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かみんちゅ  作者: さんさん
序章  ヒーヅル編①  ~異世界移動~
13/59

YES未亡人!NO人妻!

「フゥー……………」


俺は大きく空気を吸い込み、肺へ巡らせる。

さらに肺に入った空気を、ゆっくりと全身に巡らせる。

体中に気が巡っていくのがわかる…俺は気を皮一枚下ぐらいまでに抑えて、身体に薄くまとわせていく…。


前の世界でも幾度かしたことがある、

―もし気が使えなくなったらどうするか?

気の放出を無理やりに押さえ、大自然の中で何ヶ月も修行をした。

今回はそれをちょっとアレンジする。


完全に覆うのではなく、二重三重に覆う、そして気の膜に極小の穴を開ける。

そう、リミッターだ。

俺は体内の気を一定量以上放出できなくしたのだ。


俺は薄い膜をつくりながら、昨日のことを思い出していた。

ジャブ程度、いやジャブではない、ふっと息を吹きかけた程度だ、その程度の気で放った超必殺技が…Cランクの魔獣の上半身を文字通り爆裂させた。

聞けば、あのクマの魔獣は硬い毛皮と強靭な筋肉に覆われており、斬ることは大変なのだという。

それが木っ端微塵だ…これではまともに戦闘ができなくなる。

かといって全く気を纏わなければ、逆にこちらが負けてしまう…それならば、と出力を抑えるリミッターを作成することにしたのだ。


― リミッター1 95%抑制

― リミッター2 90%抑制

― リミッター3 80%抑制

― 最終リミッター 50%抑制


俺は4つのリミッターを自身につけた。

普段は5%程度しかだせないようにして、1を解除すれば10%までだせるいようになる、2で20%、3で50%、最終でフルパワーってわけだ。

吸血鬼の旦那の拘束制御術式…あれに憧れた俺はいつかこういう機会があるだろうと、こういった術も学んでいたのだ。


なぜ4つにしたのかだと?

俺の師(二次元)が言っていたのだ…


――――俺はその変身をあと二回残している。この意味がわかるな?


と、彼は3回変身をするやつだった。

いつか俺もこのセリフを言ってみたいものだ…。

なお、最終リミッターは、3回変身したあとのフルパワーだ。

なぜ最後だけ60%も抑制しているのかというと…


  最終リミッター解除! 


  あれ大して変わってなくね?


といった状況が嫌なわけだ。

最終リミッター解除、つまりそれは今までと段違いの強さ…出力だけで言えば約2倍だが、実際はそんなものではすまない。

出力2倍=強さが2倍、そんな風に考えていた時期が…俺にもありました…

出力があがればあがるほど、強さはものすごい勢いで跳ね上がる。

数学でいう二次曲線か何かだったか…俺は高校をでていないのでわからんが、そういうグラフを想像してもらうといい。

まあこの世界で最終リミッター解除することが…むしろリミッター自体を解除することになるかどうかすら怪しいがな…。


―俺より強い奴に会いに来た!


のはいいが、正直なところあまり期待はできない。

どこかの漫画にたとえると、重力100倍のところで戦っていて、いきなりもとの重力に戻るような感じだろうか…。

力は制御できないし、周りもこれが常識のため弱い…。

しかしまあ、まだ見ぬ超位種、幻種や角族…Sランクハンターならばそこそこの強者だろう。


自分の強さを驕るわけではないが、この世界ではこのくらいがちょうどいいのだろう…。

なに、それにこれも修行になる…限定状況での気の操作、そして戦闘だ。

もしかしたら気が溢れていない世界があるかもしれない、今回はたまたま世界に気があふれていたが、いつかいく予定にしている更なる異世界…そこでは逆になるかもしれない。

そうなったとき、きちんと戦えるようにするためにも気を抑えて戦うことに慣れておこうと思う。


また、この世界は地球とは違う。

巨大な生物が多種多様におり、地球では幻想の生き物であったドラゴンすらいるのだ…まさに異種格闘技となろう。

魔法も覚えられるのなら覚えてみたい、火を纏った拳で行う天昇拳…うむ、夢がひろがりんぐ!というやつだ。



そして…そしてだ…!!

紳士諸君!けも耳だ!エルフだ!合法ロリだ!

この世界には我々二次元スキーにはたまらないものが溢れている。

前の世界では自家発電で補っていたが、どうだろう…もういいんじゃないだろうか…

もうゴールしても…いいよね…

最強を目指してはいる…確かにそれは男の夢だ、俺だってがむしゃらにやってきた。

しかし、そう、男なのだ。男なのならば、別の夢だってあるじゃない!


「俺はDTをやめるぞおおおおおおお!」


形容しがたいポーズをしながら、俺は夜空に吼えたのだった。






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「おはようございます、シールさん」


今日も朝から「なんちてwなんちてw」とか言いながらデンプシーをかましていたプリメラを放置して、彼女―マイラブリーエンジェルシールたん―に挨拶をした。


「あら?ケイジ君今日はえらく落ち着いているわね…まるで溜まり溜まったものを吐き出した賢者のような…」


「いやいやいや!リミッターかけただけですから!誤解です!それに俺はシールさん一筋です!」


「うれしいこと言ってくれるじゃないの♪

 けどざーんねん、私はニージのものよ♪

 彼、今はメーリの首都に単身赴任中だけど…ね…




 一体いつから――――私が未亡人だと錯覚していた?」



「……なん……だと……?」



俺は目を見開いて彼女を見た…人妻…だと…。

俺はエロい、むっつりだと思う。

まあ彼女なんかできたことがないからな。

しかし、そんな俺でも、どう考えても受け付けないものがあった。

それは、

   

  ―――NTR


未亡人ならばいい、相手が承諾すれば、良い。

だが恋人持ち、てめえはだめだ。

女性が、あへぇだのひぎぃだの言って泣きながら堕ちていく様…それだけはだめだ。

女性はハッピーエンドで終わるべきだ。

無論外道は別だが、普通に生きている女性は、幸せであるべきだと思っている。

前の世界でも、そういった場面に出くわせば女性ももちろんその相手である男も助けていた。

別にヒーローになるつもりはないが、ダメなのだ…女性の涙…これはずるい。

だからたとえシールさんがもう18歳未満閲覧禁止的な感じで俺に迫ってきても、俺は喰わぬ!

据え膳だろうがへたれと呼ばれようが、喰わぬ!

まあ、シールさんが夫と別れたり死別したら別だけどな…


そんなこんなで…俺の異世界に来てはじめて芽生えた恋は、打ち切りの週間漫画のごとく終えた。



――――俺の恋愛はこれからだ!



                   ケイジの次の恋愛に期待ください。

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