魔物を駆逐しよう!(私の為に!?)
獣人達とのイザコザがあってから3日後─
「改めて、妾は狐族の玉藻と申す。よろしくお願いするのじゃ!」
獣人達のまとめ役の玉藻がやってきた。
「あれ?玉藻さんどうしたんですか?」
シオンは玉藻の来客に首を傾げた。
「本日より、この修道院でお世話になる。よろしくなのじゃ!」
!?
何だってーーーーーー!!!!!?
獣人達を痛め付けた報復を狙っているのかしら?それとも、先日のマッチポンプがバレた!?
「ど、どういう事ですか!?」
「シオン殿には感謝しかない。おかげで今年の冬が越せそうなのじゃ。前回、シオン殿から食糧を分けて貰えたので、口減らしをしなくてすんだ。本当にありがとうなのじゃ!」
うわぁ~罪悪感がパッないよ~!?
「もし食糧を分けて貰えんかったら、近くの町へ赴き、【花】を売らなければならん所じゃったよ」
やめて!これ以上は本当に止めて!?もう私の精神力HPはゼロなのよ!
玉藻は感謝し、はにかんでシオンにお礼を言う度に、ガリガリとシオンの精神力は削られていった。
「それで、集落は別の者に任せて妾はシオン殿のお礼に、奉公する為に参った次第。掃除に洗濯など雑務をお申し付けを」
う~ん………これで断ったら私が悪女になってしまうよね。玉藻さんはお色気ムンムンで、浴衣から張り裂けんばかりの巨乳をチラリとさせているけれど、集落の子供達の為に身をていして懇願していたから、すごく優しい人だとわかるよ。仕方ないよね………
「わかりました。無理のない程度でお願い致します」
シオンと玉藻はしっかりと握手をした。
そして修道院の細かい生活を説明するのだった。
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「さて、玉藻さんの自己紹介も終わった所で、セレスも自己紹介をお願いね!」
ちょうど、裏庭の溜め池に遊びに来ていたセレスを呼び、自己紹介させた。裏庭の溜め池はそこそこ大きな池であり、シオンが珍しい美しくて綺麗な植物を植えたため、人魚の観光スポットになっていた。春には桜咲き、さらに綺麗なスポットになるだろう。
「人魚の集落を束ねるセレスと申します。初めまして」
「こちらこそなのじゃ。それにしても人魚族とは初めてみるのぅ?」
「そうですか?まぁ、余り陸にはあがりませんからね」
「珍しいといえば玉藻さんも珍しいじゃないですか?狐の獣人なんて知りませんでしたよ」
スピカも玉藻について尋ねた。
「そうじゃのぅ、妾がいる集落は希少種族の集まりなのじゃ。人間に奴隷として捕まらないように集まった集団が、この森に住む獣人達じゃ」
なるほどねー!玉藻達も苦労していたんだね。
「しかし、集落を襲った魔物共を駆逐せんと動物達が戻って来ぬのでのぅ………肉が恋しいわい」
ピコッーーーン!!!!!
それだ!
是非とも私の精神面での衛生上、仕事をしましょう!そうしよう!
「それよ!魔物達を全滅させましょう!この森の平穏を取り戻す為に!」
スピカとスフィアが反対する。
「シオン、危険な事は止めましょうよ?」
「そうよ!シオンが絡むと余計に危険になるんだからね!」
すでにこの二人から信用のないシオンである。
「守護精霊のスフィアがそれを言うの!?結局、獣人達の集落まで強い結界を拡大出来なかったんでしょう?精霊として困っている人がいるのを放っておくの!?」
うぐっ!?
「そ、それは………その………」
目の泳ぐスフィアと違いスピカが反論した。
「でも、シオンがわざわざ危険を犯さなくてもいいのでは?」
「じゃぁ、スピカ?私(ウッド君)より強い人物が他にいるの?」
うぐっ!?
シオンより強いものなど、エルフ、人魚、獣人族にはいないのだ。
「そういえば、この森には他に集落はないの?」
シオンは今まで気になっていた事を聞いた。
「そうじゃのぅ?妾が知っているのはドワーフのねぐらぐらいじゃのぅ?」
「そうね。私達と仲の悪いドワーフがいる事は知っているわ」
う~む、少なくとも後1つは集落があるのか。
今度遊びに行ってみようか♪
「よし、取り敢えず玉藻の集落へ行って魔物の情報を集めよう。そして近隣の魔物を駆逐していくよ!」
「「了解!!!」」
「シオン殿、重ね重ね感謝なのじゃ!」
うん!任せておいてね!私の為に!?
「あ、そうだ!セレス、魚を捕まえてこれる?」
「あら、そんなの簡単よ♪」
「獣人の村に大量の魚を持っていこう!収納を使えば鮮度は落ちないからね。集落で燻製とかして、日持ちするようにしよう」
「それは集落の者が喜ぶのぅ!」
こうして、シオンの衛生面の為に獣人族の集落へ向かうことになったのだった。
次回、魔物を間引きしましょう!
お楽しみに!
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