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女の敵は許さない!

シオンの緑聖魔術によって、小さな小屋はあっという間に、【大きな】コテージの別荘へと変貌しました。


「まぁ!素敵ですわ!」


まぁ、確かに凄いのだけれどスピカとスフィアはジトーとシオンを見つめていた。


「ねぇ?シオン、これはちょっとやり過ぎではないかしら?」


スピカの言葉に首を傾げるシオンに、声を荒らげていった。


「限度ってものがあるでしょう!何、貴族の屋敷並みに【バカでかい】ログハウス系のコテージを作っているのよ!しかも、二階建てだし!」

「そうですよ~!一体、どれだけの人数を呼ぶ気ですか?」


そうなのだ。小さな物置小屋から、下手をすると修道院よりも大きいコテージを作ってしまったのだ。


「大丈夫ですよ♪人魚の集落には500人(匹)?ぐらいの人数はいますから。みんなに言えば押し寄せてくるので、足りないぐらいです」


セレスの言葉にシオン尋ねた。


「500人(匹)ぐらいって少ないのね?」


種族としての人数と考えると少ないだろう。


「いいえ、私達の人魚は近隣の海の底にある珊瑚礁や海底の岩山などに魔術的結界を張って集落を作っていくのですが、珊瑚礁の大きさによって住める人数に限界があるので、各地に点在して集落を作っているのです。種族として500人(匹)ではありませんよ」


「ああ、なるほど!セレスの集落の人口が500人(匹)ってことね。納得したわ!」


「もし、可能であればここにも新しい集落を作りたいのですが…………」


セレスは申し訳無さそうしシオンに尋ねると─


「モチのロンよ!」


だよねー!シオンは2つ返事でオッケーを出した。


「良いのですか!?」


「ここの辺りは人間が誰も住んでいないし、守護精霊のスフィアの結界内だから弱い魔物も近付いてこれないでしょう。それに─」


「それに?」


「セレスと知り合えたから嬉しいし!」


ぽっと、セレスは顔を赤めてはにかんだ。


「私もシオンと知り合えて嬉しいです!」


シオンとセレスは手を取り合い、笑いあった。


「そういえば、人魚って長時間陸に上がっても大丈夫なの?」

「力は制限されますが陽射しの下に、長時間居なければ大丈夫ですよ」

「そっか!今度はそこの上にある修道院へ遊びに来てくれると嬉しいな」

「ええ、わかりました。必ず伺いますね♪」


するとスフィアが聞いてきた。


「セレスさんを襲った魔物は大丈夫なのでしょうか?まだ近隣にいるのでは………?」


あっ!とした顔でセレスは俯いた。


「そうでした。まだあの魔物が彷徨いているかも知れないですね………」


スフィアはシオンに言った。


「陸に近い海にも私の力は及んでいます。それなのにこの近くでセレスさんを襲ったと言うと………」

「それなりに力の強い魔物ってことね!」


また、どう対処しようか考えると今度はスピカが尋ねた。


「どんな魔物に襲われたのですか?」


うん、そうだね。魔物によって対処方法が変わるよね!


「えっと……私を襲ったのは魚人族のオスでして………」


魚人族のオス!?


「あっ、あーーーーー!そういう事ね………」


「これは思ったより危険だったのですね!」

「許すまじ!魚人族め!!!」


察しの良い女性陣はわかってしまった。

セレスが魔物に【襲われた】は、女性として【襲われた】ということに!


「種族的にこういう事は時々あるのですが………向こうの方が体格が大きく力が強いので………人魚族は逆に魔法が得意なのですが、近付かれると対処が難しくて」


流石のシオンも水中ではどうしようもないが………


「あっ!あれが使えるかも!?」

「何かあるのですか!?」


流石のシオンも水中で何か出来るとは思わないけれど………?


ちょっと試しに作ってみるね。緑聖魔術!『樹縛玉』!」


テレテッテッテテーーー!!!!!


シオンが緑聖魔術を唱えると、木の茎が複雑に絡みあった手のひらサイズのボールが出来上がった。


「できたよー!」

「何ですかそれ?」


シオンが手の上で転がしいるソレを見ていった。


樹縛玉(じゅばくだま)といって盗人などを捕まえる時に使う魔法玉かな?試しにあの岩に投げてみて!」


シオンに樹縛玉を渡されたスフィアはえーい!と投げると、当たる瞬間に絡みあった木の幹が一瞬でほどけて岩をがんじがらめに縛ってしまった。


一同、またまた唖然中~


「こ、これは凄いです!敵を無傷に無力化できますよ!」

「しかも岩にヒビが入っているし………どれだけ強力なのよ……」


「後は水中でどうやって相手にぶつけることができるのかっことだけど………」


シオンが問題点を言うと、セレスは大丈夫と答えた。


「私達は海中の中でも魔力で水流を扱えます。水流に乗せてこの玉をぶつける事が出来ますよ!」


おおっ!それで問題は解決だね♪


「じゃあ、樹縛玉を10個ほど渡しておくね。この水草で作ったカバンに入れて持っていってね」


「何から何まで本当にありがとうございました。このご恩は必ずお返し致します!」


セレスは急いでこの場所の事をみんなに伝えると言って帰っていった。その前にイルカほどの大きさの魚を置いてったけど………


「シオンは本当に規格外ですね~」

「本当ですよ。なんでこんなにトラブルばかり呼び込むかなー?」


ちょっと待て?今回はスピカ達がここに来ようっていったよね!?


私は悪くないもん!


まったく解せぬ!!!



次回、ついに明かされるアクエリアス公爵家の事情!


シオンの家族は何を思うのか?


お楽しみに!

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