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高く高くその手を掲げて!S・S・S~(セインステッキストーリーズ)よりAct10

西の魔女王魔儀鬼と、闘う三人娘。

手強いとみて、本来の姿、闇の蜘蛛になる魔儀鬼。

その卑劣な索に嵌められた魔虎の使徒が、今生まれ変わる。

ーうっ!これは不味いかも。マコにばれたかな、あたしの事・・。-

「うっ、うん。そうだね、姫那はもう聖教術師セインマギティチャーに、なったんだね。」

魔虎が、怪訝な顔をして、

「な?聖教術師?だと。姫那がか?美琴・・の、お姉さん?」

ーうわっ!口が滑っちゃった。ううっ、やっぱりマコには勝てないっ!こんな小っちゃな子なのにぃ。-

「え?何?なーんて言ったのぉ、聞こえないよぉ。」

あたしは、耳を押さえて冷や汗をかく。

「・・・。まあいい。美琴、三人でやるぞ!あのババアを倒してやるぜ。」

「え?ババア?あっ、そっか。あの蜘蛛女ね。」

あたしは、ワザとボケてみる。

ーここで西の魔女王を倒しちゃったら、歴史が変わっちゃう。そんな事したら虎牙に、獣皇様に怒られちゃう。どっ、どうしよう。・・・そっそうだ、倒さなくても引き上げさせちゃえばいいんだ。滅ぼしちゃわない程度に、やっつけちゃえばいいんだ。よぉーし!-

