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〈第14-1話〉生存報告!

ミコトとともにヤマトの建物に上がりこんだクロームたち。

彼女にヤマトの料理を堪能し、幸せを味わったのだが、彼女の親戚らしき人物の帰還により、悪人扱いされ、窮地に陥ったのだった……!

 ああ、死んだなこれは……

 くそ、こうも早く死ぬことになるなんてな……


「ちょ、ちょっと、それ以上はやりすぎよ! その人たちは客人だってば!」


 あ……え? どういうことだ……? ミコトが止めに……?


「な、なんと……!? あっ……その……す、すまない!」


 え……? ええ……?

 なんかよくわからないうちに、彼女は俺から離れると地べたに頭をつけている……!?


「どうかこの通りだ! 客人よ、突然の非礼を許してほしい!」


 ???


「どういうこったよ……? 俺たち、てっきりミコトに嵌められたのかと思ったぜ……」


 状況が二転三転していくせいで、俺は処理が……。

 で、でも、俺は死なずに済んだってことなのか……?


「ミコト! 何故、客人がいると最初に言わなかった!?」


「えっ……だって、前にロイヤルに出るときに言ったじゃないの。「帰ってくるときには同じバッテリーを連れてくる」って」


 ……ってことは、俺たちが来ること自体がミコトの思惑通り……?

 一体何を考えているんだ……?


「な……そうだったような気がするな……」


「ってことは、とうとうアレがやれるってことっすよ、姉貴!」


 なんか勝手に話が続いてる……俺たちは入る隙がないな……。

 でも、何か起こりそうなのは辛うじて察知できる……!


「ミコトの言うとおり……姉貴、どうする?」


「ぬう……そうだな……。客人、早速で悪いが少し頼みごとを聞いてもらえぬか?」


 頼みごと? 一体……? でも、なんだかワクワクしてくる……!


「お、おい、待ってくれよ……俺たちは……」


「いいぜ! 何をすればいいんだ?」


 新しいことは挑戦してみる、依頼は引き受けるまでだ!


「おい、クローム……俺たちは嵌められかけたんだぞ? それに、どんな依頼が来るかもわからないのに……」


「カインは心配性だな、そこまで疑心暗鬼にならなくてもいいじゃんか。ここは引き受けてやろうぜ!」


 見たところ、三人は悪い人には見えない。

 むしろ悪いことをしたような感じだったのはこっちだったし……


「そ、そうか。では……」


 その頼みごととは……以下の通りだ。


 ヤマトは古くから幽霊退治に関して注力しており、霊媒師や黒魔術といった面で卓越している。

 ミコト達は、その流れを汲む術者の「巫女」という存在らしい。


 まあ、そんな御託は置いておいて。

 なぜ俺たちに協力を仰いだかというと、ある「霊園」の悪霊を根こそぎ退治したいのだという。


 しかし、そこに着く前には幽霊以外にも多数のモンスターが邪魔をしていて、着く前に消耗した危険な状態で挑まねばならないという歯がゆいことになっていたからとのこと。


「なるほど、それで俺たちに露払いをしてほしいってことなのか」


「ちょっとまてよ、モンスター程度ならあんたらだけでも十分なんじゃないのか? みたところ、その矛や剣もトリガーだろ?」


 え、そうなの? あの首にチクチクしてきた矛、トリガーだったのか……?

 でもたしかに、トリガーがあるなら俺たちに頼る必要はあまりないような……


「バレか……まあ、そのとおりなんだが問題がその霊園までの距離なのだ。 あの場所はここから15里ほど離れているのがな……」


「ああ、10里っていうのは大体40キロぐらいっす」


 40キロだと……!? それはかなり大変な仕事だ……!


「ええ……。クローム、ホントに引き受けんのか? 行って帰ってくるだけでも、かなりの時間が掛かるぜ?」


 確かに……でも、幽霊退治なんてことに俺たちみたいな輩が参戦できるなんて、滅多に有るもんじゃない! ロマンだ!


「ああ、受けてやるさ!」


「ほ、本当か!? ありがとう! 私の名は神奈月(かなつき) 霊華(れいか)だ!」


「うちの名前は神奈月(かなつき) 藍華(あいか)っす」


神奈月(かなつき) 彩乃(あやの)よ……よろしく」


 今気づいたけど、みんなミコトと同じ銀色の髪をしている……!


