純心乙女の無垢心 (※未完)
お題:穢された行動 時間:15分 終了:×程度
ずっと一緒にいるもんだと思っていた。
「へー、あの二人付き合ってるんだ」
友達の声が遠い。
雑音が蔓延る教室内で、私の視線は窓側の後ろの席、二人の男女に向けられていた。
「夏休みに付き合い始めたんだって。かっー、これが夏休みデビューというやつですか~」
友達の声がウルサイ。
男子は幸せを絵にして貼り付けたらこんな表情をするだろうと言えるほど、全身から幸せオーラを出してだらしのない顔を浮かべていた。女子も女子で今が人生で最大の瞬間だとでも言いたいのか、零れる笑みを抑えきれていない。
そんな二人を見つめる私はというと、隣で未だ喋り続けている友達が「……え、なんで怒ってるの?」と若干引き気味に言う表情だった。
おかしい、あそこにいるのは私のはずだ。だって、あそこでぶん殴りたいほど腹が立つだらしのない笑顔の男子の隣には、今までずっと私がいたのだ。
小学校の時も、中学校の時も、今現在高校の時でさえ。
ずっとずっと、一緒にいたはずなのだ。
それなのに、夏休みあまり連絡が取れないな部活頑張ってるのかなと一か月ちょっと経ってあけてみたらこれだ。これなのだ。
付き合ってるなんて情報を聞いて、うん、そうだ。これは何かの間違いだ。
だって、小学校の時だって、中学校の時だってバレンタインにチョコを渡したのに、まぁ照れて義理だと言ったのだけど、渡し続けていたんだから、私の気持ちは伝わっているはずだ。伝わっていなきゃおかしい。
そうだ遊びなんだそうに違いないと、私は思って、想い至って。
だから私は、それから彼の後をつけることにした。
彼が部活に行った時も隠れて覗いて、
彼が休日に家に居る時も双眼鏡で窓を覗いて、
彼があの女と出掛けている時も背後から付いてって。
ずっとずっと、どこまでもどこまでも。
私は彼が本当は本当に誰が好きなのか、確かめさせるため思い出させるため、私と一緒にいる時間の方が多いってことを知ってもらうため、ずっと一緒にいた。
そんな風に月日が季節が過ぎていき、バレンタインになったのでまた渡す。
けれども、彼は言った。
「ごめん、俺今、彼女いるからさ」
義理でも貰えない、妬くんだよと嬉しそうに、幸せそうに。
私のチョコを、手に取らなかった。
おかしい、こんなのはおかしい。
だって、私とずっと一緒にいたのに。
私の方があの女よりも長くいたはずなのに、それなのに。
彼のために色々頑張ったのに。
そのすべてを、彼はこの日、否定した。
私が思い続けた十年以上の月日を、彼は。
だから私は、だから私は。
私は行動を、純粋な気持ちを。
この純粋な恋心を。
彼に。
私に。
「……そっか」
ぶつけない。
「幸せにね」
私は。
めっちゃくちゃダメになってる。
こんなやりやすい題材で描き切れないとは。
あと一行、二行程度で終わったのに、途中で考えるのが長かった。
発展が色々できそうだったのに、悔しい。




