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かみんちゅ  作者: さんさん
最終章 幻種の里編   ~そして伝説へ~
53/59

ドラゴンへの道

「はい、ケイジぃ…あ~ん♪」


「…うむ……… うまい。」


「ケイジさぁん…次はこっちもぉ…」


「………うむ……」



うむ、今日も元気だ飯が旨い。

今日も今日とて高級旅館で毎朝恒例のイチャコラ朝食をしているわけが、今日はちょっと事情が違う。


「それで、その急な用件とやらは何なんだ?」


俺は目の前でハクアにアーンしてもら…おうとして拒否られて涙目の金色のムキムキマッチョマン――そう、ハクアの父シコウに問いかけた。



「ああ、我が里の権力者の1人でな……昔から我が愛しのハクアちゃんと結婚させろといっていた輩なんだが、そいつが抗議を申してきたのだ。

 曰く、頂点たる竜の中の竜、その我らがどこともわからぬ人間と婚儀などもってのほかだ、とな。」


「……で?」


「ああ、その…文句を言ってきていてな…。」


「………で?」


「いやだから…その…」


「………で?」


「………………」


「………ケイジ…もう………やめたげて………」


「………まあハクアがそういうならな。

 事情はわかった、しかし、だ。

 それはお前等の事情じゃないのか?

 ハクア自身も、そして親であるお前も認めたのだろう?

 それなら問題ないだろう。」


「わかってくれ、ケイジ殿…。

 確かにお前の言うとおりだ、しかし…しかしだ。

 我は竜の長、そしてハクアはその長の娘なのだ。

 ことは個人の問題だけではない…里の問題でもあるのだ。

 何もお前1人に任せるわけではない、ただ、里の長の娘を嫁にしたのだ…里の事にも責任を取るべきではないか?」


そういわれてしまってはグウの音も出ない。


「………面倒くさいが…仕方ないか。」


「やはり本音はそこだったか…」


「まあな。

 まあ、いい加減ここでのニートいちゃこら生活もちょっと飽きてきたし、いっちょ行くか。

 エリー、ノゾミ、カレンもそれでいいな?」


「私はケイジが行くところに行く、これからは、ずっと。」


「うちはかまへんよぉ。」


「私も、ケイジさんと共に…行くと決めましたから。」


「まあ嫌だといっても連れて行くけどな。

 もう前のように離れて危険な目にあわせるのはごめんだ。


 よっし、じゃあ行くかあ!竜の里とやらへ!」



そうして俺達はハクアの故郷…竜の隠れ里へと向かうことになった。

なおその際、カレンの寿退社ということでお別れ会が開かれた。

男共はケイジに爆発しろといった恨めしい視線を送っていたが、ケイジの実力を知ってか挑むものはおらず、ただただ血涙を流すのみであった。

同僚の女性の受付嬢は玉の輿やらなにやらだとうらやましそうな…そして生暖かい視線でカレンを祝福していた。

夜の戦闘はどうだとかいっていたが、聞こえないふりをした。


そして翌日、酒に潰れて死屍累々となったハンターギルドを後にゴレイクを出発した。





「ところで、どうやって行くんだ?歩いてか?」


「ああ、それなら心配無用だ、我の背中に乗るといい。」


そういってシコウは身体を金色に輝かせ、巨大な竜の姿へと変化した。


「おおおお…!」


改めてみるとかっこいい!やはり男なら誰もが憧れるものである!


なお、エリーとノゾミは固まって動かない、そういえばこいつらは初見だったか。


「ケ、ケ、ケ、、ッケケケケケケイジ”!?ど、どらごん!?