「もしや、四人は姉妹……?」


「そのとおりっす。うちは二番目で、彩乃が三番目っすね」


 それは驚きだ……! 俺にも妹はいるけど、四姉妹なんて初めて見たし、それが獣人だなんて……!

 猫耳が全員に付いている姉妹なんて、斬新だ!


「俺はクローム。クローム・アクセルだ!」


「カイン・レビュートだ。よろしくな」


 さて、自己紹介という名の名刺交換は終わった。


「早速行くのか? 俺は準備できてるぜ!」


「やる気満々だな……お前がそこまで言うなら俺もついてくしかないが……」


「そうか! では早速参ろう! 皆の者、いくぞ!」


 行くには早いほうが良い!

 というわけで、俺たちはババッと出発することにした……!


 そして今、俺たちは昼下がりの少し薄暗い山道を歩いている。


「トツカ、その者たちは何というのだ?」


「うん? あの西洋風の剣の方がデュランダル。 ワッカの方がヅダルシャナだぜ」


「ちょ、ちょっと、アタシはワッカじゃなくてチャクラムよ! れっきとした武器なんだから!」


「そうか。私は「天逆鉾」、アメとでも呼んでほしい。そしてこっちの刀は「村雨」で、弓の方は「角突弓」だ」


「よろしく! 雨って言っても字が違うから、うちのことはムラサメって呼んでね!」


「二人ともよろしく。私のことは、ツキとでも呼んでください」


 トリガーが六体……負ける気がしないぜ!

 アメ、ムラサメ、ツキ、そしてトツカ……ユニークな武器が目白押しだ!


「モンスターは私たちがやればいいんだよね?シャナ」


「そうよ、デュラ。面白いことになりそうよね」


 トリガーの紹介を聞いているうちに、早速道先にはモンスターが現れた!


 ガオオオオォォォ!!


 出たな! 見た目はグリズリーみたいな、大きなクマのようなモンスターだ!


「あれはガロウグマ……強力な熊型の魔物だ! 二人とも、気を付けてくれ!」


 でかい……口からはヨダレを垂らしている……!

 けど、所詮はクマ! 妹が昔愛していたあの縫いぐるみの元ネタだ!


 ここは俺が引き付けて、シャナが背後から急所を断ち切る……この作戦でどうだ!


「面白い、やってみようじゃないか。行って来い、シャナ」


「よし、俺も行ってくる!」


 俺たちは以前にドラゴン・オークを倒したんだ、相手にとって不足はない!


 グオオオ!!


「あぶねえ!」


 といっても、やっぱこええな……あの大きな腕に捕まったらどんな死に方をするか……!

 さっきも危うく剛腕で殴られかけた……!


 シャナは……そろそろ背後に回り込めたか……?


「うおおおお!」


 何とか腹に一太刀を叩き込む……!

 けど、なかなかに硬い! そこまでのダメージは与えられていないみたいだ……!


「クローム! 上だ!」


 しまった! フリーになっていた横っ腹を切ったはずなのに、あれは振りかぶっていたのか!


「っ……! うわあああ!」


 咄嗟にデュラを構えて攻撃を防御する!

 けど、流石はクマだ……! 防御していても、凄まじい衝撃が襲ってきた!


「今よ……!」


 グオオオオオオオオオ!!!


 お! シャナが動いた!

 おそらく、首の頸動脈を狙ったんだろうか……?

 ドバドバと溢れていく血が、ここからでも見える……! 


 クマはのたうちながら、山道から外れてゴロゴロと斜面を転がって行った……!


「クローム、大丈夫か?」


「ああ。なんとかな……」


 こんなやべえ奴が跋扈している山道を歩いていくのか……!

 スリルたっぷりの予感だぜ!

シャナ「デュラはいいよね~研がなくていいんだしさ」


デュラ「そうかな……? 私は自由に動けるシャナのほうが羨ましいよ」


シャナ「何言ってんの、バッテリーによってはトリガーを研ぐことをすっかり忘れたりするの。さらには、そのためにおきた性能低下を私たちのせいにしたりね……」


次回も楽しみにしていてくれ!

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