〈第16-1話〉正式参加!
幽霊退治の露払いを請け負ったクロームたち。
ヤマトのモンスターと交戦しながら進み続け、霊園にたどり着く。
巫女4人の力によって、幽霊はことごとく倒されていき、残った最後の一体も四人が放った抜群の連携攻撃の前に下された。
そして、一行は帰路についていた……
「「ぜぇ……ぜぇ……」」
「頑張って! あと少しよ!」
外はもう日が昇り、眩しい光が俺たちを照らしている……。
「調子のいいことを……ミコト、お前も歩いて登ってみろよ……」
俺とカインは今、あの「限界階段」で息が絶え絶えだ……!
「ほら、【治癒】!」
ミコトの回復魔法……正直なところ、肉体的な治療よりも、精神的な安らぎがほしいな……
……そうだ! 武器について聞いてみよう!
さっきはなかなか聞けなかったからな!
「ところで、そのカタナとホコって武器、ロイヤルじゃ見ない形だけど……トツカと同じでヤマト特有のトリガーなのか?」
ロイヤルの凡骨な形じゃなくて、スラリとしなやかなその見た目は静かな闘志を感じさせてくるのだ……!
「そう? 逆に、私たちはデュラみたいな形の剣はあまり見たことが無かったよ」
「うむ。村雨の言うとおりだ。刀や矛は見慣れているぞ」
変わった国なんだな……ヤマト!
トツカにしても、ムラサメにしても独創的で、ロマンをビリビリと感じる……!
「ということは、私のような弓は諸外国でも見かけるのですか?」
ツキ……そう言えばたしかにそうだ。
ロイヤルでも、弓と言えばツキと似た形をしている……
「見たことあるぜ! 細部は異なるかもしれないけど、大まかな形は一緒だ!」
「まあ……鎖国はごく最近解かれたと聞いたのですが、まさか同じものが……」
なるほど……関係がなさそうなところでも、同じものを作っているっていうことなのか……!
つまり! 需要とロマンが同時にあったってことだ!
「弓と剣ってのは、何処でも思いつくものなんだな。……流石に俺と似たやつは無さそうだけど」
「ちょっと、チャクラムなんて武器も中々思いつかないでしょ? 独創性なら私も負けてないわ!」
「それを言ったら私も仲間に入れてくれないか? 矛と槍は似ているかもしれないが、使い方は違うぞ!」
「じゃあ、刀の私も……」
独創性……こうしてみると、似ているところがあってもその細部や使い方が違う……!
いいねえ! ロマンに火が点くッ!
「よし! 話を聞いていたら燃えてきたぜ! あと少し、頑張ろうぜ! カイン!」
「まったく……単調なやつだよお前は」
うおおおおお!!! 進めええええええ!!!
一段一段を踏み越えろッ!
まだ見ぬ世界を見るために、ここは踏み越えなきゃならないんだ!!
「ぐっ……!」
くそ! 精神が疲れ果てているのか、躓きそうになって……!
「頑張って、クローム! あと五段だよ!」
デュラの声……! そうさ、あと少しだッ!!!
「うおおおお!!!」
……登りきった!!!
「やったあああぁぁぁ……」
俺は両手を天に掲げて、そのまま膝をついて…………
「……はっ!?」
目が覚めると、そこはあの建物の中だった。
床は石じゃなくて木……ふと、鳥の鳴き声がする方を見ると庭が広がっている……
「お、目が覚めたか。階段を登りきったところでいきなり変なポーズしたかと思ったら、膝ついて寝てたからここに運んできたのさ」
反対の部屋の方では、カインが米を固めた食べ物を食べている……。
あれは一体なんだろう……?
「お前も食うか?」
「あ、ああ……ああ!」
頭がまだはっきりと目覚めていないけど、食事は取れる!
早速、カインの元に行き、テーブルの上に積まれているその一つを手に取った!
「……これはなんていう食べ物なんだ?」
矯めつ眇めつそれを眺める……
大きさは拳ぐらいの大きさで、米が固まったボール……みたいだ。
「さっき聞いたんだけど、それは「オニギリ」という食べ物らしいな。食べやすくてうまいぜ」
オニギリ……! ヤマト……つくづく食文化が深い!
