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第零話 始まりの記憶
目の前にいる少女は涙を流している
見ているだけで、胸が熱くなるのが分かる
少女は泣き顔のまま、俺に言葉を伝えてる
どうしてなのか、その問いに俺は答えられない
どうしてなのか、その問いはもう俺に向けられていない
いつかの約束を交わした。今は叶えられない、遠い未来の約束を交わした
彼女は俺と一緒なら、願いは叶うと言っていた
俺は彼女と一緒なら、願いは叶っていた
時間は前にしか進んでくれない
過ぎた時間は過去にしかならない
思い出にはさせない
後悔をしたくない
正しい選択なんて分からない
答えを求めてもいない
ただ、ただ。
ただ、俺は俺のために
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