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◆ 19・取引先(後) ◆


「ってか! 悪魔は押し売りしないんじゃなかったの!? 悪魔側から契約を持ち掛けるのって有りなわけ?!」


 思わず叫ぶ。

 ルーファは肩を竦める。


「言葉にしてねぇだろ」

「いやいや、そういう問題?」

「待てチャーリー。さっきそいつは『平の悪魔は』と言っていた」


 急に先輩が真顔で口を挟んできた。

 しかもそこまで親しくなった覚えもないのに『愛称呼び』は普通に引く。むしろあらぬ疑いをかけあうのが貴族の常。


「シャーロットと呼んでください、先輩。貴族は色々面倒なんで」

「……シャーロット、ルーファは『平』じゃないんじゃないか?」


 改めて発言する先輩に、ルーファを見る。

 魔王の時は私が名を呼び、向こうも契約を持ち出し契約した。この場合は私が呼び出した事がきっかけになっているのだから、押し売りではないだろう。

 ルーファは元々こちらの世界を彷徨っていて、ループの元凶だった私の元に現れた。共闘関係もいつの間にか出来上がっていたと言える。



 平か平じゃないかって言ったら、魔王数人倒してるんだし……平じゃなさそうな? 元々上級悪魔的な事を言ってたし。



「あんたって上級なのよね? ハイブリットで……」

「おう」

「上級悪魔って、結局どんな存在なわけ?」

「魔王一歩手前だな!」



 魔王一歩手前……強いって事でOK?



「言ったろう? 天使を喰って魔王は魔王になったんだよ。俺様は天使を喰ってねぇ」



 じゃあ、取引材料は『天使を食べる』手伝いとかになるんだろうか?

 取引先が増えていく……。



 ルーファと『しっかり』手を組む事に依存はない。


「おっと……勘違いしてもらっちゃ困る。俺様、天使を喰う気はねぇんだ」

「あ、そうなの?」

「喰う気がありゃとっくに、な。魔王との契約はお前の半身たるアーラを捧げる事。ミランダとの契約は人間になる事。そして俺様との契約条件を提示すると、だ!」



 自分から言うスタイル?! 



「お前が天使を喰え」



 え?

 ちょっと意味が……私が、天使を喰う?



「何のために!?」


 聞いたのはライラだ。

 天使を喰う所業を考えれば、悪徳の時計を進ませる効果はありそうだ。だが考える事と、実行する事には天地程の開きがある。

 食人趣味すらもないのに、天使を喰う発想にはならない。


「チャーリーは堕天したようなもんだ。堕天使がイコールで悪魔って事にはならないんだぜ? まだ堕ちただけだ。なんせ肉があるしな」

「待て待て、天使を食べるという事はシャーロットが魔王になるって事にならないか?」

「先輩、それ以前に命は一つしかありません。半身のアーラを魔王に、チャーリーの命がミランダの担保になっているのなら、チャーリーには……もう捧げられる命はありませんわ」



 確かに。



「おう。だから……代用契約者どっちでもいいぞ?」


 ルーファは悪魔らしく、嫣然としていた。



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