ヒーロー女子と体育委員
長らく書いてないくせに、ネタばっか溜まっている今日この頃。
長編これでかけたらいいなとか思ったりしてます。
こんにちわ。みなさん覚えていますか、大道 理央です。
今日もいつもどうり楽しく暮らしています。
目の前の様子がなければですが・・・。
「ちょっと、いい加減にしてくれない?私と理央の二人の時間取らないでよ!!ッチ。」
「まーまー、いいじゃん岩中ちゃん!確かに一人増えたけど、日向いいやつだよ!」
「・・・静かに食べろ。」
「はぁぁぁ?静かに食べろですって?静かになりたいならあんたがどっかいけばいいでしょ?誰も止めないから。」
今現在、私の周りはとても空気が悪い。といっても主な原因は多分私のせいなのかもしれません。
前回、美化委員こと「松坂 日向』君が女子生徒に殴りかかろうとした際、私が仲裁に入ったことがあった。
そこから彼に懐かれてしまった。
どうやら宮日君同様、彼のことが気に入らないらしい。
「ていうか、松坂君は一年生でしょう?私ら一応この宮日とかいうのも二年なのよ?少しは敬語使いなさいよ、け・い・ご!」
「・・・・・ッチ」
「舌打ちするんじゃいわよぉ!!!」
「こ、琴音。落ち着いて。・・・松坂君も年上にはしっかりとした言葉と態度取らないといけないよ。大人になったら困るのは自分だからね。いいかい?」
そういうと彼は解ってくれたのか、少し目をそらして「・・・はい。」と返事をしてくれた。
きっと根はいい子なのだろう。
まぁ、人を殴ろうとしてしまうところはよろしくはないけど。
「やー、さすが理央さん!マジかっこいいわ。俺も注意されたい!」
「キモッ。」
琴音は小さく宮日君を貶すのはやめなさい。
お昼も食べ終えて次が体育なこともあり、私たちは二人と別れ更衣室へ来ていた。
「なんで二年にもなってこんな奴らと接点持たなきゃならないのよ。ヒロインの血なの?ま、私何もしてないんだけどさ。」
「琴音の言ってる「ヒロインの血」かどうかは分からないけど、友達が増えるのはいいことだよ。出会い方はどうであれ、人との縁は大切にしなきゃね。」
実は私の隣のかわいい女の子、岩中 琴音はこの「世界のヒロイン」なのです。
琴音は転生者というもので、ここは前世でやっていたゲーム『君と恋する』と酷似しているだとか。
各委員会八人と琴音の恋愛劇らしい。
今まで接触しているのは、「宮日 虎」、「松坂 日向」の二人。
一週間も経ってない内に二人にあったのは偶然なのか、必然なのか。
「このまま全員と一カ月経たないで会っちゃったりしてね。あははっ」
「それフラグなんじゃ?まぁ、ヒロインとかの話抜きにしても、琴音はかわいいよね。物事はっきり言えて、目標を成し遂げるために努力を怠らない。ちゃんと実現するところがすごいよ。とても魅力的な女性だ。」
自分の思っていることをそのまま伝えてみる。
だが隣の琴音は顔を真っ赤にして、着替え終わった制服を殴りつけていた。
「理央・・・、私をこれ以上ドキドキさせないで。心臓が破裂するわ。
五限目の体育は中で三組と合同(理央と琴音は四組である)で女子はバレー、男子がバスケだそうです。
「三組は女バレ多いからなぁ。テキトーに授業ながそー。」
「それねっ。ガチでやるとかないっしょ。」
準備体操が終わり二人一組でのパス練習中、隣のペアから聞こえてきた。それを聞いていた琴音は顔をしかめている。
「真面目にやらない方がないでしょ。理央ちょっと言ってくる。」
「あ、琴音!」
そう言いながら彼女たちのところへ近づいていく。
その後ろを私も追いかけた。
「ねぇ、そんなこと言ってないでちゃんとやろーよ。」
琴音に話しかけられてさっきまで話していた彼女たちはこちらを向いた。
「はぁ?あんたには関係ないでしょ?それに体育には参加してんだからそれでいいじゃん。」
「そういうことじゃないの。団体競技なんだから、一人でもそんな人がいるとやる気なくなるし、楽しくないでしょ?」
「はー?しらねーし、つか関係ねーし。」
いつの間にか、琴音と彼女たち二人の話し合いをみんなこっちを見て様子をうかがっている。
三人はそんな事には気が付いていないのか、それとも気にならないのか話はどんどんヒートアップしていく。
「てかさ、ちょっとかわいいからって調子のんなしっ。見た目かわいくても性格悪いとか可哀そう。熱くなるとかばっかじゃないの?」
「っっ!!」
琴音はそう言われると少し泣きそうな顔をした。
だがプライドが琴音にもあるのだろう。
泣くのをこらえている。
「・・・。あのさ、」
私は琴音をかばうように前に出る。
「琴音はいい子だよ。なんにでも素直で一直線で純粋な子。何も琴音のこと知らないのに悪く言うのはやめてくれ。」
「・・・りお。
そうだ、この子のいいところをちゃんと見てないくせに適当なことを言わないでくれ。
「それに、楽しくやるのに君たちが関わりないわけないじゃないか。琴音だって言っただろ、団体競技だって。みんなが関わってるこの時間、きっと学校卒業する時大切な思い出の一つになる。思い返した時、後悔が残るような悲しい思い出を作るのはやめよう。」
私は二人の手を取り、思いが伝わるように伝える。
「この日常を、全部大切な思い出にしようよ。大丈夫、まだ間に合うよ。私と大切な思い出を作っていこう?今の時間を一緒に。」
「「は、はい・・・」」
後ろから「きゃぁぁぁ!!!!」と悲鳴が聞こえる。目の前の二人は顔を真っ赤にしている。
なんだ?なにがあったんだ?
