表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/101

人魚の入江が出来ました。

修道院の中を軽くセレスに案内して、裏庭に出たときだった。


「まぁ!なかなか良い小川ですわね♪水も清んでいてとても素晴らしいわ!」


小さな小川ではあったが、水深はそこそこある川であった。


「確かに飲み水としても美味しいよね♪山脈から流れてきているので、濾過されてミネラルが豊富な水が流れて来ているんだね」


小川はそのまま海の方へ流れていっている。


「そうだわ!シオン!またお願いがあるのだけれど?」


良いことを思いついた様にセレスは手を叩いた。


「この小川は、このまま森を抜けて海に流れているわよね?この近くに溜め池を作れないかしら?」


セレスの言葉にシオンはピンッとこなく聞き返した。


「溜め池?」

「そうよ!上流でやると生態系が変わるからオススメ出来ないけど、海にでる手前に大きな池を作って、その川を断崖の砂浜へ流れるようにすれば、私達人魚はいつでもこの修道院へ来ることが出来るわ♪」


人魚であるセレス達なら、川に水流を発生させてサーファーの様に水の上を移動出来るのだ。


「おおっ!良いね!面白そうだよ!?」


セレスは利便性を、シオンは楽しさを求めて

やる気になった。


小川を下って行くと、森を抜けた先に急に斜めになっており、ちょっとした滝になっていた。


「この小川ってここから落ちて海に流れていたんだね」

「意外と知らないものですね~?」


「でも、ここからどうするの?入江はけっこう向こうの方よ?」


シオンが簡単だよね?っと、みんなに言うとそだねー?と口を揃えていった。


「溜め池はどこに作ろうかな?」

「修道院の裏庭で良いのではないかしら?森の外に近いし、大丈夫でしょう?」


「了解です!」


そしてシオンはこの小説の【真の主役】を呼ぶのであった。


「緑聖魔術!ウッド君!カモン!!!」


シオンが叫ぶと、ウッドゴーレムが2体召喚された。しかし、大きさは5メートルもある大型だった。


「ウッド君1号は、修道院の裏庭に溜め池を作ってね。ウッド君2号は森の手前の方を工事して小川を、あっちの入江へ流れるようにしてね!」


ウッド君は頷くとそれぞれ行動を開始した。

手をスコップにして、硬い土を掘って溝を作り川の流れを変える工事をしていく。通常より大きいので、一つ一つの効果が大きい。


修道院の裏庭で、ウッド君2号は少し離れた場所で同じく穴を掘っていく。シオンは並行して、森の木々を緑聖魔術で移動させて大きな空地を作っていた。


セレスも海の方から、川の流れる場所を水魔法で決めていき、ウッド君がその道筋に溝を掘っていった。


ウッド君が、頑張っている時にシオン達は人魚の断崖の砂浜へ到着していた。


「セレス女王!お疲れ様です!」


砂浜へ着くと、大勢の人魚達がすでに入江で活動していた。


「うわぁ~凄いねぇ~!」


シオンが壮観だなぁと思っていると、スピカが突っ込んだ。


「えっ!?セレスって人魚の女王様なの!?」


うん?そういえば人魚の仲間がそう呼んだような………?


「お恥ずかしい。ただ人魚の集落の長を務めているだけですよ。皆様にはいつも通りセレスとお呼び下さいね」


セレスはそういったが、スピカだけはどうしようかと悩むのだった。


「水中だけじゃなく、砂浜の外にも柵を作るんですね?」

「ええ、魔物が出ないと言っても獣の類いは出るでしょうし、昔から我々は色々な者に狙われているので、防衛には力を入れているのです」


「そっか、セレス達人魚はみんな綺麗だもんねー!」

「やだっ、シオンさんたら♪」


セレスは少し頬を赤くして視線を反らした。


「じゃぁ!コテージを作るにあたって、柵も作っちゃうね!」


セレス以外の人魚が何が始まるのか、見学に集まってきた。


「むふふふ!視線が心地よいぜぃ!さてと、緑聖魔術『復元・改』!」


前回と同じように、みるみるとコテージが出来上がっていく様をみた人魚達は、最初は目を丸くしていたが、驚きと興奮で大歓声を上げた!

そして、ついでに柵も丸太を地面に突き刺して先端を尖らせたような、砦の壁を作った。


「あ、相変わらず凄いわね………」

「本当に何でもありね?」


いつものシオンの魔法に茫然としていた二人であった。


「外の人は凄いわねー!」

「本当に!こんな人ばかりなのかな?」

「守護精霊様!握手してください!」

「綺麗な金の髪の毛ね~?どうやって手入れしているの?」


女が三人集まれば姦しいとは良く言ったものだ。すっかりシオン達は人魚達の人気者になったのだった。大勢の人魚達に囲まれ、揉みくちゃにされるシオン達。


「うにゃーーー!!!」

「はいはい~並んで下さいね~」

「ちょっ、どこ触って………!?」


1人だけマイペースなヤツ(守護精霊)を除いて、シオンとスピカはアワアワすることになった。


「こらっ!私達の大切な恩人であるシオンさん達に無礼は許しません!落ち着きなさい!!!」


セレスの厳しい一言で、ミーハーな人魚ちゃん達ようやく止まったのであった。


「「「すみませんでした!」」」


一斉に頭を下げらるとこちらが困るぞ!?


「あははは…………大丈夫だから気にしないで?」


苦笑いで返すしかないシオンに、セレスも頭を下げた。


「本当に申し訳ありませんでした。どうか気を悪くしないで下さい」

「本当に大丈夫だから!?ちょっと驚いただけだからね!」


こうしてシオン達は人魚達に認められ、親交を深めていくのだった。そして溜め池と、小川の工事が終わると、交代で人魚達が修道院へ遊びに来る事になり、寂れた修道院は一気に賑わうことになるのでした。






次回、シオンはトラブルメイカー!


助けを求めてきた者を、眠いからと守護精霊に丸投げ!?


お楽しみに!

『よろしければ感想、評価、ブックマークよろしくお願いします!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