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まるで、走馬燈のような。  作者: 鞠谷 磨織
4/8

過去

 入学祝いにとボクの家で軽くパーティーが開かれた。

 ほとんどの料理を姉の制止を振り切って(そんなに壮絶じゃないけど)ボクが作ったが、ボクが小さいときにとても好んで食べていたらしい焦げたフレンチトーストだけは、姉が作ってくれた。


「こんにちは〜」

「ここにくるのも久しぶりだな〜。」


 これは、みゅーとその父のもの。

 玄関に鍵をかける習慣がないので、勝手に入ってきた。

 キョーとその母は、頻繁に訪れていたようだがきちんとインターホンを鳴らしてから入ってきた。


「おじゃましま〜す」

「邪魔するんなら帰りなさい。」


 梗母はよくこのようにふざける。


「別に邪魔されることなんてないですよー。」

 姉が言うと、「それもそうだね」といって先に入ってきた。その背後に市華も続き、隣を通るときにぺこりと頭を下げてくれたのが可愛らしかった。

 ボクがこの家を出た少し前に産まれた子だから、会うのはもしかしたら初めてかもしれない。会っていたとしても、覚えていないだろう。

 キョーは母の姿が見えなくなってからまた、「おじゃましま〜す」と言って入ってきた。

 これで皆がそろった。

 ボクも席に着こうと思ってリビングに入ったら、


「「「入学おめでとう!ア〜ンド、磨織くんお帰り!」」」


 大人たちがクラッカーをならし、子供たちは「ありがとー」「大げさだなぁ」「……あり、がと?」と、反応を返す。

 ボクはどう反応していいかわからなかった。


「料理はみんなオルの手作りだよ〜」


 姉のその言葉で、キョーとみゅーが料理を食べ始めた。

 市華も母によそってもらって笑顔で食べてくれる。


「オルはこっちに座んなよ」


 姉にそう促されるまで、ボクは立ち尽くしていた。


「おいしーよ」


 みゅーが笑顔でそう言ってくれる。

 一緒に食べよう。ということだ。


「マオが作ったのに不味いはずないって。……私じゃないんだし」


 キョーはなぜか、料理にコンプレックスかトラウマでもあるのか、そんなコメントをくれた。


「そうですね。……いただきます。」


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