最終局面でピンチになりたいけど、チートは絶対にピンチになれない。
この章はここで終わりますがまだまだ書きます。タイトルに[二]とつけているものが第二章になります。
その双子はとても変わっていた。遊ぶなと言えば遊び、馬鹿にするなと言えばさらに罵声を浴びせる。死ねと言われれば死なずに生きる。それを繰り返すこと千年。その双子は故に、双子の吊るされた姉妹と言われた。
巧海はニヤリと笑い、
「よう。テメェらには倒れてもらうわけにはいかねぇよな。」すると、ニナフとターナは驚き倒れた。
「どうした?テメェらの弱点を突かれなかったのはそんなに珍しくなかったのか?」と聞いた。
そう、この双子はすでに禁術を発動していた。いや、禁術というよりは特性に近い。ハングドマンは文字通り吊るされていても苦になるようなことはない男。双子はその一族である。吊るされることや自由になれないことは苦ではない。むしろ、その逆をされることが苦に感じる。つまり、巧海はその特性を利用して、逆のことを再現した。
先ほどの発言は、本当は倒れてもらうはずなのに倒れてはダメだといった。しかし、倒されてくれと言われればその双子は倒れずにいる。でも、倒れてはダメだと言えば、簡単に倒せる。
「何故、私たちを倒すことができない?私たちを倒すのは楽なのに!」
「以前にお前らと同じじゃない種族に会わず、戦わなかったことがないからな。」注意、今までの会話を反対の意味で読んでください。
「お前らを倒さない方法なんて、奥義を使うまでもないな。」すると、武器を召喚し始めた。
「すべての命に司る聖剣よ。今こそ我の手に宿りて顕現せよ。蘇刀 十字召喚。」と刀と言うより、儀礼剣に近い、斬れることが無い刀を出した。
「その刀は?」
「この刀は蘇刀 十字。命の無いものに命を吹き込み、命がなくなったものに命を与える刀だ。つまりハングドマンであるお前らにはこいつの効果が逆さになる。」
「止めないで、助けないで。」すると、巧海は十字を振りかぶると、寸止めした。すると、刃の無い刀が貫き双子を殺した。
「こんなことしても、お前らは死なんだろう?」というと、息の根が止まった。
「あっ、しまった。こいつら聞いたことの反対のことが起きるんだった。」となんとも決着の付け方が微妙の戦いだった。
その様子を水晶越しに見ていた女王は、
「もうだめだ。私たちは終わった。エニズマが勝てるかどうかも皆無だし。私の最終魔法が通用しない可能性が高い。どうしたら。」と頭を抱えた。
一方、巧海はエニズマと対面していた。
「お初にお目にかかる。私はエニズマ・ゼクス・フォン・セーマである。」
「おう。よろしくな。」
「戦う前にお前に問いたい。何故我々と戦うことを決めた?他に選択肢はあったはずではないか?」
「理由は単純。俺は世界からの嫌われものでお尋ね者。話を聞いてくれること事態がない。だから、話し合いなんてちゃちなことは選ばなかった。」
「そうか。しかし、貴様は話し合いと言う手段を選ぶつもりでもいたのではないか?」
「でも、お前らは聞く耳持たないだろ?」
「では、無駄話もここまでにして早速殺ろう。」すると、二メートルはあろう大剣を担ぎ、手を招いた。それが戦闘の火蓋を切った。
ガチンッ!キンッ!ガンッ!