「りりりりおぉ!これ以上はダメ!あんたたちもいつまでも手を握ってんじゃない!!」
「痛いよ、琴音。」
私を二人から引きはがそうと力いっぱいに私をひっぱている琴音がさっきの悲しい顔ではないことに安堵する。
「あんさ・・・、岩中さん、その、さっきはごめん。」
「あたしもごめん。」
二人は琴音に対して謝ってきてくれた。
琴音も対して気にしてなかったのかすぐに許していた。
ボゾッ)「・・・理央の事でそのこと忘れてたわ。」
「じゃあ気を取り直して始めるか!ま、私たち最初審判だけど。」
琴音と同じチームになり、女子の試合を見ながら話しに花を咲かせる。
すると反対側の男子コート近くで女子の歓声が上がった。
「すごい盛り上がってるね。」
「・・・あーそういえば。男子と合同久々だから忘れてたわ。」
「ん、なに?」
琴音はため息交じりに視線を女子のコートに戻して教えてくれた。
「三組の男子の中に攻略キャラがいんのよ。体育委員『賀風 海人』。運動神経はいいけど馬鹿なキャラで、現実でも馬鹿らしいわよ。ゲームやってた時、唯一好きになれなかったなぁ。」
「じゃあ残念なイケメンってやつなんだね・・・。」
前の試合が終わり自分たちの番になる。
さっきの二人も同じチームだ。
「よーし、打倒女バレよ!ばしばし行くぞ!!」
「じゃあ頑張らないとだね。ね、みんな。」
「「はい!」」(大道さんかっこいい!!)
そうして始まった試合は接戦となった。
相手は最初こそ緩くやっていたが、だんだんと攻撃の力が強くなっていく。
相手からのアタックは琴音がきれいにとり、セッターの取りやすい場所へと帰ってくる。
そして上がったボールを私が身長を活かして攻撃へと変えていく。
私と琴音のコンビネーションに周りは唖然とていたらしい。
「理央、これで決めちゃえ!!」
琴音からのダイレクトパスに私は大きく助走をつけ、渾身の一撃を打った。そしてボールはきれいに真っ直ぐ・・・。
食い入るようにこちらの試合を見ていた体育委員、賀風 海人の顔面へぶつかった。
「・・・あ。」
一瞬の静寂に体育館はつつまれる。
「っは、ナイスプレーだね、理央。」
ナイスプレーとか言ってる場合じゃないよ。
なかなか起き上がらない彼が心配になって保健室に運ぶことを申し出る。
「でもねー、大道さん一人じゃ運べないし、だれか賀風君運ぶの手伝ってあげ・・・」
先生が言い終わらない内に私は彼の膝の下と腰に手をまわして持ち上げた。
いわゆるお姫様抱っこだ。
「ん、大丈夫です先生。彼無駄な筋肉がないから一人でも大丈夫そうです。」
「はぁぁぁ!!!お姫様抱っこ、だと?私まだなのに!!!」
隣でそういいながらもついてきてくれる琴音に感謝を述べながら、保健室へ向かった。
保健室のドアを二回ノックして中から「どうぞ」と返事をもらい中へ入る。
「あれ?なんで川田先生いるの?」
琴音が不思議そうに中にいた先生へ話しかけた。
「んー?保健の先生は午後出張へ行っていてこの時間はいないんだ。代わりに授業終わって暇な僕が任されたんだよ。」
川田先生とは二十三歳の研修教育生で本名川田 春明さんである。
「それはそうと、大道さんの腕にいる男性生徒はどうしたのかな?」
「忘れてた。こいつ理央の放ったボール顔面で受け止めちゃって倒れたんだよ。」
琴音が代わりに説明してる間に私は賀風君をベットへ寝かそうとする。
寝そのタイミングで目を覚ました賀風君は状況が理解できていないの周りを見渡す。
私は賀風君の手を取り謝った。
「申し訳ない。君の素敵な顔にボールをぶつけてしまって。どこかいたいところはある?あ、早くベットへ入れないとだね。一応頭に衝撃がいったみたいだから病院へ行った方がいいよ。」
「あ、あの・・・」
「ッシ。今はとりあえず休むといい。放課後また来るからその時に一緒に病院へいこう?おやすみ。」
彼の唇に人差し指で言葉を制し休ませる。すると気絶したように、彼は一瞬にして眠りについた。
「顔が真っ赤だね。腫れちゃったかな?」
「腫れてないと思うよ?大道さん」
「う、うらやましー」
「賀風 海人」 攻略
お読みいただきありがとうございます。
誤字、脱字ありましたらご指摘の程お願いします。