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Moon Light, Again
銀の糸 からまって うごけない
夜の帳 おりてきて 見つけられない
手が届かないのは 私が小さい所為? 世界が大きい所為?
見あげた月は 意地悪で
たまに姿を見せるのに
あえない ふれられない
Moon Light……Moon Light, Again
手のなかに 月のかけら
太陽は もう 無い
Moon Light……Moon Light, Again
雲のなかの 月は孤独で
だから 泣いて くだけたの
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パンや酒を囲む賑やかな輪から外れて、ナタリアはひとりでリュートを鳴らし続けた。そのうちに幾つかのメロディーのかけらが集まり、秩序をなして、曲となる。ナタリアが囁くような声で歌うのを、アミュウと聖輝はじっと聴いていた。
――――――――――――――――――――(第一章「Moon Light, Again」より)――――――――