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〈第5-1話〉王都到着

新たな仲間、盗賊のカインを仲間にしたクローム。

しかし、森を抜ける途中、不運にもドラゴン・オークと遭遇してしまう。

はたして、二人は生き延びられたのか……?

 

「クローム、本当にやれるの?」


「どうだろうな、万一になったらデュラを本格的に握る必要がありそうだな……」


 あくまでも、俺としては通常戦闘は最終手段。

 他に使える手段があるならば、それを使うに越したことはない。


「ドシン、ドシンと、相変わらず地響きが聞こえる……」


 幸いにも、ドラゴンはこちらを見失っているみたいだ。


 あと4、5歩……そうすれば、デュラで木を切って落とせるんだが……


「あと少し……あっ!」


「ちょ、ちょっと、クローム……!?」


 不覚にも、目が合ってしまった!

 ドラゴンがこちらに向かって突進してくる大きな音が聞こえる……!


 ヤバい……そうだ!


 土壇場だが、これなら逆に好機だ。

 ドラゴンをカインの傍まで誘導できれば、木を落としてくれる。


 よし、やってやろうじゃねえかよ!


 木陰を飛び出し、一心不乱に走る!


「カイン!! 俺がそっちに行くから、来たら木を落としてほしい!」


 叫べる限りの声で叫んだが、聞こえているだろうか……?

 ともかく、今は走るしかない。


 ……とはいえ、意外と速いな……あのドラゴン。

 速度は俺と同じくらいか……。




 走り続けていると、急に地響きが止んだ。


 終わったのか……?


 振り返ると、ドラゴンはこちらに背を向けている……よく見ると、近くには倒れた木がある。


「カインはうまくやってくれたみたいだ!」


 ……けど、流石に木一つじゃ、倒れてくれないのか!


 なら、この状況をさらに活用するまでだ!

 ドラゴンの部位において最もダメージが与えやすい部位、それは尻尾だ!


 それをこちらに向けているこれほどのチャンス、逃す手はない!


「デュラ、力を借りるぜ!」


「早くそうすればよかったんじゃないの……?」


 ともかく、今は動きが止まっている。そのでかい尻尾をいただく!


 走って跳び、デュラを振りぬく。

 そして、尻尾めがけて一撃を振り下ろす!


 グルアァァァァァ!!!


 ドラゴンからの悲痛の叫びとともに、その尻尾は見事に切れた!

 流石、デュランダルだ。尻尾を狙ったとはいえ、硬度に定評のあるドラゴンの鱗ごと切断できるとは……!


 今度はこちらに注意が向く。体を横に向け、頭はこちらを噛み砕こうと狙っている。


「カイン! ドラゴンの脚を狙ってくれないか!」


 こうなれば、それぞれでヘイトを分散して不意を突く戦法だ。

 脚を切ってくれれば、それだけで移動できなくなるはずだ。


「わかった! 前の方はお前に任せとくぜ!」


 よかった、カインは心が広い!

 早速彼は、シャナを駆使して両右足を切りつけてくれた! これで動けまい!


 そして、ドラゴンの頭が向こうに向いた!

 次は俺のターンだ!


 狙うは首……!

 デュラの力をもってすれば両断は不可能だろうと、急所である動脈を切ることはできるはずだ!


「やれるな?デュラ!」


「ええ、任せときなさい!」


 跳びかかって、首を狙う!

 ここさえ切れれば倒すことはできるはずだ!


「はあぁぁぁ!」


 一撃が首に刺さるその直前だった……!

 なんと、再び、ドラゴンがこちらに目を向けたのだ!


 しまった……これだと噛みつかれに行くようなもの……!

 えい、くそ! こうなれば一か八かだ!

 もう一つの急所である眉間を狙う!


 土壇場で剣を立て、限界まで体を逸らす……!

 すでにドラゴンも臨戦態勢だ!


 デュラの切っ先と、ドラゴンの噛みつき……!

 どちらが早く届くかが、運命を……ロマンを決める!




