①龍族のみんなを虜にする悪女…………いいえ、悪役令嬢です♪
またまたリーヴィルがやってきてから2週間ほど経ちました。すでにリーヴィルもしっかりと修道院に馴染んでいました。
「シオン、ドラン殿の使者がきて大体の住居が出来たので1度来て欲しいとの事だ」
リーヴィルはビキニアーマーにエプロンという、前から見ると裸エプロンの状態に見えるマニアックな格好でシオンを呼びにきた。
「おっ!もう生活出来る状態になったんだ?」
部屋にいたシオンは振り替えると、リーヴィルの姿を見て……………悶えたのでした。
「リーヴィルたん!結婚して!?」
ポカリッ!
「頭が沸いているんですか!」
シオンを軽く叩いて出ていった。すでにシオンのあしらい方を学んでいるリーヴィルであった。
「もう!つれないな~!でも、龍族の新しい住居か~」
んっ?待てよ?
シオンは龍族の料理がアバウトな事に気付いた。
「よし!エルフと獣人達の代表も連れて、ご近所さんのご挨拶に連れて行きましょう!」
そして、現代の料理を食べて貰いましょう!
シオンはエルフと獣人族に連絡をして修道院へ集まってから龍族の住む山脈へと向かった!
「あの~シオン様?本当に龍族の方々がこの山脈に戻ってきて住居を構えると言うのは本当なのでしょうか?」
エルフの族長であるイルミナさんが不安そうに尋ねた。
「そうだよー!だから、近くの集落に挨拶しに行こうと思ったのよ♪」
イルミナにしてみたら、強大な龍族がやってきたこと自体が恐怖する出来事であり、それは獣人族も同じであった。
そして山脈の龍族の新住居に着いて、大勢の龍族に囲まれた時、泣きそうになっていた。
「ようこそ!我らの新住居へ!」
イルミナ達の不安と恐怖とは裏腹に、龍族達の熱烈な歓迎に戸惑うばかりである。
しかし、山脈の中腹の開けた場所を見渡すとまばらに簡易住居が点在する程度で、生活出来るとは思えない場所に、シオンは少し首を傾げた。
「住居が少なくない?本当にここで生活しているの?」
シオンの言葉に、出迎えていたドランが答えた。
「我々は山脈の各地にある洞窟に住んでいるんだ。表に出ているのは共有の食堂や来客用に用意しただけだ」
ふむふむ、なるほどねー!
でも、ちょっと簡易過ぎない?ボロボロではないけど、公園とかにある雨避けの建物程度だよ?
これがカルチャーショックって奴なのかしら?
「これから各種族の文化交流を計りたいと思うのですが、我々にはあの建物は少し過ごし難いので、新しい建物を建ててもいいですか?」
シオンの言葉にキョトンとしたドランだったが、シオンが魔法ですぐに建てれると言うことで許可がでた。
「我々も他の種族との交流は久々なので、配慮が欠けていました。申し訳ない!」
ドランはエルフのイルミナと獣人族の代表達に頭を下げてシオンの魔法を待った。
シオンが緑聖魔術を唱えると、みるみる内に大きな屋敷が出来上がった。
「オオオォォォォォォ!!!!!!!!」
建物は西洋風ではなく、中華風として作られた。大きな体格の龍族でも入り易いようにだ。
「す、凄い!なんて芸術的な建造物なんだ!」
ドランを初めとした龍族の一族達はシオンが作った大きな屋敷に入って感動していた。
内装も人魚達に作った植物で出来たソファーなどで快適であった。
「シオン殿!出来ればもう幾つか作って頂けないだろうか!?御礼は弾みます!」
龍族達は金銀財宝を持ってきた!
「私に任せなさい!」
マッハで答えたシオンは、山脈の中腹にこれでもかっと言うほどに建物を建てまくった!
こうして、僅か半日で山脈の中腹にちょっとした繁華街っぽい場所が出来上がったのでした。
「ちょっとシオン!建てすぎよ!龍族には維持する技術がないのよ!どうするつもり!」
スピカの指摘にしまった!という顔をするシオン。
「やべっ!そうだよね………あっ、ドワーフの人達を連れて来よう!忘れてたよ!」
そう、この修道院の周辺の森にはドワーフも住んでいるという事を忘れていた。
「まぁ、今すぐという訳じゃないし、また今度考えましょう」
龍族達は招待したという事も忘れてシオンを褒め称えるのでした。
次回、全世界は胃袋で征服できる!これぞ平和的解決法である!
お楽しみに!
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