愚者の末路…………
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聖女アリアが野戦病院でがんばって治癒を施していたとき、3バカトリオは最前線で魔物と戦っていた。
「ヒイィィィィィイイイイイイイ!!!!!」
最初こそはスライムやゴブリンといった小型の魔物を勢いよく倒していたが、オークやオーガといった中型の魔物が現れると、すぐに怖じけ付き情けない悲鳴を上げていた。
どうしてこうなった!?
王城はすでにアクエリアス公爵家に占領されているようなものだ。ここ最近は食事に毒が入っていないのか気になり、毒味をさせてからしか食べることが出来なくなった。
ようやく魔物の殲滅という絶好の機会が訪れたと思ったら、指揮官ではなく一兵卒として最前線で戦うハメになった。
私は何とか戦えているが、騎士団長の息子の奴は少し見ない内に筋肉達磨となって嬉々として、魔物を屠っている。腕も数段上がっているようだ。…………性格も変わってしまったが。
「はは、ハハハハ!!!!死ね!死ね!死ねやーーーーーー!!!!!!」
あれはもはや別人だ。余程、騎士団長のしごきは苛烈だったのだろう。私もやつれてしまったが、宰相の子息のヤツはまずい!限界だろう!?
元々、インテリメガネで体力など余りないヤツだ。本当に死んでしまうぞ!?
すると、予想外な事が起きた。自分の身を守っていた宰相の子息が急に動きだし、魔物に斬りかかったのだ。
「お、おい!無理をするな!?」
声を掛けるが、魔物と戦い続けていた。
「か、身体が勝手に動いて………助けて!?」
!?
宰相の子息が着ていた高級な鎧は【魔法の鎧】であった。着た者が魔物と、戦い続ける『呪いの鎧』であったのだ。
「まさか、呪いの鎧の類いか!?」
しかし、幸いと言っていいのかわからないが、戦い続けている宰相の子息の動きは、達人級の太刀筋であった為に、多数の魔物と互角に渡りあえていた。
(身体が自由に動かない状態で、魔物と命懸けの戦いをしている、宰相の子息の精神は急激に病んでいったが)
エリック王子も、しっかりとした鎧を着ていたが、疲れからどんどん魔物の攻撃を浴びるようになってきた。
「はぁはぁ、私はこんな所で死ぬ訳にはいかないんだ!」
文字通り必死で剣を振るった。そんな時、前方で一際大きいオーガの魔物が現れた。どうやらこの群れのボスのようであった。
「お、お前を倒せば俺達の勝利だ!死ねーーーーーー!!!!」
他にも戦っている兵士はいたが、3バカトリオは無謀にも3人で立ち向かっていった。
当然、オーガの大きなこん棒でまとめて吹き飛ばされたが、その隙に弓隊と魔法部隊が集中攻撃をして撃破したのだった。
その後、エリック王子達は聖女アリアに治癒されたが気を失っており、気付かなかった。
そして目が覚めると、また更なる魔物が森から出てきた所で、王子達はずっと戦っているような感覚に陥るのであった。
「どうしてだ!?さっきまで魔物は僅かだっただろう!?」
「なんでまた魔物が大挙して迫っているんだよ!」
もう戦いたくないとエリック王子は逃げ出した。騎士団長の息子は狂戦士と化して戦い続け、宰相の子息は呪いの鎧の為、逃げる事が出来なかった。
今もなお戦い続けている兵士を置いて、逃げ出した王子を追うものはいなかった。今は必死に戦うのみである。
そんな時、空から巨大な炎が降り注いだ!
!?
「あ!あれを見ろ!!!!?」
空には20体の龍に変身した龍族が隊列を組んで飛んでいた。そして一斉にブレスを吐いたのだった。
圧倒的な龍のブレスで、数百体いた魔物は一瞬で消え去った。
「王国の兵士達よ!我々はアクエリアス公国の龍騎士団である!魔物の殲滅にきた!どこから魔物が現れたか教えて欲しい!」
龍の背に乗っている騎士団が大声で叫んだ。王国の兵士達は唖然としていたが、誰かが東の森からだと伝えると、そのまま飛んでいった。
「…………あれだけ必死に戦っていた魔物の大群を一瞬で?」
「あれがアクエリアス公国の龍騎士団…………強すぎる………」
王国の兵士達は、圧倒的なアクエリアス公国の武力を前に、見つめることしか出来なかった。
そして、飛んでいったアクエリアス龍騎士団は、森の外で魔物達と戦っていた王国の兵士を助けた後、無防備な上空からまたブレスを吐き、発生源であるダンジョン?らしき物を吹き飛ばした事で、事態は終息したのだった。
次回予告!
実はマッチポンプな件について!
お楽しみに!
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