俺はワクワクしながらオニギリを齧り付いた!
「……うまい……!」
「米でできたパン」とでも言うべきか……!
米だけで作られているように見えるけど、中には色々な具が入っている!
「あら、二人とも気に入ってくれたようね」
襖が開いて、エプロンを付けたミコトが現れた! 続いて、後の三人も参上する!
ということは、このオニギリは……
「ああ!うまいぜ!」
「食べやすくていいな。これ」
ミコトはニッコリと微笑んでいる!
「フフ、よかった。それは私が作ったのよ」
やっぱり……!
見かけによらず、彼女は色々なことができる!
「……あれ?もうない……」
「あっという間だな……」
気が付けば、オニギリを食べきってしまった!
少し心残りだけど、ご馳走してくれたから贅沢はあまり言えないな!
さて、腹ごしらえを終えたことだし……
「客人よ、ミコトから話を聞いたのだが旅人なのだな?」
「え?あ、ああ」
どうしたんだろう。四人はかしこまった様子で、こちらを伺っている……
「もう一つ、頼みがあるんだ」
「ええ?」
頼み……? また露払いなのか……?
「ミコトを連れて行ってほしいんだ!」
「ええ!?」
!?!? 驚きだ……まさか、ミコトが……!?
「強制する気はないけど……私、もっと世界を見てみたいの。クロームとカインを見ていたら、すごく楽しそうだから……」
……ミコトの言葉……いや、彼女のロマンが、俺の心の内に響いてくる……!!
情熱が俺の身を焦がす……! こんなとき、言える言葉はただ一つ!
「いいぜ! 仲間は多いほうが絶対に楽しいはずさ! カインもそう思うだろ!?」
「ああ。戦闘になっても手数が多くなるし、これからは野宿も安心だな」
満場一致……!!! 新しい仲間が増えた!!!
「本当か!……ミコトをよろしく頼む!」
「良かったじゃん! ミコっち!」
「頑張ってね……ミコト……!」
口々に声援がミコトに送られていく!
彼女はすごくうれしそうな表情だ!
「ありがとう、みんな。 それから、よろしく。二人とも」
「ああ! 改めてよろしく!」
「おう、よろしくな」
挨拶を終えて、俺たちは出発準備に取り掛かった!
***準備完了***
建物の前で別れの挨拶だ!
「それじゃあ、繰り返すようだけど……ミコトを頼む!」
「おう! まかせておけ!」
心配性なレイカに、精一杯のグッドサインを送る!
「ミコっち、たまには戻ってきてね」
「……そのときは、いろんなお話を聞かせてね……あと、これを……」
アヤノはミコトに何かを手渡した……?
「これ……勾玉……!?」
「うん……無事を祈ってる……」
それは独特な形をしたお守り……「マガタマ」というものだ!
「うちとアヤっちで作ったんだ」
「あ、ありがとう!」
お守り……俺も旅立つときに妹から貰ったな……!
思わず、バックから取り出して眺めていた……!
「ミコト、もう一度言う。これは修行の一環でもある。それを見込んで同意したということを、くれぐれも忘れるなよ」
「わかってる、霊華姉。絶対強くなって帰ってくるから!」
やっぱり、ただ同意したわけじゃなかったんだ……!
彼女も目標があるんだ!
「さあ、二人とも、早くいこ!」
短い間だったけど、巫女の三人には世話になった……!
そして、新しくミコトが仲間として同行してくれることになった!!
これから、もっと楽しくなりそうだ!
トツカ「再びよろしく。まさか、また旅に出れるなんてな……」
デュラ「よろしく! 一緒に頑張ろう!」
シャナ「……トツカ、アタシの仕事はあんまりとらないでよ?」
トツカ「安心しとけ。俺は全部取ってやるから」
シャナ「なんですと? 私の力も舐められたものね……!」
デュラ「……私の仕事がなくなっちゃうな……近距離しか無理だし……」
次回も楽しみにしていてくれ!