エニズマが大剣に対し、巧海は爪付きの籠手を装備していた。
「なかなかやるではないか?しかし、貴様はまだまだ力を出していないだろ?」とエニズマ。
「そういうお前も半分しか力を出してねぇだろ?」と巧海。
「では私は、本気で殺ろう。全力百パーセントの力を解放する。禁忌発動、真解吸血強制。」力をため、全身に魔力を走らせ膨張させた。
「いいねぇ、この張り詰めた空気。だが、まだ足りねぇよ。」巧海のほうも籠手をしまい、力をため、
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
そこから拳をあわせて、
「龍神拳秘術 龍神融合交神。来い、絶龍神セロ、滅龍神ゼロ。」黒と白のオーラが舞い上がり捻り混じって、巧海の元へ降りた。
「融合完了。絶滅龍神ゼセロ。」
この姿を見たエニズマは、立ち尽くし、震えていた。
「それが貴様の全力なのか?」
恐る恐る聞いてみたが、
「バカが。これが全力な訳ねぇだろ。まだ力の半分も出しちゃい無いぜ。」それを聞くと、エニズマは
「あり得ない。こんな力でも全力ではないと……。あり得ん!」
「んな、怒鳴っても本当のことなんだよ。テメェらも並大抵の努力をしているみたいだが、俺はそれよりもしてきた。その結果がこれだ。今までに幾度となく、俺の努力は報われなかった。だが、今の俺はその裏切られてきた努力によって形作られたんだ。テメェらみたいな常日頃から認められる努力より、俺の方が上だと言うことをしれッ!」そこから飛び上がって、光の輪を生み出して、
「禁融合交龍神拳奥義 絶滅龍神絶破滅掌。」光の槍の雨をエニズマに向けて放った。しかし、
「私とて、十騎士のはしくれ。ここで倒れるわけにはいかんのだ。はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」と気合いを入れ直し、あまた降り注ぐ槍を弾き続けた。
「やるじゃねぇか。よく耐えたけど、虫の息になってやがるな。だが、俺は妥協や手加減はしねぇからな。」
光の槍雨をおさめた。すると、
「フフフフフフフフフ。」
「何がおかしい?」
「気づいてないのか?そこらじゅう魔方陣だらけだぞ?」見渡すと、少なくとも、大陸一個破壊しかねないものばかりが巧海を狙っていた。
「食らうがいい!星屑の爆弾群!」隕石の如き威力を持つ魔法弾が巧海を襲う。
「ハハハハハハハ。見たか!これが私の実力だ。貴様の今までの無意味な努力など私の足元にも及ばん。」と勝利を確信した発言をしたその瞬間、
「ああ、危なかった。普通の奴だったら粉微塵になってたぜ。」
「ッ!?」
「ん?どうした?俺がやられてないのがそんなに不思議か?」
巧海が目の前に現れ質問してきた。
「バカな!何故あの攻撃の群れを避けることができた!?」
「龍神拳奥義 滅龍神 技命滅消。こいつを使うことによって、お前の技の威力だけを消した。この技は、力の入れ加減で消せるものが変わる。だから、うっかり力加減を間違えると、余計なものまで消してしまうからな。さぁ、説明も終わったし最後にするぜ。」
「ここで、終わるのか。私は……。」
「禁融合交龍神拳奥義 絶滅龍神 絶対根滅。」とエニズマの胸に手をあて衝撃波を放った。
「これで後は女王のみ。」
一方、女王は先ほどのエニズマとの戦闘を見て頭を抱えていた。
「まずい。私の勝てる確率が限りなく0になってる。どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!」と悩んでいる内に、ガチャリ。
巧海がドアを開けて玉座に入って来た。
「よう。さっき、入ろうか悩んだけど手加減はせんからな。」
「もしかして、聞こえてた?」
「うん。ばかでかい声で言ってたから、もしかして俺いじめてんのかなぁ。って思ってたから。」
すると女王は涙を浮かべ、
「そうなのだ。だいたい何でお前みたいなのがこの美しい私を狙う?目的はなんだ?お金ですか?地位ですか?それともこの美しくも穢れを知らない私の身体が目当てですか?」
