和尚がⅡ
「………うむ、絶景だな!」
「綺麗…」
「ほんまになぁ…」
「………………綺麗………………」
「綺麗ですね…」
――――さかのぼること数時間前
今日は元旦、この世界でも新年を祝う風習はあるらしく、深夜だというのに街はお祭りであった。
しかし特に何かする風習はなく単なるお祭りみたいなものらしく、それならば初日の出を見よう!と思い4人に話したのだ。
新年の挨拶を済ませ、4人に言ったわけだが…。
「よし!じゃあ初日の出見に行こうぜ!」
しかし…4人とも頭に『???』と浮かべるだけだった…。
「あ、あれ…?
ええとだな、初日の出というのは…」
子一時間程4人に初日の出のなんたるかを説明した結果、皆で近くの山に登り初日の出を見ることにしたのだった。
登り始めること3時間…頂上についたはいいが雲が晴れない。
さすがに雲の上まである山というのは近場になかったためであるが…。
「むむむ…これでは見えんな…」
「ナニがムムムよ…」
「そんなボケはいらんよぉ。
そんなことよりどないすんの?ケイジ。
あんたがすごい言うから来たのにぃ。」
「………確かに…ケイジ………どうする………の………?」
「今からではもう他の高い山に登っても間に合いませんよ?」
4人の顔が曇る…しかしまだあわてるような時間じゃない。
「ふはは、俺を誰だと思っている! 我に秘策アリ! だ。」
そう言って俺は両掌を合わせて気を練り上げていく。
「………ハアアアアアアア………………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
山が揺れているが、今は気にしないでおく。
もちろん4人の嫁はきちんと気で包んでいるため安心だ。
気を練り上げて練り上げて練り上げて…
「天ッ!翔ッ!波アアアアアアーーーー!!!!!」
カ ッ ――
その瞬間世界は真っ白に染まりあがり、貫通性よりも広域性を意識した超々極大の気弾は空の彼方へと飛んで行き…。
雲に覆われた東の空は…雲ひとつ無い晴天へと変わった。
「うむっ!」
「「「「………………………………………………」」」」
振り返ると4人ともポカーンとしている…。
「「………………ま、まあ…ケイジだしね…」」
エリーとノゾミがげんなりとした顔で呟く。
「………………ケイジ………………さすが………………」
ハクアはキラキラとした瞳で俺を見つめてくる。
「………………………………………」
カレンは思考停止したようだ。
そういえばカレンの前では気どころをか戦うところを見せたことなかったしな。
「さて、景色もよくなったところで、甘酒でも飲むかぁ!」
いくらみんな俺の気を纏っているとはいえ、さすがは山頂…少し冷える。
旅館からもらってきた甘酒を懐から出す、なんとこれ、魔法瓶のような容器らしく暖かいままなのだ。
ちなみに耳にフッと息を吹きかけても起きなかったカレンは、癒気で尻尾を思いっきり撫でてやったら「ふゃんっ!」と言って起きた。
しばらく皆で暖を取りつつ歓談していると、段々と世界が白けてきた。
「そろそろか………」
そして物語は冒頭へと戻る…。
「やはり新年はこれを見ないとなぁ!」
前の世界でも毎年これだけは見ていた。
4人は感動してかぼおっと日の出を見ていたのだが、エリーが胸元から虹色水晶のペンダントを取り出した。
「やっぱり…綺麗…太陽の光を吸い込んで…すごい…」
――あの正妻戦争のあと、きちんとエリーとノゾミにも虹色水晶を贈っている。
虹色水晶は、光を吸い込んで七色に輝いている…その光のなんと幻想的なことか…。
ほうっと眺めていた残りの3人も、それぞれ胸元から虹色水晶を取り出す。
皆、自分の水晶を眺めて恍惚の表情を浮かべている…。
うむ、贈り手冥利に尽きるってモンだ。
「みんな、本当にありがとう。
俺は自分勝手だし、女心もわかってなかったりするし…迷惑ばっかりかけてるかもしれん。
いつも本当にありがとう…、だから俺はここでこの太陽に、その虹色水晶に誓おう…お前たちをこれからも大切にすると!」
顔が赤くなるのがわかる…逆光で見えないよな、と皆を見ると。
皆が優しい笑顔で、ゆっくりと頷いてくれた。
なお、旅館に戻ったあとはおせち料理を堪能し、皆でゆっくりとお風呂。
そして夜は新年バトルon布団を開催。
結果は6ラウンド、エリー8KO、ノゾミ7KO、ハクア7KO、カレン6KOだった。
「こ、今年もッ…(ビクンビクン)が、がんばる…わ…(ビクッビクッ)」
「う、うちも…がんば(ビクッ)…ッッッる…(…………)」
「………………(ビクンビクンビクン)………………」
「………わ、私も…頑張り……(ビクン)…ます………」




