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10光年くらい遠くの流れ星

 5歳の時、私はお家の中から流れ星を見ていた。


 お兄ちゃんに、オマエはバカだと笑われた夜のことだった。


「ちょう てんさいに なれますように」


 流れ星が、キラリと光った気がした。


###


 15歳の時、突然勉強が出来るようになった。


 希望の高校に進学でき、いよいよ華の高校生だと思ったときに、私は気が付いた。


 私みたいなブスな顔では、青春を謳歌できない、と。


 学園祭の夜、キャンプファイヤーの周りで男女が躍るオクラホマミキサーを遠くから眺めていると、不意に空に流れ星が流れた。


「超絶美人にしてください」


 流れ星が、キラリと光った気がした。


###


 25歳の時、突然モテだした。


 周りにチヤホヤされて、調子に乗った。


 結果、クズ男に騙されて、真夜中にヒールの折れた靴を両手に、裸足で自宅へと帰るところであった。


 ふと、空にまた、流れ星が流れた。


 涙を流しながら、馬鹿な願い事をしてみた。


「超絶イケメンで一途な石油王と結婚できますように」


 流れ星が、キラリと光った気がした。


###


 35歳の時。


 仕事で失敗し、男でも失敗し、私は多額の借金を背負うこととなった。


 真夜中の会社のビルの屋上で、靴を揃えて向こう側(・・・・)へ飛び降りようとしている時。


 ふと、空にまた、流れ星が流れた。


「……こんな世界、滅んでしまえ」


 私は、呟いた。


「生き残った全人類、何十年も死の苦痛を味わいながら、全滅してしまえ!」


 そんな呪詛の言葉を吐くと、流れ星が、キラリと光った気がした。


 私がそのまま、足を踏み出そうとすると……。


「チョ、チョット、マッテクダサーイ!」


 突然、私の腕を掴む男性の手が。


「アヤシーモノデハ、アーリマセン!


 ワターシハ ナントカコクノ セキユオーデース!」


「せ……石油王?」


「アナタ二 ヒトメボレ シマシータ!


 ケッコンシテクーダサイ!


 ワタシハ イチズナ セキユオーナノデ アナタ ダケデース!」


「せ……石油王さん……!」


 私は歓喜の涙を浮かべた後。



 10年後の未来のことをちょっと考えて。


 ……屋上から夜の闇に飛び込むことにした。

~10年後~


石油王「オゥ、ワターシノ ユデン ガーッ!?」

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