表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

133/375

◆ 22・偽証と真実 ◆


 常識のなさそうな弟から目を逸らす。



 そういえば……。



「ところで、情報通のお父様。フローを知りませんか? フローレンス、あなたの娘2ですけど?」


 父がフローレンスを売り物にしていた事実は知らないフリで話を進める。半人前とはいえ、悪魔ミランダの攻撃を防いだのだ。

 しかも武力でいえば、父側の方にはまだミルカもいる。



 力で言いなりにするのは無理があるわ。

〈チャーリー、フローレンスはここにいないよ?〉

 別にお父様がどこかに隠したなんて思ってないわ、どこにいるかを聞きたいのよ。



 だが、父は困ったように表情を沈ませる。


「教団に捕まってるよ」

「誘拐!? そっちが誘拐なの?!」

「誘拐ではないね」



〈罪〉



 脳内に厳かな声が響く。

 アーラの声ではあるが、こうして感情を切り捨ててしまえば本当に天使めいている。



〈罪には償い。……彼女は、さらわれてないみたい。捕まったの〉

 何、いってんの?



 フローレンスが捕まった事は父が言った事だ。


「誘拐にしか思えませんけど?」

「捕まって拘束されてるんだよ。まだ公表されてないけれど、罪状は『聖女偽装』だったりする。私の所為でもあるかな」



 偽装……つまり、聖女のフリしてる偽聖女って捕まったって事、だよね?

 え?

 ヤバくない?? その下り、私が偽聖女したパターンで体験済みだし、ひっどい最期迎えたし!!!! ちょ、フローレンスを早く助け出さないと、ヤバイじゃないのっ!!!!



 足元がぐらついた気がした。

 分かっている、これらはストレス症状の一種だ。揺れてもいない地面が揺れて感じるほどに、状況への恐怖が私を雁字搦めている。


「フローレンス、助けますよね?」


 父を見る。

 教団は厄介だ。まして罪状を突きつけての連行だったのなら、父の権力をもってしてもどうにもならないだろう。それが過去のパターンだ。



 公表されていないならチャンスはあるはず……! 私の時は正々堂々正面玄関から連れれていったもの! 地位やら出したところで特権階級云々いわれるだけの……だから、今回は、少しだけ救いが……ある方だ。



「聖女だからね? すぐには無理かな」

「何で!! すぐに動かないと、公表されでもしたら助けようがなくなります!」

「そうだね。それで、お前の目的は何?」


 さらりと問いかけられた言葉に口を閉ざす。


「わ、私!?」


 父は当たり前の質問をされたように肩を竦めた。


「お前は悪役令嬢を極めるの? それとも『勇者』とやらになるの? あぁ……天使に戻るのかな?」


 父の言葉は全てを知っている証拠だった。

 私の答えなど一つしかない。


「老衰よ!」


読んでくださってありがとうございます。

ブクマ・★評価も嬉しいです♪


「面白かった!」

「今後の展開は?」

と思われた方は下の☆☆☆☆☆から(★数はお好みで!w)作品への応援お願いします。

ブックマークやイイネも励みになります!


よろしくお願いします(* . .)⁾⁾

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