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転生令嬢は現状を語る。  作者: 水瀬


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13/22

おば様がやってきた。

 また一週間が過ぎた。

 学園は卒業試験の時期だ。

 流石に学園から連絡が来たが、体調不良でごまかした。


 太陽が登り切るころ、私は家を出て小屋に向かう。

 昼はまだ暑いので、水に体を浸して過ごしている。

 そうしないと熱が体から抜けないのだ。

 毎日の日課だが、今日は朝から門の方が騒がしい。

 何かと思ってみると、王家の馬車が止まっていた。


 ベルンがとうとう来たのかと思って見ていると、降りてきたのは王妃様、ベルンの母だった。

 慌てて両親が家から迎えに出た。

 私もそちらへ向かう。


「エリザベス! まぁ、こんなにやつれて!」


 挨拶もそこそこに、おば様は私を抱きしめた。

 そして、むりやり馬車に引っ張り込んだ。

 父と母が一緒に乗り込もうとして、護衛に止められる。

 あっという間に馬車は動きだした。



 私、ひどい格好なんだけど。



「ごめんなさいね。家の馬鹿どもが……」


 動きだしてすぐ、そう頭を下げられて私は首を傾げる。

 まあベルンがらみだろうけど。

 婚約解消のこと、泣きついたのか?


「何かあったんですか?」


 子供のころからの付き合いで、口調は軽くても許してもらってる。

 公の場では違うけど。


「ベルンがね、部屋から出てこないのよ」

「え?」

「もう一週間になるわ。……違うわね、多分エリザベスが出て行ってからずっと、ね」


 頬に手を当てて、おば様はため息をついた。


「私、外交で暫く帰れなかったのよ。帰ってきたのが先週で、今週になってベルンが学園に行ってない、卒業試験を受けないと卒業できないって連絡が来て、ようやく知ったの。エリザベスが夏休みの途中で帰ったっていうのもね」


 パシンと持っていた扇を手に打ち付ける。

 いつも穏やかなおば様とは思えないほどの形相だ。


「ベルンに何があったのか聞こうと思ったけど、部屋から出てこないし。学園に問い合わせたら、なんだかあっちも変なことになっているじゃない。それで貴女を迎えに来たのよ」


 えー、意味わかんない。

 私もう関係ないんだけどなぁ。


「おじ様は、なんて?」

「黙秘権を使っているから、今は牢に閉じ込めてあるわ」


 牢? 何で? おじ様、王様だけど。


「で、ベルンと何があったか教えてくれない?」

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