Ⅵ 腹ごしらえ完了の件
ロイの方をみると、僕たちに合わせて口と手だけの棒になって食事していた。
きっと僕らに対する当て付けだなと思いロイを睨んだ。
「ん?どうしたの? あ、この格好?いやー君たち面白いからさw ついこの格好真似しちゃったよww」あー、くそ、これも零のせい...少し恥ずかしくなったが、僕もようやくホークとナイフ手に取り一口口に入れた。 「う、うまい!ロイこのご飯かなり美味しいじゃん!零!これ
美味いな!」口に入れると今まで食べたことないぐらい美味しく、つい美味いと口にしていた。魚の焼き加減は丁度よくスパイスのチョイスも食欲をそそる。ご飯はふんわり炊き立てで
柔らかくも硬くもなく箸が進む。零が頼んだ肉も気になってきた。「零、その肉一口くれよ、俺の魚と一口交換しよう!な?」零の方を振り向くと既に骨だけになった肉が…。「はやっ!え、もう食べたの?早くね?」僕がそう聞くと零は「美味しすぎてぺろっと食べちゃったよー、悟のお魚も気になるんだけど一口くれない....よね?」くっ...そんな風にお願いされると僕が断れないことを熟知してるのか、それとも天然なのか、零のお願いはなんだかんだ聞いてしまう。仕方ないので一口サイズに取り分けてホークに刺し零に食べさせた。「美味い!お肉も美味しかったけどこれはこれで最高だね」ご満悦そうな零。そんな零を横目に「もう上げないからな?」と釘を刺して狙われる前に急いで食べた。
食事を終えると僕たちは、手と口はなくなりただの棒に戻った。それは隣にいるロイも同様のようだった。「はー、お腹いっぱい!んじゃあまぁ転生なのか異移なのかわからんけどこのままじゃ右も左もわからないだろうし、とりま来る?家」ロイはスマートに会計を済ませて、ニコッと笑いながらありがたい提案をしてくれた。僕たちはこの世界で生きるために生活をしていかなくてはいけない!そのためにも一旦この世界について話を聞きたい。
「ロイ、迷惑かけちゃうけどお前が良かったらお願いしてもいいかな?僕たちも手伝えることあれば手伝うから遠慮なく言ってくれ」
こうして、僕たちはロイの家に向かうのだった。