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たまには恋愛っぽい話も描きたいのよ!

シオンを人気のない所へ連れて行こうとした美形集団を呼び止めたのはカイルであった。


「っ!?帝国の皇太子!?」


戸惑う美形集団にカイルが畳み掛けた。


「俺の事は知っているか。ならもう1度言うぞ?私の婚約者殿をどこに連れていくつもりだ?」


!?


「こ、婚約者!?」

「別に驚く事はあるまい?シオンの母親は我が帝国の姫君なのだから」


美形集団は皆驚き、戸惑うばかりであった。


「か、カイル?」


その中にはシオンも含まれていた。カイルは素早くシオンの肩を優しくリードしながら茫然としている王子達を置いて二人でその場を後にするのだった。


「ねぇ、カイル?婚約者って?」


カイルはシオンを見つめて言った。


「すまない。正確には婚約者候補なんだがな。ムカつく事に、あのトカゲの奴と私がシオンの婚約者候補に選ばれた」


!?


「そうなんだ…………」


少しうつむくシオンにカイルは尋ねた。


「抜け駆けするつもりはないが、私が婚約者では嫌かい?」

「そうじゃないの。カイルとは子供の頃から親戚のお兄ちゃんと思っていたから実感がわかなくて………」


苦笑いをしながらカイルはシオンの肩を掴んで見つめた。


「少しずつで良いから私を男として見てくれないか?」


カイルの真剣な眼差しにシオンは珍しくいっぱいいっぱいになり、真っ赤な茹でたこ状態になるのであった。


あうあうあう!!!!?


プシューーーーー!!!!

(臨界突破して煙が出ました)


「ふふふ、もう逃がさないからな?」


こうして腰砕けになったシオンは侍女達に部屋へ連れて行かれるのであった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

侍女達の会話

(冥土①②③人)


①「ねぇ、聞きました?」

②「ええ!遂にカイル様がシオン様に告白したとか!?」

③「シオン様が真っ赤になって倒れたらしいですわ!」


きゃぴ、きゃぴと侍女達はうっとりしながら話に花を咲かせていた。


①「これでカイル様が一歩リードかしら?」

②「いやいやわかりませんよ~?あの美丈夫の龍族のドラン様に壁ドンされれば、シオン様もイチコロよ♪」

③「きゃー☆シオン様は素晴らしい御方ですけれど恋愛には疎い所がございますものね!ドストライクに『好きだ!結婚してくれ!』など言われれば……………あるいは!?」


侍女達はこれでもシオンを敬い、尊敬しシオンの為に行動しようとしている。しかーし!若い女子とは、恋愛話がご馳走なのである。


①「カイル様だけ告白は不公平ではありませんか?ならば、ドラン様にもチャンスを与えるべきです!」

②「そうね。ならドラン様にシオン様が倒れたと言ってお部屋へ案内しましょうか?」

③「それ良いわね♪ドラン様に男を見せて貰いましょうか♪」


こうしてシオンの貞操の危機が訪れようとしていた!?



バッン!!!


「シオン!大丈夫か!?」


少しして、侍女達にシオンが倒れたと連絡があり龍族のドランが慌ててやってきた。


「わっ!ビックリしたよ!?」


布団で横になっていたシオンは慌てて飛び起きた。


「あっ、わりぃ。ただ侍女達からシオンが倒れたと聞いて飛んできたんだ」

「そうなんだ。ごめんね?心配掛けちゃって!もう大丈夫だから………」


シオンはあせあせっとドランに元気アピールをして大丈夫だといった。


「んで?原因は?」


ドランに聞かれ、うつむきながらシオンは答えた。


「ええ~と…………実は………」


シオンはドランに婚約者候補になったことを知ったと伝えた。


「そうか。聞いたのか」


ドランは腕を組んでシオンを見つめた。


「前にも言ったが俺はシオンを(つがい)にしたいと思っている。だが、龍王にも言われたが人間と龍族では文化が違い過ぎる。分の悪い条件だと思っているが、それでもシオンを諦められない」


真剣な眼差しでドランはシオンに近付いて、手を取った。


「シオン、俺はお前が好きだ」


ギュィーーーーーン!

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓⇒⇒⇒


シオンの脳内ゲージが一気にMAXまで溜まり、またまた茹で蛸シオンが出来上がった。


「あうあう…………」


ドランはそんなシオンを見て優しく微笑んだ。


「でも、シオンが本気でアイツを好きになったになら俺は身を引くよ。俺はお前が幸せになるのならそれが1番だからな」


シオンの頭を撫でながらドランは慈しむように言った。


「ドラン………?」


シオンはドランを見上げると─


「でもまぁ~、簡単には諦めないけどな」


シオンの額に軽くキスをして、ドランも少し頬を赤めて部屋を後にした。


そして部屋に残されたシオンは─


「ぼーーーーーー・・・・・はっ!?」


呆けていたシオンはキスされた事を思い出し、ボッと真っ赤になって布団へ倒れるのであった。




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