 ドラゴンがあ!?」


「おおきいなぁ…この素材ならいくらくらいなんやろ…」


エリーは混乱している。

ノゾミは冷笑(わら)っている。


「やめたげてぇ!シコウさん冷や汗かいてるからやめたげてぇ!」


「冗談やぁ…ケイジ。うちがそんなんするわけないやん。」


冗談に聞こえなかった、さっきの声。


「そ、そうだな…。

 じゃあシコウ、頼むわ。」


俺達を乗せたシコウがバサリと大空へと舞い上がる。


グングンと上昇し、あっという間に空の上…なお空気や風はシコウの風魔法で防壁をはっているそうだ。

まあ俺は無くても問題ないが。


しかしこうしてみると空を飛ぶというのは気持ちよさそうだな…。

飛行術は覚えなかったが今度やってみるか。



しかし飛び始めて子一時間…つく気配がない。


「シコウ、里は遠いのか?」


「まあ遠からず近からず、だな。まあもうすぐに着く。

 ほれ、見えてきたぞ。我らが里が。」


雲を抜けたその先には…



「~~~~ッッッ!!!!」



とうさんの言ってたことは本当だったんだ!!


まさにあの、親方!空から女の子が!みたいな映画で出てくる島が浮かんでいた。


ハクア以外の3人も言葉をなくして見つめている。


「…確かにこんなんやと…誰も見つけられへんなぁ…」


そう…竜の隠れ里は、空にあったのだ。










シコウから降りたところ駆け寄ってくる人影が。


「シコウ様!ハクア様!お帰りなさいませ!」


蒼い髪のイケメンがこちらへと駆け寄ってきた。

後ろには整列したごつい男共…。


「そして貴方が…ケイジ殿でよろしいか?

 しかし後ろの人間共は…」


「ああ、俺がケイジだ。

 この3人は俺の嫁だが?」


「ッ!?なんだと!?

 おのれ!ハクア様だけに飽き足らず!

 いや!それよりもハクア様がいらっしゃるのにどういうことだ人間がべぷっ!?」


喚いているイケメンの頭に背後から手刀が振り下ろされた。


「私も、お母様も、そしてそのハクアもその人間の血が流れているのだけれど?」


「ッ!?

