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◆ 9・行方捜し(前) ◆


 蓋を開ければよくある話だ。



 なんで気付かなかった? なんて、……無関心だったからだ。



 奉仕活動とばかりに買われた子が実子と同じ扱いをされてるパターンの方が少ない。時には奴隷じみた扱いやメイド同等の作業に追われている、等という話も噂では聞いていた。

 我が家は『高めの対価は何にも勝る』をモットーにしている事もあって、カエル曰く――意識高め層による人気の職場と化しているらしい。


「最悪だ」


 ポツリ呟く。



〈チャーリー?〉

 ……最悪なのは、さ? 私が、後悔してない事ね。やり直したいとも思ってないし、過去の私が知っていたとしても何もしなかった確率の方が高いっていう……そんな事を後悔しても始まらないしね。

〈悪いことをしたって思って、それを悪かったって思うのは良いことだよ?〉

 ミランダの言いようを真似るなら、あんたは『所詮』天使ね。



 フローレンス付きがいないってのは、ミランダとここまで話せるようになるまで分からなかった事だ。

 他のメイドは『いる』体裁を取ったろうし、私もいると思わされていた所がある。どの時点からやり直せたとしても、この事に関する優先順位は低い。


「過ぎた事を考えても仕方ないわ。家出か誘拐か。その他の何にしろ、私にはあの子が『いる』んだから……捜さないと」

「誘拐の線は、ない、と……思います。犯人からの要求が来てませんし……旦那様が、握り潰してない限りですが」


 ミランダが冷静さを取り繕うように言葉を選ぶ。


「フローレンスを売り買いしてた人よ? 誘拐なら利益率考えて、とっくに解決してるでしょ」


 どう決着をつけるにしろ、家名第一の人だ。フローレンスを見捨てるとは思えない。

 まして、買い取り金額の0はとても多かった。


「お父様のそういう所は信用していいわ。家出関連なら『どこに』って問題よね。あんた居場所の見当つかないの? 友達なんでしょ」

「分かるか! ……いえ、知っていたら『ココ』に戻ってくる前に向かってますよ」



 仮にもあんた、私の護衛でしょ……一回は戻ってきなさいよ。

 然し、フローレンスの行きそうな場所……案外、厩舎で馬と戯れてるとか……。庭の隅っこで花と……なんてのもあり得る。



「……よし、久々にやるわ」


 私は顔を上げ、胸を張る。

 人生八十年は過ごした身でやるには、少し気恥ずかしい気もするが目を瞑る。


「ミランダ! 全員に伝達、シャーロット・グレイス・ヨークの命令よ! 邸内から庭から門周辺まで、くまなく探してフローレンスを『ココ』に連れてきなさい! 尚、居ない場合は学園への動線、学園内もよろしく」


 ミランダはスカートを押さえ、頭を垂れる。


「かしこまりました。直ちに」




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