 ドラゴンが大きな口を開けるよりも早く、こちらの一撃が、眉間に届いた手ごたえがあった!

 サックリと入ったそれを、続けて一気に引き下ろす……!


「クローム!!大丈夫か!?」


 ドラゴンはデュランダルが突き刺さってから、数秒から数十秒ほどしてから自身の血と共に力なく倒れた……。本当に急所に直撃したようだ。


「ああ、カイン。俺は大丈夫だ」


「おお……!まったく、ヒヤヒヤさせやがって……」


 まさか冒険が始まって、こんな大物を仕留めることができるとは……予想外も予想外だ。


「ふう、ところで、コイツの肉と、鱗。持ってこうぜ、きっと大金になる」


 たしかに、ドラゴンの肉や、鱗なんてものは装飾品や、高級食材になる!

 きっと、後々の冒険の手助けになるだろう!


 デュラと、シャナの力を借りて、切断した尻尾や、腹から肉や鱗をはぎ取る。


「よーし、それを、この袋に入れてくれ」


 カインは、二つの大きな袋を取り出した。

 それにはルーン文字が刻まれており、普通の袋ではなさそうだ……!


「それは何?」


「これは、「保存袋」っていうやつで、その肉とか、鮮度を保たなきゃならない物をしまっとける袋なんだ。便利だろ?」


 家にあった保存庫みたいな役割と効果だな……!

 こんなものが世の中にあるのか……やっぱり世界は広い!


「さ、こんなもんかな。行こうぜ」


 俺たちは道に従って、森を抜けることができた!


 森を抜けたそこには、右手に河川と繋がる大きな湖があり、左手には目的地である王都ロイヤルの城壁と大きな城が見える……!


「お、王都はもう目と鼻の先だな」


 王都、ロイヤル・キングダム。この北東の大陸、「クロノア」で一番の王国だ。

 まずは、最初の目的地に到着だ!


 ***


「ん?旅の者か。まずは身分証を見せてくれないか?」


 俺はポッケから自分の身分証を取り出し、門番に差し出す。


「ふむ、ウォルタ村か……。クロームというのだな。そして、その者はお仲間かな?」


「はい。彼は、同行者です」


 カインは、少し焦り気味の様子だった。

 盗賊だから、身分証でバレてしまうと思ったのかもしれない。


「よし、入っていいぞ。王都を楽しんでいけ!」


 その心配は無用だ!

 事実、俺たちはあっさりと、町に入れた!


「わあ……ロイヤル。いつ見ても思うけど、なんていうか、すごい……」


 流石、大都会だ!

 村よりも大きい民家に、東の方には最近新しくできたと聞く工場地帯!

 まさに、ロマンの宝石箱だな!


「あ、案外すんなり通してくれるもんだな……。ちょっと驚いた」


「ザル警備じゃない……こんなので、よく罷り通るわね……」


 実は、ロイヤルは自国の領土の人間が居る場合、別の領土の人間が同行しても入場が認められるという、慈悲深い国なのだ!


「とりあえず、今日はもう夕暮れだし、宿を確保しよう」


 肉や鱗を売るのは明日だ。

 とりあえず、最低限の資金はあるし、宿に泊まるくらいは容易だ!


 一泊するということを宿で取り付け、早速、部屋に入った……!


「ふう……宿に泊まるなんて、ひさしぶりだなぁ……」


 カインは泊まったことがあるみたいだが、俺は今回が初めてだ!


 すると、夕食が運ばれてきた!

 美味そうなビーフシチューに、コーンスープに、サラダ、そしてパン……宿ってすごいな!


「そんなに感動してるところをみると、こっちまで笑っちゃうぜ」


 初めての宿に、初めての仲間、今日はいろんなことがあったな!

 こりゃあ明日も楽しみだ!

カイン「クローム、仲間は何人まで増やす気なんだ?」


クローム「さあ……4にんくらいがちょうど良さそうだな」


カイン「四人か……なかなかにいい旅になりそうだな!」


次回も楽しみにしていてくれ!

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