 ヤ、ヤタ様!?」


ニコニコと笑顔で手刀を繰り出したのは…。

ハクアをそのまま大人にしたような…まさに芸術といった絶世の美女だった。

膝まで届くストレートの黒い髪…艶やかなそれはエンジェルリング…光を反射しミスリルの糸すらかすむ輝き。

赤く輝くその瞳はルビーのように透き通っている。

大きく膨らんだ胸、されどほっそりとした腰背丈は少し高めの170くらいか…。

着物のような服に身を包み…ヤタ様と呼ばれる美女は俺に近寄ってきた。



「あなたがハクアの婿殿ね…。

 ふふふ♪逞しい…ふふふ。」


妖艶な笑みに思わずゴクリと唾を飲む。



「………………お母様………………ただいま………………。」


「おかえりなさい♪ハクアちゃん♪」


ぎゅううううっとハクアを抱き寄せるヤタさん。

そしてこちらを見つめる艶かしい瞳。


絵画やら何やら、芸術の作品の中から飛び出してきたようなその姿に俺は…

見蕩れていると、思いっきりつねられた。



「ケ、ケイジ!私というものがありながら!」


「ケイジさん…最低です…。」


「ほんまケイジはドエロやなぁ…」



そして正気に戻る俺…危なかった…。

寝取られダメ、絶対。な俺が思わずその戒律をおかしそうになってしまったぜ。


「ヴォッホン!まあここではなんだ、とりあえず行こうか。

 ケイジ殿、そして奥方達、宴の席も宿も用意してある、話はそこで行おうぞ。」


シコウの言うことは最もで、俺達は宴の席へと向かうことにした。








宴の席でわかったことがある。


まず、この島は前の世界でいう四国ぐらいの大きさがあるらしい。ぱねえ。

超々々弩級の風の魔水晶が複数点在しており、そのおかげで浮いているそうだ。

そして島自体を巨大な結界で覆い崩れ落ちないようにしている。

過去何代もの竜が、暇があればその結界に魔力を継ぎ足し続け、今ではもうどれぐらいの魔力が集まっているかもわからないくらいらしい。


そして次にハクアの立場。

以前簡単には聞いていたが、思っていたより上の位だった、というか最上級に近い。


まずこの島は竜をはじめ他の幻種と呼ばれる種族が複数存在している。

その中でも頂点に立つのがハクア達竜種、ドラゴンではなく、金竜、銀竜といった感じで竜と呼ばれる。

それらが島の統制を行っているそうだ。

といっても基本統治すれども関与せず、その種族ごとに生き方は任せているそうだ。


しかし種族間の争いや島の結界維持…最低限の規律はあるそうで、それらをまとめているのがハクア達竜種。

そしてその長がハクアの父…金竜のシコウだそうだ。

ちなみにヤタさんはその妻、黒竜。

そしてハクアが銀竜。


シコウはこの島のトップ、ナンバー2や3は他にいるそうだが、ナンバー1の妻であるヤタさんはもちろん、その娘であるハクアの地位も上から数えたほうが早い。


そんなハクアがどこぞの馬の骨ともわからない人間といきなり結婚するとなったことにより、もちろん反対意見がでる。

単純に人間と婚儀というのに反対というものから、あわよくばうちの息子と、といった政略を考えての奴らも多いようだ。

しかし逆に賛成という者達も多少はいる…大体は反対せず、といったほぼ中立に近い立場ではあるが。

その理由は簡単、ヤタの母親が純粋な人間だからだ。

既に天寿を全うし、他界しているが過去に前例があることから多少はましなようだ。


まあその竜たちは大体ヤタさんの周辺者だがな…。


ちなみに竜は卵生ではない、俺達と同じように母が身ごもり産むのだ。

竜の状態でも人の状態でもどちらでも埋めるが、身ごもると竜⇔人の変化ができなくなる。

人間と同じく産むときに痛みがあるらしく、大体の竜が暴れたときに被害がでにくい人型で産むようだ。

ハクアと俺の子か…胸が熱くなるな。


とイカンイカン、話がそれた。

まあそういうわけで、男尊女卑…というわけではないが雌は子を守り雄が巣と家族を守る風習があるようだ。


つまり、前回、ヤタさんの母親はあくまで雌…だから大目に見た。

何より旦那が長だったのだ、無理やり認めさせたところもあったのだろう。


しかし今回は話が違う…今回は婿をとる…つまり次期の長が人間である俺…ということになってしまうのだ。



どういうことなの…俺そんなつもりはなかったんだけど…。

ていうか嫌だよ面倒くさい、長とか他のに任せろよ。



宴の席での飯は旨かったが、途中から次の長となる話をされげんなりとしてしまったのであった。


なお、一番上座にシコウ、そしてヤタさん。

その左にハクア、そして俺。 右側には里のおえらいさんが順番に。

エリーたちは俺の左隣ではあるが、『ナンデ人間ガ』という視線を受け続け、ぐったりとしていた…南無。








そして夜、俺はエリー達4人と一緒の部屋に案内された。

が、そこに至るまでひと悶着あった。


まず、ハクアと一緒に寝るということに異議申し立てが多数。

次にハクアと寝るのはともかく他の人間と一緒とはどういうことか、そもそもハクア様がいるのに他にいるだとう!?といった文句が多数。


それならば俺とエリー達3人、そしてハクアが別室ということになったが、それはそれで竜をないがしろにするのかと文句が…。


結局全員まとめて寝ることになった。


ハクアはうっとおしそうにしている。

表情はあまり変わっていないが、最近この無表情の中に小さな表情があることがわかった。


エリーはげっそりしてノゾミとカレンに慰められている、相変わらずチキンハート。

ノゾミはアラアラといいながらエリーを撫でている、さすがブレナイ。

カレンはエリーを励ましているように見えるが、自分も耳と尻尾がシュンとしている…萌える。


そして俺は…竜共の態度にゲキオコであった。いやもうぷんぷん丸を通り越してムカ着火かもしれん。





そういうわけで俺は、いや俺達はストレス発散のためにちょっとプロレスを行うことにしたのだ。

寝る前に、裸で。

もちろん防音魔法と遮断結界は張った。

60分1本勝負のはずが、ついつい6ラウンドしてしまった。

エリーは9回、ノゾミが7回、ハクアが9回、カレンが8回ダウンで終了となった。









「あらあら、あの子達ったら激しいわねぇ……っていうかケイジ君すごいわぁ…。」


「な、何がだ?ヤタよ」


「あらあなた、決まってるじゃない。何がってナニがよ。」


「………」

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