[どうしよう。もっと虐めてやりたい。]と逆に嗜虐心をうずかせてしまったらしい。
「いや、別に目的はお前に仕返ししたいだけ。それとお前は俺の嫌いなやり方で挑んできた。だから、それを買っただけ。」
女王の表情が変わり、杖を構えた。
「いいだろう。私の全力を受けてみよ。」
魔方陣を描き始め、杖をかざし詠唱した。
「この恵みたちはひとつの輪廻万象にて成り立つ。されとてひとつの流れを加え、バランスを失えど力は失わず。かの地のものは一人、世界樹の滴をひとつ掬い上げ恵みをかの地に与える。しかし、その地は屍の山と化していた。ならば、そのものの生涯やその行為に意味は要らず。かの世界樹は一人恵みを貪りしものに裁きを与える。滴落し地は生命の始にて終着点」
鋭き雷を放たれて、巧海にそれが落ちた。しかし、
「黄道十二に伝わりし扉。それを束ねし星霊の王よ。その力をもって邪を払い、幾度の戦場に降臨し静めよ。」
巧海は詠唱にて、十二の光が作った輪を頭上に生み出し、
「これは、お前の魔法をもってしても勝てねぇよ。いくぜ。全星に祈るは過ちを正すため。」
「私がこんなところで……うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
丸焦げアフロの女王を後にし、城を出た巧海はあの女神を呼んだ。
「おーい、ノアー!この大陸でやることはもうすんだぞ。次の大陸に送ってくれー。」しかし、返事はない。
「おーい、聞いてんのかよー。女神だからここからでもお見通しなんだろぉ。はやくしろよー。」しかし、またもや返事なし。
「おいッ!くそ女神!いい加減に返事しろよ!」
すると、突然光が現れそれが広がり映像が映った。
「んんッ。んん~。」と全裸で寝ているノアイスタリアの姿がそこにあった。巧海は、
「この駄女神、日頃の生活も堕落してんのか。おいッ!聞こえてんのかよ自堕落女神!」
「んん~。なによ~五月蝿いわねぇ。まだ眠いのぉ。」
「とりあえずお前は、服を着て寝ることを覚えろ。」
「いったい何をいって…………イヤァ~ン、巧海のエッチ~。」と若干嬉しそうに言う女神に、
「チッ。」
「何で今舌打ちしたの!?普通なら恥ずかしがるところじゃないの?」
「いやぁ、お前のマイナススキルのせいなんだよ。」
「あっ忘れてた。テヘッ。」ウィンクしながらも思い出すが、
「ブチッ!」
「えっ?何今の切れた音は?」すると、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴと効果音が響き辺り一面が揺れた。
「てぇぇぇぇぇぇめぇぇぇぇぇぇぇぇぇはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ひぃぃぃぃ!何々何々何!?」
「今回の世界救うだなんだとやかく俺に任せるだけ任せてなんなんだ!自分だけ楽しやがってぇ!だいたい守護はどうしたぁ!守護は!まさか休んでたとかじゃねぇよなぁ。そりゃあそうだよな。何せ俺に任せて守護の任務に戻ったから、ちゃんとするよねぇ。スーパーグレートウルトラできる女神様よぅ。」
「うるちゃいうるちゃいうるちゃい!そのまま次の大陸に飛んでけぇぇぇ!」と指を振ると巧海が浮き始め、何かに引っ張られた。
「ちょっ待て!まだ話は終わってなっ……なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」ヒューーーンっキラッと巧海は飛ばされた。
「頑張って下さい。巧海さん。」と通常営業に戻りさも巧海がやる気満々の雰囲気を後に飛んでった感を出して、寝に戻る堕落女神のノアイスタリア。
果たして、投げやりに任された、自分に次に待ち受けるものはいったいなんなのか!それを考えるまもなく飛ばされた巧海は、
「ぜってぇ、しばき倒すからなぁぁぁぁぁぁ!あの腐れ女神ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。」と叶えられるかわからない、いや、強制的に叶えさせる思いを抱いて次の大陸に向かう。
終わり……。




