幻想物語4
どうも!ギャロニンフです!
今回は咲夜さんと一緒に仕事をしますよ〜
それでは早速どーぞ!
「ここはこうやるのよ。」
僕は今、咲夜さんの掃除の様子をみているよ。
「咲夜さん?」
「何かしら?」
「咲夜さんの手際が良過ぎて、心が折れそうなんですが...」
「私は手馴れてるからね。柊も手慣れたらきっとこれくらいできるようになるわよ。」
普段は時を止めて掃除をするそうだよ。そうすると埃が舞わないからやりやすいんだって。
「そういえば柊って能力で私の能力を受けないようにできるんじゃないの?」
「かもしれないですが...なにせやったことがないもので...」
「まぁやってみれば分かるわね。私が時を止めてみるから、あなたは能力を発動してみて。」
「え、どうやるんですか?」
「能力ならきっと意識するだけで発動できるわよ。」
「まぁ一回やってみます。」
僕は能力の事を意識してみた。すると...
「ん、なんか違和感が出てきましたよ?」
「きっと能力が発動してるのよ。今は使い慣れてないから違和感があるのね。試しに、今から時を止めるから。」
そう言うと咲夜さんは時をとめた。
「咲夜さん、今って時止めてますか?」
「えぇ止めてるわよ。ほんとにあなた能力きかないのね...。」
「いや、なんか自分じゃよく分からないんですけど」
「そのうちわかるわよ。というか能力がきかないなら、私が時を止めながらやった方がいいわね。ほら、時を止めてると埃がとまってるでしょ?」
咲夜さんが指差した方向を見ると確かに埃がとまっていた。
「え!すげぇ!空気中で埃がとまってる!」
「私は結構見慣れたけどね。そんなに感動されるとは思わなかったわ。これだと埃が舞わないから掃除がしやすいのよ。これからは時をとめて説明するわね。」
「わかりました。能力の訓練にもなりますしね。」
そのあと僕は咲夜さんからみっちり掃除のコツを教わった。咲夜さんレベルになれるのは10年かかりそうな気がした。
「こんな感じかしらね。」
「咲夜さんすごすぎるんですが...」
「まぁ焦らなくてもいいわよ。最初は自分なりに一生懸命やってればいいわよ。」
「わかりました。」
「私は、今から美鈴の様子を見てくるわ。一緒にくる?」
「もちろん行きます。でもなんで門番を見にいくんですか?」
「普通の門番なら見に行かなくてもいいんだけどね。」
咲夜さんは意味深な発言を残し、歩き始めた。
「ZZ z... ZZ z...」
「やっぱりね。」
僕達は紅魔館を出て、門の前まできた。実に3日振りの外の空気である。紅魔館は窓が少ないため、外の空気が懐かしい気がする。太陽もいつもより眩しくみえる。そして、いつもより眩しく、暖かい太陽の日差しが、目の前で爆睡している、美鈴さんにも降り注いでいた。
「これはお仕置きが必要ね。」
太陽の日差しの暖かさとは真逆の冷たい声で、咲夜さんは言った。
すると咲夜さんは、どこからかナイフを取り出した。
「咲夜さん、まさか...」
「きっとそのまさかよ。大丈夫。美鈴は丈夫なのが取り柄だから。」
いや、どこか大丈夫なのか、柊には全くわからなかった。そして、気が付いたら美鈴さんの至る所にナイフが刺さっていた。咲夜さんはきっと能力を使ったのだろう。どんな顔でナイフを投げていたのだろうか。柊は能力を使っておくべきだと、少し後悔した。
「おはよう。美鈴」
咲夜さんは満面の笑みを見せ、声をかけた。しかし目だけは笑っていなかった。
「お、おはようございます...。咲夜さん...」
美鈴さんはまるで子鹿のように震えて、咲夜さんをみつめた。僕は状況を飲み込めず、しばらく固まっていた 。
「美鈴。あなたの仕事は何?」
咲夜さんは変わらない笑みで美鈴さんをみつめた。
「も、門番です....」
「何故、門番のはずのあなたが寝ているの?」
「そ、それは...太陽のひざしが暖かくて、つい...」
「暖かいなら寝ていいの?」
どうやらこの様子を見ると咲夜さんの方が力的には強いようだ。そして僕が完全に空気になっている...
