11話 発表
食事を続けていると、相太からこんな話が出た
相太『そういえば、さっきモンスターが来た時に扉を閉めたけど、扉に全然攻撃してきてないね』
優「どういうこと?」
相太『普通は逆上して扉にモンスターが攻撃すると思うんだよね。
あの扉、そこまで頑丈に見えないし』
確かにそうだ
扉を見てみても2、3cm程の普通の教室の扉だ
人間1人を持ち上げる程のパワーのあったあのモンスターだったらすぐに壊されそうだ
相太『僕が思うに、この場所は…』
?『はいはい、注目ー!』
また相太の話が遮られた
声のする方に目を向けると教卓の前に2人の男子が立っている
相太『まあいいや、推測でしかないから。
今はちょっと聞きましょ』
最初に右側の男子が話し出す
さっきモンスターの腕を運んだ奴だ
?『まず、自己紹介するわ。
俺は根岸 司
で、こっちのでかいのが』
?『千賀 純だ』
先ほどモンスターの腕を扉で切り落としたのは、千賀 純と言うらしい
司『で、ここから抜け出す方法を考えたいと思う。
食事してる人はわかると思うけど、ポイントの関係で食事できなくなるのも時間の問題だ。
外に出るにもポイントが必要。
ここまでで、異論のある奴いるか?』
皆が黙って聞いている
司『無いようだな。
それでだ、外に出るメンバーを決めたいと思う。』
?『そんなの、行きたく無いにきまってるだろ』
誰かがそう言うと、司の提案に反発の声で皆が騒ぎ出す。
司『最後まで聞いてくれ。
誰も全員が行くわけじゃない。
それにこれは、生き残るための唯一の方法だ。
分かると思うが、このままじゃ全員死ぬ。』
死という言葉に教室の騒ぎが止む。
司『扉の外に出ても生き残れる確率の高いやつが外に行くべきだ。
今から名前を呼ばれた奴は前に出てきてくれ。』
そう言うと、先ほど自動販売機から取り出した紙に目を移し名前を呼び始めた。
司『伊藤、伊藤 優。
前に来てくれ』