一瞬。


「え? あー……」


 つ、つよ……くは、ないよね? あんたって。

〈うん。戦ったりは苦手だよ〉

 まぁ、そうでしょうね。



「元天使の能力は強い弱いでは計れないのよ。特別な力が備わってるの、まだ教えてあげないけど」

「ふーん?」



 ってか、光の翼とか天使っぽくない? てっきり汚かったり黒かったりするのかと思ったのに、堕天使って案外キレイなものなの?

 人間の共通認識としては罪人で悪い存在なんだけどな。

〈堕天したの初めてだから、わかららないよ〉

 そりゃそうでしょうね。

 ちなみに、今、エイベルは何考えてる?



 アーラは少し沈黙し、答えた。



〈見えない……〉

 ……この天使、性能低すぎない? いやいや『元』だからなのか?



 アーラが文句を言うより早く、エイベルに手を差し出す。彼は当たり前のように不思議がって私を見た。

 父の思惑、ミルカの考え、カエルやルーファ。

 それぞれが勝手な思惑で動いている以上、味方の確保は急務だ。



 あと、殺害回避の為にも。この魔王は手懐けておく必要があるわ。

 お父様より先に情報を貰うには、金ではなく情で惹きつけるしかないってやつよ。金至上のこの坊やを、姉の愛で言いなりにしてみせる!!!!

 そう、あんたには立派なシスコンになってもらうわっ。まるで、先輩やライラたちのようにね!



「お父様、エイベルと帰りますね。すっかり誘拐騒動になっていますし、早く無事を伝えておきたいですから。お父様も早くお戻りくださいね。……さぁ、エイベル。帰りましょう」


 できるだけ優しい声と慈愛深い表情を浮かべたつもりだ。だが少年は頭のネジがイカレているのか、無表情で出口に向かっていく。

 肩透かしを食らった気分だ。



 いいわ、そっちがその気ならこっちだって……とことん絡んでやろうじゃないの!! なんたって、魔王を愛で縛ったら、敵なしじゃない? 勿論、勇者って敵はいるけど……タイミングさえ見誤らなければ……っ。



 再度なけなしの母性をフル活用して声を出した。



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