「本当にすいませんでした!」
「そうやって言っていつも寝ているじゃない」
「そ、それは...」
「私はまだ仕事があるから、仕事に戻るわ。あなたが寝てないかチェックするために柊を見張りにするわ」
いきなり名前を呼ばれたため、少しびっくりした。
どうやら僕を美鈴さんの見張りにするようだ。
「柊。こいつの見張りをお願いしていいかしら?」
「わかりました。」
「じゃあ私は仕事に戻るから。柊。よろしくね」
そう言い残し、咲夜さんは消えた。美鈴さんに刺さっていたナイフと共に。
「美鈴さん。大丈夫ですか?」
「まぁいつもの事なので大丈夫ですよ。」
いつもの事、というのに少し引っかかったが、見た限り大丈夫そうだった。
「門番は大変じゃないですか?」
「大変だけど、やりがいがあるから好きですよ」
「僕だったらすぐやめてますね」
僕がそう笑うと、美鈴さんも笑った。
「もちろん大変な部分もありますけど、なんか紅魔館を私が護っているっていう感じが、私は好きですね」
「でも、紅魔館に来る人って多いんですか?」
「いや、少ないですよ。だから寝ちゃうんです。」
美鈴さんは照れる様な笑みをこぼした。
「それにしても、よく立って寝られますよね。」
「立って寝るというより、いつの間にか寝ていたという感じですね。柊さんは、立って寝たりしないんですか?」
「いや、僕は立って寝たことないです。というか記憶がないですね。でも多分ないと思います。」
「え!?それは凄いですね!自慢できますよ!?」
これが果たして褒められることなのであろうか。立って寝たことのない人なんか居そうなものだが。
「そうなんですかね?」
「そうですよ!」
この立って寝たことのある、ないの談議でとても話が盛り上がった。他にも色々な話を聞いた 。美鈴さんの話はとても面白く、聞いていて飽きなかった。色々な話を聞いていると夕日がかかってきた。すると咲夜さんが現れた。
「柊。美鈴は寝てなかった?」
「はい。ちゃんと起きてましたよ!」
「そう。それはよかった。いつもそうだといいんだけどね」
美鈴さんは笑っていた。
「2人共。そろそろ夕食の時間だから集まっておいてね。」
「「わかりました」」
「それじゃ、私はご飯の準備をしてくるわね」
そう言って咲夜さんは消えていった。
「じゃあ美鈴さん。行きましょうか。」
「そうですね。行きましょう。」
僕達は紅魔館の中へ入って、長い廊下を歩いて行った。
「いただきます」
「「「「「いただきます」」」」」
夕食はとても豪華な洋食だった。相変わらず咲夜さんの料理の技術は凄いなと関心しながら頂いた。
「ごちそうさま」
「「「「「ごちそうさまでした」」」」」
僕達は食事を終え、食器を重ねて置いた。それを咲夜さんが片付けている。
「咲夜さん」
「何かしら?」
「僕も片付け手伝います。」
「柊はまだ腕は治ってないんだから無理しちゃだめよ。」
「片付けくらいはできますよ。」
「わかったわ。手伝ってね。でもあまり無理はしないようにね。」
「はい。わかりました。」
「じゃあ柊は皿洗いをお願い。」
「わかりました。」
「台所はそこを曲がって右よ。お皿は私が持って行くから。」
僕は言われた通りに歩いた。するとそこにはとても広い台所があった。
「うわぁ〜広い」
これが最初の感想だった。
「確かに、台所にしては大きいわね。お皿、ここに置いておくわよ。」
「わかりました。」
僕はお皿洗いを始めた。最初はあまり早く出来なかったけど、コツを掴むと早く洗うことができた。
「柊。ありがとうね。コツを掴んでからは早かったわね。」
「そうですね。結構早くできたかなぁと自分でもおもいました。」
「本当に早かったわよ。今日は本当にご苦労様。あとは自由時間だから好きにしていいわよ。明日の朝食にまた会いましょう。」
「わかりました。ありがとうございました!」
僕は特にすることも決めていなかったので、自分の部屋へと戻った。
「さて、何するかな。あぁ〜っ。少し疲れたなぁ。まぁ本を読むか寝るかしか無いけどね。」
柊が時計を見ると時計は9時半を指していた。
「30分くらい本読んだら今日は疲れたし寝ようかな」
柊が本を読んで、ふと時計を見ると10時半をさしていた。
「本を読んでると時間が過ぎるのがはやいなぁ。そろそろ寝ようかな。」
柊はベッドに入り、横になると数分で規則正しい寝息をたて、深い眠りについた。
どうでしたか?楽しめましたでしょうか?
僕の小説での美鈴の立場はあんな感じになるので、よろしくお願いします。
次回は咲夜さんと人里へ出掛けます!
それでは次回も見ていってください!!