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かみんちゅ  作者: さんさん
第4章 メーリ連合国編②  ~幻の花嫁~
43/59

じんせいの はかばからは にげられない!!

「………………おいしい………………」


「うむ。」


俺達は朝食を食べている、しかも高級旅館のだ。

味噌汁によくわからん魚の煮付け、卵焼きっぽいのに、新鮮な野菜、漬物…ああ、ここにきてよかった…。

またこの味が食べれるなんて…幸せだった。

横にむさくるしい男がいないことを除けば、だが。


「………で、お前はなんだ?」


「は、はい…何だ、と申しますと…」


あのときの勢いはなんとやら、筋肉ムキムキマッチョマンは土下座して頭を上げない。


さかのぼる事1時間ほど前、朝飯を食べに旅館に戻ると、真っ黒こげになった例の大男がいたのだ。

懲りずにまた襲い掛かってきたので、ワンパンで沈めた。

そうしたらまた襲ってきた。

いい加減腹がへってきたし、女ならともかく男にここまでされるとうざい。

俺は心を折る方向に決めた。


ワンパン→悶絶→気で強制的に回復→ワンパン→悶絶→気でry


と無限ループをし続けた。

途中泣こうが喚こうがやり続けた、謝っても許さない、絶対にだ。

1時間ほどたったろうか、ハクアが俺の腕を掴んできた。


「もうやめて!お父様のライフはもうゼロよ!!!」


俺はHANASE!といってさらに続けようとしたが、お父様という単語にひっかかって手をとめた。

あといつものハクアではないちょっと切羽詰った感じだったせいもある。


「………お父様?」


「………………そう………………お父様………………私の………………。」


「………そうか………」


俺は、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいとブツブツ言っている物体から手を離して旅館に戻ったのだった。



まあその結果心が折れるどころか、粉砕骨折してしまった大男ができあがったわけだ。




「質問に質問でかえすななああああ!」


「ひいいい!!すみません~~!!!」


「だから、名前は?ハクアの父親だそうだな。そして何しにきたんだ?

 あれか?お前の家は寝ている人に対してノックもせずいきなり横にいるのか?初対面の人間に。

 そんでいきなり襲うのか?ばかか?死にたいのか?」


「ハッ、ハイ!私はシコウと申します。

 先ほどはとんでもない御無礼を致しまして申し訳ありません…。

 実はハクアが家を出まして、しかも婿を探すとか…いてもたってもおられぬ私はこっそり後をつけたわけでして…そうしますと貴方様が…その…ハクアと寝ているのを見つけまして…。

 最初は殺してやりたい気持ちでいっぱいでしたが、幸せそうなハクアを見て…グウウウウ…」


最後は血涙を流して喋っている…うん……。

そんなことよりもだ…。


「おい、ハクア。 婿とは?」


「………………ケイジ………。」


「…指を刺すな……ってか、そうじゃなくてだな…」


「………………………私じゃ………………ダメ………………?」


上眼使い&うるうる眼、角度もばっちり決まっております!!!


「………あーもう…だめじゃねえ。

 あーけど…もうすでに1人いるんだけど、いいか?」


俺は別に一夫一妻という考えはない、好き同士でみんな同意ならばそれでかまわんと思う。

だから一夫多妻万歳だ、まあ俺がハーレム希望というせいのあるがな…。

もちろん妻には俺だけを愛してもらうがな!!!


「………………………別に………………いい………。

 そのかわり………………ちゃんと………愛して?」


「………ああッ!」


そうして口付けを交わす俺達… fin




「………あの、よろしいでしょうか?」


チッ…いいところで。


「なんだ?あとうざいからもう普通にしゃべれ。」


「わ、わかりました…………わかった。

 その、お主は何者だ? 我をああも容易く組み伏せるなど…本当に人間か?」


「人間だよ、てかそういうてめえこそ何者だよ。」


「わ、我は、いや……我等は竜族、お主ら人間が幻種と呼ぶモノの一つよ。

 その中でも我は長をしておる…じゃが、はっきりいってお前ほどの人間など滅多に見んぞ。

 そしてそいつらは須らく英雄等と呼ばれる存在であった…間違ってもお主のようなチンピラ風情ではにい。」


「おいい…お前言葉遣いには気をつけろよ、あまり調子に乗ってると裏世界でひっそり幕を閉じるぞ。」


「グッ…ググググ…………すいまえんでした………ウウウ…」


「まあいい、ところで一つといったな、詳しく教えてくれるか。」


「…………まあいい、貴様ももう無関係ではないのだからな。

 まず貴様らが言う角族、これは我らの様な竜族や他の種族が、人間の姿を擬態しているにすぎん。

 我らが擬態する際、角などが残ることが多くてな…そのせいで人間が勝手に角族などとつけたのだ。

 まあ交流なぞなかったから、それ以外はわかってはいないだろうがな。」


ここで明かされる驚愕の事実…くそう、角族の強い奴らと戦うという野望が潰えてしまった…。


「そして、我は誇り高き竜族の中の竜族の長、金竜のシコウだ。

 竜は竜によってそれぞれ色が違う。

 自身が持つ魔力の質や量によって色が変わるのだ。」



ふむ…大方こいつが雷でハクアが氷ってところか…そういえばエリーやノゾミは元気にしてるかなぁ…。



「わかった、で、シコウさんよ。

 ハクアをもらっちまうわけだが…いいのか?」


仮にも父親だ、一応筋は通そうと思う。


「……グウウ……不本意であるが、致し方あるまい…我に打ち勝ったのだ…。

 婿としては申し分なかろう。」


「ふむ…いいのか、あんたらがいう下等な人間なんだろう?」


「別に人間全てがというわけではない、人間にも良きものはいるものだ。

 それに我が妻の母親も人間なのだ、つまり妻、そしてハクアにも人間の血はまじっておる。


 それに人間もお主のようにありえんくらい強いのがおるしな。

 10何年か前に戦ったやたらと♪をつけるのんびりしてそうな…しかしえぐいくらい疾い女剣士もめっぽう強かったのう……。」



おいおい、それどう考えてもヒーヅルにいるあの人じゃね……竜との喧嘩してたのかよ…。



「ただ、ハクアは我の大切な…大切な娘だ…跡取りはハクアの姉がするとしても…それでも人間社会に嫁にいくなど…腸がねじ切れそうになる…ッッッ!

 わかっておるな、人間よ…!いや、ケイジよ!!

 ハクアを泣かせてみろ、たとえ勝ち目がなかろうと、我ら一族が末代まで貴様を狙い続けよう!!!!」


「ふっ…愚問だな…俺は、女を最優先で生きる男だ。」


「………………………まあ昨日………散々鳴かされたけど………ね(ポッ」


「ちょとおおおおおお!ハクアさんんんん!?なにいってんだあんたああああ!!?」


「………グゥウウ…」



シコウはこの日だけで竜生初となる血涙を流した…二度も。




「まあ、なんだ…………ハクアよ…お前が自分で選んだんだ、間違いはなかろう……。

 ………………………………………………………たまには………帰ってこいよ。」


「………………………………(コクン)」

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