ファーストコンタクト
「覇王ッ!天!翔ッツ!波ああああああああああ!!!!!11!!1」
俺がそう叫んだ瞬間、極大の青白い気塊が両掌から現れた。
バリバリバ!!!キュボオオアアア…
気の塊は瞬く間にコーリの男共10人を飲み込み、後ろの林を根こそぎ消し飛ばし、勢いとまらず突き進み続け、奥地にあった山へと到達したと思った瞬間。
カッー!!
世界は白い炎に包まれた。
ドンッ! バリバリィ! ドドドドド!
俺は両手を突き出したままの格好で固まっていた。
(え?なにこれ?え?え?
理解が追いつかない、俺は何をしたんだっけ。
あれ、確かに気は溢れてるけどこれやばくね?
ど、どうしよう…)
「ふぎゅアッート!」
おかしな声が聞こえたと思い、後ろを振り向くと…少女が倒れていた。
顔面に巨大な石をめり込ませ、鼻血をたらし、なぜかダブルピースをしていた。
「ふむ…これが伝説のなんたらダブルピースか…」
混乱していた俺であったが、地球にいたころに読んだ文献に載っていた特殊なこの顔を見て、冷静になることができた。
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「ひぎぃっ!」
私は目の前に巨大な石が飛んでくるのを見た瞬間、がばっと起きた。
ああ怖かった、夢だったのか。
そうだよね夢だよね、なんか体からオーラでてるムキムキな男の人が現れて林消し飛ばして山吹っ飛ばしてなんかしてないよね。
ああよかった…
「っているしいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!?」
夢だと思っていたら目の前に夢の中に出てきた男の人がいた。
何を言ってるかわからないと思うけど、私にもわかんない。
もっととてつもないものの片鱗を味わったわ…。
「って今まさに味わっているんですけどおおお!?」
男の人はなにやら困った顔をしてこちらを見ている。
よくよく考えれば私はこの人に助けてもらったのだ。
ん?助けてもらった?
私はギギギ…と首を振り向かせると…
横20メートルくらい、奥はわからない、林が消えている。
おまけにあったはずの山がなくなっている…。
「ぎゃああああああ!」
私は夢でなかったことを認識し、パニックにおちいった。
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ダブルピースの女―名はなんだったか―は先ほどから叫んだり静かになったり色々とおかしい。
やはり打ち所が悪かったのだろうか…。
「おい、大丈夫か?」
俺の声にビクンッ!と反応した女が、恐る恐るといった感じでこちらを見上げてくる。
「あ、はい…ら、らいりょうぶれす…」
怖がらせてしまったか…仕方がないといえば仕方がない、というか俺自身ちょっとびびったしな。
仕方がないので、今考えた理由でごまかすことにする。
「しかしびっくりしたなぁ…いきなり隕石が落ちてくるなんて…」
「え…? あ…え…?ああ!ああ!隕石!
うん!びっくりだよねー!まじありえないよねー!キャハハ!
隕石が許されるのは、6歳までだよねー!?」
何か違う気がするが、まあいいだろう。
物事はすべて力技で解決だ。
この世界の力のレベルはわからないが、さっきの男共やこの少女の内気からして、俺の力はちょっとどころか桁違いだと判断できる。
この世界の事情がわかるまでは、リミッターをかけて、気は抑えよう。
俺は外に出る気を零にした。
とりあえずはどこか落ち着ける場所に行こう、野宿は慣れているが、この少女と一緒にするわけにもいかない。
「ところでダブルピー…じゃなかった、プリメーラちゃん。
ここはどこかな?街は近く?」
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隕石…隕石か…うん、そうだよねーデスヨネー。
あんな魔法とかありえないよねー。
私は若干納得がいかなかったが、本能がそう思えと叫んでいるためそう思うことにした。
男の人は街の場所を聞いてきている、この辺りの人ではないのだろうか。
とりあえず私も帰りたかったので、一緒に帰ることにした。
「街は…馬逃げちゃったので歩いてになりますけど、1時間もあれば着くかと思います。
ところですみません、あなたのお名前は?」
「…ケイジ。ケイジ・カミンチュだ。」
かみんちゅ…かみんちゅかぁ…なんかかわいい名前だなぁ。
それが私、プリメーラ・パン・ダーゼと、彼、ケイジ・カミンチュの出会いでした。