「それじゃあ、魔虎ちゃん、姫那ちゃん!あの蜘蛛女を倒しちゃおう!」

明るい声で、美琴は言った。

「は?」

「へ?」

魔虎と姫那は、目を丸くして美琴を見つめる。

「え?あたし、何か変な事言ったかな?」

美琴は、ちょっとどぎまぎして2人を見た。

「美琴、お前はホント、お気楽だな。」

「すっごい、余裕・・ですね。」

2人が、びっくりした様に呆れ顔で言う。

「え?余裕なんて・・・。でも、あの蜘蛛女をやっつけないと。姫那ちゃんに悪さしようとしてるから。」

美琴が姫那に、力一杯拳を握り締めて言う。

「そう、あの女が・・マギキがお父様を滅ぼしたの。・・お父様の仇。魔虎ちゃん、美琴ちゃん。お願いします。仇討ちを手伝って下さい。」

「ああ、解っているよ姫那。やってやろうぜ、譬え相手が魔女王だとしても。」

「うん、あたしも手伝う。」

魔虎と美琴が、姫那の横に並んで言った。

「ありがとう、2人供。ありがとう、ワタシの友達。」

三人の少女が瞳を交わし、頷く。

「さあ!行くぜ!!」魔虎が右手を掲げる。

「はい!魔虎ちゃん!!」姫那が右手を突き出す。

「うん、がんばろうね。」美琴も右手を高く掲げた。

三人を見やって、

「ぐっはっはっ!ちょっとはやる様ね。でもね・・・あまいんだよ!小娘共がぁ!」

魔儀鬼が気を増大させ、闇の姿を現す。

<ビキッビキッビキィッ>

まるで、蜘蛛が脱皮するみたいに皮が破れて、その中から数倍に大きくなった蜘蛛が現れる。

その背中に半身を埋め込んだ魔儀鬼が居た。

「ぎゃはははっ、この姿にさせちまったからは、死んで貰うしかないわねえ、お嬢ちゃん方。ほーらっ行くよっ!」

そう言った魔儀鬼の背後から、無数の触手が飛び掛ってくる。

「黒虎ーっ!」

魔虎が魔法陣の中から黒使徒を呼ぶ。

「炎のファイヤアロー!」

姫那が伸ばした手の先に魔法陣を描いて、炎の矢を撃ち出す。

ーここは、ちょっと様子を見なきゃ。-

あたしは一撃目を手控える。

超破弾メガバースト!」

爆裂弾で、触手を打ち砕く事にした。

<ズッガガッ!バッガーン!>

猛烈な炎と爆煙で、魔女王が見えなくなる。

ーさて、次はどうするのかな?-

ちらりと2人に目を向けて様子を伺う。

「構わない!黒虎っ、喰い破れっ!」

「次!いきますっ。氷のフローズンアロー!」

ーうん。いい攻撃ね。さすが、マコ、ヒナ!まだ小学生位なのに、大人顔負けの攻撃力。さすが、一時はあたしも2人が最強だって、思った位だから。-

あたしは、美琴の瞳を通して2人を見守る事にした。

「ぐっふうっ、味な真似をしおって!こうしてやるっ!」

爆煙の中から、突然蜘蛛の糸が姫那の体に巻き付く。

「きゃあっ!」

蜘蛛の糸に絡め取られた姫那が叫ぶ。

「ああっ!姫那ァ!!」

魔虎が助けようと手を伸ばしたが、姫那がその手を掴む前に蜘蛛女に手繰り寄せられてしまった。

八つの目を赤黒く光らせた、蜘蛛の頭部に姫那は囚われて、

「いっ嫌あっ!離してっ!」

思わず叫びながら、身悶える。

「くそぉっ、姫那を離しやがれ。卑怯者っ!」

怒りに震える魔虎が吼える。

「ぐっはっはっ、何とでも言え。こいつの命が惜しかったら、その黒使徒をこっちに貰おうか。」

「なっ、何だと!そんな事出来るわけ無いだろ。」

「ふっふっふっ、わらわが喰らってやると、言っているのだ。ネクロマンサー。」

「ちっ、ちっくしょおっ。姫那を離せ、絶対だぞ。」

魔儀鬼は、勝ち誇って魔虎を見る。

「ふっふっふっ、それはお前次第だ。ネクロマンサー。」

勝ち誇った魔女王魔儀鬼が、ふんぞり返って言う。

「くっ、黒虎。すまない、姫那を救う為だ。行ってくれ。」

魔虎は黒使徒を、魔儀鬼に渡す。近寄った黒使徒を2本の足で押えて八つの目で睨み、

「ふっふっはあーっはっはっ、馬鹿め!これで魔王姫共々滅ぼしてくれるわ。」

「そっそんなっ。約束が違うっ!」

魔虎の絶叫も虚しく、黒使徒を蜘蛛の頭部が丸呑みにした。

「くっ、黒虎ーっ!」

魔虎が、手を伸ばして使徒の名を呼ぶ。

「ちっくしょおおおっ!許さねぇっ、お前だけは絶対許さねえからなっ!」

魔虎が、怒りに震え右手を伸ばす。

ーマコ、辛いよね。ずっと一緒に闘って来た仲間、友達、肉親とも言える使徒を失う事は。でもね、やっと闇から解放されるときが来たんだよ。さあ!呼んで。もう一度使徒を、生まれ変わった使徒の名を!-

あたしは瞳に涙を湛えて、魔虎の昇華を願った。

「もう一度、もう一度アタシに力を!来いっ!黒虎ーっ!」

魔虎の髪が逆立ち、高く掲げた右手の上に魔法陣が現れる。その中から現れたのは、

「ゴオルルルッ!」

雄叫びを上げて、魔虎の前にそそり立つ勇姿。

白虎びゃっこ。白銀の虎。昔の虎牙と同じ獣王。-

あたしは、その姿に礼を言う。

「良く来てくれましたね、白虎。これからは、聖霊師マコの守護者ガーディアンとして働いて下さい。お願いしますね。」

あたしは、魂で命じた。

「獣皇妃の命、ならば。」白虎が、答えた。

白虎の瞳が一瞬あたしを、美琴の瞳を見た。

ーさあ、あたしの想いは、願いは成し遂げられた。2人を闇から救う事が出来た。あとは・・・。-

「魔虎ちゃん、良かったね。黒虎ちゃんが生まれ変わったんだね。真っ白い虎さんに。」

「あ、ああ。びっくりしたよ。でも・・・。アタシの黒虎を喰らいやがった、あいつは許せない。」

「うん、それに姫那を人質にして・・・。相変わらず卑怯な奴!」

「?なんだ美琴。奴を知っているのか?」

「・・知って・・いるよ、あたし。今からずっと後に、魔女王と闘ったから。西の魔女王を倒したから。虎牙と一緒に。」

あたしはもう知られても良かった。知られたとしても、この後・・・。



魔虎も、闇の力から解放された。美琴の想い、願いは叶った。

2人を闇から救い、歪められた過去を正す事が叶ったのだから。

もう本当の姿を現して、全てを正常に戻す事だけが、今回の任務。

「そして、本当の力を使ってもこの任務を完了させる。それがあたしの務めだから。」

次回、超絶!獣皇妃の力。

次回も「ぐふっ!」

「 次回も読んでくれなきゃメガバーストっBy美琴!」

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