我こそがダンジョンマスターである!
『シオンが緑色の怪物の主だったの~?ダンジョンのマスターは強い人が良いから大丈夫なの~!それとリリーはねー、ずっとここのダンジョンにいたの~!』
「あの~?どれくらい前からいた(できた)のですか~?」
スフィアが尋ねると………
『ん~?100年ぐらい前なの~?』
!?
スフィアを見る目が痛い。
「ぜ、全然知りませんでした!」
スフィアは両腕を地面に付けて自己嫌悪に陥っていた。
「そう言えば、龍王様の封印も知らなかったよね?スフィアって…………」(ジトー)
「何ですか!?最後まで言って下さいよ!気になるじゃないですか!」
わんわんと泣き叫ぶスフィアを放置して、リリーの頭を撫でた。
「寂しかったでしょう?これからは一緒よ♪」
リリーはシオンを見上げて抱き付いた。
『リリーはマスターに付いていくの~!』
シオンの頬っぺにスリスリしながら喜びの涙を流すリリーと、自分の間抜けさに涙を流すスフィアであった。
「所で、マスターってなに?」
『マスターはマスターなの~!シオンはダンジョンマスターになったのよ~』
へぇ~私がダンジョンマスターか~!
んっ?
「ねぇ?私の聞き間違いかな?なんか知らない内にダンジョンマスターになったと聞いたような?」
シオンはスピカと玉藻の方を見て聞いてみた。
「妾も聞こえたぞぇ?」
「うん、ダンジョンマスターになったって聞こえたわ!」
え~と、ダンジョンマスターって、他の小説だと、神様が運営してたり、ダンジョンに入った冒険者を罠に嵌めて殺す【職業】だよね?
さすがにちょっとなぁ~
シオンが悩んでいるとリリーが言った。
『大丈夫なの~マスターは自由にダンジョンを改装出来るの~!』
へぇ~そうなの?でもねぇ~?
ダンジョンの使い道なんて…………!?
「そうだわ!使えるじゃない!?」
突然、シオンが叫んだ!
「ど、どうしたの!シオン!?」
「このダンジョンでお肉の繁殖をすれば良いのよ!」
!?
「繁殖?」
「そう!オークや獣系の魔物を作って、冒険者………獣人達に倒して貰うの!数が多くなければオークぐらい倒せるでしょう?」
「うむ!並みの魔物であれば敵ではないのぅ!」
「ねぇ、リリー?どうやってダンジョンを改築するの?」
『え~とねぇ、その中央のコアに触れながら意識を集中するの~』
「う~と、こうかな?」
シオンは意識を集中した。するとこのダンジョンの全容が頭の中に入ってきた。
どうやらこのダンジョンは10階層になっており、それほど深くはなさそうだ。だが、一階層の広さがけっこうあり、普通に潜ると時間が掛かりそうな作りであった。
「おおっ!すごいよこれ!?」
今までにない体験に興奮するシオン!
「でも、この作りだと………構造自体、変更するしかないね!」
シオンが自分の思い通りにダンジョンを変化させると、急に力が抜けてきた。
「あ………れ?」
膝を付くシオンにスピカが支えた。
「大丈夫!?どうしたのよ」
「あはは…………なんか急に力が抜けてしまって」
『ごめんなの~!ダンジョンを変化させる為には魔力が必要なの~!普段は、侵入者を倒して魔力に変換して、溜めておくのだけれど今はカラッポなので、シオンの魔力をそのまま使うの~』
リリーは申し訳なさそうに頭を下げた。
「大丈夫、ちょっと疲れただけだよ。でも、一階層が限界かな?」
「シオンは一階層をどうしたのですか~?」
むふふふ!よくぞ聞いてくれました!
シオンはドヤ顔で言った。
「全ての壁を無くして、大きな草原にしたわ♪お肉になりそうな魔物を放って置いたから、獣人達に狩りにきて貰いましょう!あ、エルフも来ても良いからね!」
シオンの発想に一同はびっくりするのだった。
「はぁ~もうシオンは何でもありですね~、ってか人間辞めてませんか?」
「失敬な!何処からどうみてもピチピチ(死語)の人間よ!」
…………人間だよね?
まさか、ダンジョンマスターとかになって永遠の命を手に入れたとかないよね?
少し悩んだシオンだったが、まっいっか!と前向きに考えるのだった。
「久々に肉祭りをするのじゃ!帰る前に狩りまくるぞぇ!」
「賛成!お肉は美味しい!正義です!」
守護精霊スフィアが賛成した。あれ?コイツ、何かしたっけ?
よし、肉祭りの名前の通りにコイツを囮にしてやる。
こうしてシオンは、泣き叫ぶスフィアを囮にして、大量のお肉をゲットして収納魔法で各集落へ運び、大いに喜ばれるのでした。
そして、修道院のマスコットキャラクター・リリーが加わることになりました。
次回、家族愛はしんみりするって話
修道院に珍しく来訪者が!
お楽しみに!
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