みどりのやさい
まず、自分の子供がいるなら重ねてみてください。
それか、自分の子供時代を…
ぼくのなまえは、ありかわ らいた!
しょうがく2ねんせいになったはんさむボーイさ!(はんさむってなんだろう?)
ぼくにはかのじょのゆいこちゃんがいます!
とってもかわいい女の子です。しょうがく1ねんせいだから、ぼくより年下です。
ちょっとかみが、ちゃいろっぽいけどいまじゃそれがあたりまえ。
「ねえ、ゆいこちゃん。がっこうがおわったら、あみち屋にいっしょにいこうよ」
あみち屋っていうのはがっこうからちょっとはなれた、だがし屋さんです。
いまどきめずらしいよぼよぼのおばちゃんが一人でがんばっています。
「いいよーおごってくれる?」
としうえのぼくがおかねをはらうのはとうぜんだってパパがいってました。
「おっけーまかせて!」
「「こんにちわー」」
「おぉ、よくきてくれたね。ゆっくりしていってねぇ」
おみせのなかはたなやてんじょうにいっぱいのおかしがおいてあったり、つるしてあったりします。
「うーんとね、あれがほしいなー」
ゆいこちゃんが指さしたのは、ついすとぜりー(長さ約20センチあるねじまき状の容器に入ったゼリー菓子)イチゴ味でした。
てんじょうになんぼんも、つるしてありました。
「よいしょっと」
なんとかゆいこちゃんがほしがった、イチゴ味をとることにせいこうしました!
「ありがとーらいたくん」
ゆいこちゃんはいつものちょうしの、ほのぼのとしたしゃべりかたでぼくはいやされます。
ママ、ただいまー
ぼくは、ゆいこちゃんとあみち屋でたのしくでーとしたあとじぶんのいえにかえりました。
「ママー、おやつはー…」
ママはだいどころにいた。なんだかいっしょうけんめーにみどりいろのかたそうなやさいをみていたよ
「… … …」
ママの声がなんとなくきこえました。
「…く…かた…」
なんだかくるしそうな声でしたので、ぼくはいそいでママのところにいったよ。
「ママ?」
「あ…らいちゃん…おかえりぃ」
ママは、あせでにじんでなんだかくるしそうです
「ママ?だいじょうぶ?」
ママの手はやさいのところにあって、なんだか…もぞもぞしています。
「た…ただいま…なにやってるの?」
いつものあいさつでも、なにかちがいました。
ママは、ほうちょう?をりょうてでおさえて、やさいとかくとうしてました。
「これの事…かしらっ…はぁ」
ママはそう言って、ほうちょうをまないたにおいてはぁはぁと疲れた様子でした。
「そうね…おやさいとたたかってたのよ…とても強くてね…」
なんだかむずかしくて分かりませんでした…
でも、これだけは分かりました。ぼくが手伝わないといけないんだって!
「ママ!ぼくもてつだうよ!」
がっこうでよんだ、きょうかしょではこどもはおとなの手伝いとしないといけないんだって!。
「そう…?なら、手伝ってもらおうかしら?ほら、ここをもって…手で押さえて…」
そういったママは、ぼくのためにふみ台を持ってきて後ろかられくちゃぁしてくれました!
「じゃぁね、これをママがおさえてるから…ちからいっぱいに…」
みどりのやさいはママのおててよりもおおきくて、とってもごつごつしてました。
「こんなおおきいのきれるの?」
ぼくの両手でたおせるのかとおもうほどの、おおきさでした。
「そうね…めいっぱい力を入れれば倒せるかもね?がんばってらいちゃん!」
ママのおうえんで、ぼくはひゃくにんりき!めいっぱいほうちょうをおしこむよ!
「えいっ」
がきっ…
「ぐ…かた…いね…」
ぜんぜんかたいです。おどろきです。
こんなおっきいものとママはたたかっているのですね。
ぼくは、ちからをいれるとめをつむるくせがあるけど、ママが手伝ってくれるからあんしんして…
あにめのヒーローみたいに、けん(ほうちょう)をおおきくもちあげてスパンってきるんだ!
「てやー!」
「ら…らいちゃん!?」
ぐっ
「はぁあぁ!らいちゃ…そこっ…ち」
ママの体がびくんってなりました。
かっこいいぼくに、みとれちゃったのかな!?もっとちからをいれるよ!
「もうすこしできれそうだよママ、もっとおしこめばいいんだね!えい!」
ぐちち、ぐいぃん!ぐいぃん!
「ひぐぅ!そこっ…らいちゃ…はぁっくあ!」
なんかみずがでてきたけど、やさいのしるかな?もうすこし!
えぐりこむように!えぐりこむように!
「ぼくは、ママの子供だから!」
ぶちちち!
「はぎゃっぁぁ…らいちゃぁ!」
ぶしゃぁぁぁ!
「わぷ!?」
やさいのしるが、かおにとんできた!?
ばたん!
「ママ!?」
ママはなんだかおててをおさえて…
ぼくのてには、やさいのしるかな?まっかになったけん(ほうちょう)が
「うわっ!?ママ、ゆかがまっかだよ!どうして!」
「あれ…」
やさいのうえに…ママのてがある…?
ゆかはまっか
「あれ?ママ、どうしたの?」
あれ?ママはおねんねの時間かな?
うごかなくなっちゃった。
お休み…ママ
現実味を帯びた恐怖を感じましたか?